【最新版】製薬業界の企業ランキング 世界をリードする会社TOP10を紹介

 2020.08.03  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

病気の治療に使われる医療用医薬品の開発と製造販売は世界中の年間売上高が8,000億ドル(約88兆円)規模の巨大産業であり、世界各国の製薬会社が現在も新薬の研究と開発にしのぎを削っています。この記事では医療用医薬品を製造・販売する製薬会社の世界ランキング上位10社を紹介します。

【最新版】製薬業界の企業ランキング 世界をリードする会社TOP10を紹介

世界の製薬会社ランキングトップ10

製薬会社や医療機器業界向けにマーケット情報分析を行う英国のリサーチ会社「Evaluate(エバリュエート)」は5年後の医薬品業界情勢を予測したレポートを毎年発表しています。その最新版「ワールドプレビュー2018 2024年への展望」で、2024年の売上予想ランキング世界トップ10に入った製薬会社について、1位から順に特色と主力製品などを紹介します。

第1位 ファイザー(アメリカ)

世界ランキング1位は米ニューヨーク本社の「ファイザー(Pfizer)」で、2018年の医療用医薬品売上額は世界第1位の453億ドル(約4兆9830億円)です。1849年に設立され、1944年に世界初の抗生物質ペニシリンの大量生産に成功し不動の地位を築きました。1990年代以降の製薬業界再編でも中心的存在となり世界トップクラスの巨大企業に成長しています。

主力製品には関節リウマチ治療薬エンブレル、神経性疼痛治療薬リリカ、乳がん治療薬イブランス、禁煙補助剤チャンピックスなどがあります。新型コロナウイルス感染症についてもドイツのBioNTech社と共同でワクチン開発を行うことを発表しており、今後の動向が注目されます。

第2位 ノバルティス(スイス)

2位はスイスのバーゼルに本社がある「ノバルティス(Novartis)」です。チバガイギー社とサンド社、スイスを拠点とする製薬会社2社の合併で1996年に誕生しました。2018年の医療用医薬品売上額は世界第3位の435億ドル(約4兆7850億円)です。

主力製品には高血圧症治療薬ディオバン、2型糖尿病治療薬のエクメットやエクア、加齢黄斑変性症治療薬ルセンティスなどがあります。解熱鎮痛剤として有名なボルタレンもノバルティスが製造販売しています。

第3位 ロシュ(スイス)

第3位はノバルティス社と同じくスイス・バーゼルに本社がある「ロシュ(エフ・ホフマン・ラ・ロシュ、F. Hoffmann-La Roche)」です。2018年の売上額は世界2位の446億ドル(約4兆9060億円)で、ファイザー、ノバルティスと並ぶ製薬業界世界3強の一角を占めています。1896年に創立されビタミン剤の製造で基盤を築きました。

がん治療薬に強みがあり、結腸がんなどの治療薬アバスチン、悪性リンパ腫治療薬リツキサン、乳がん治療薬ハーセプチンが世界的なヒットとなり業績を押し上げました。抗インフルエンザウイルス薬として日本でも有名になったタミフルもロシュの製品です。なお、日本では傘下の中外製薬がロシュ製品を販売しています。

第4位 ジョンソン・エンド・ジョンソン(アメリカ)

第4位は米国の「ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)」で、2018年の売上額は388億ドル(約4兆2680億円)です。 同グループの医薬品部門を担うのはベルギーに本社を置く子会社の「ヤンセンファーマ(Janssen Pharmaceutical)」で、がん、免疫疾患、精神疾患、感染症、循環器疾患などに特化して開発を行っています。主力には向精神薬リスパダール、経口抗真菌剤イトリゾール、ADHD治療薬コンサータ、乾癬(かんせん)治療薬ステラーラなどがあります。

ジョンソン・エンド・ジョンソンの名はむしろ一般向け製品で有名で、鎮痛解熱薬タイレノールA、禁煙補助剤のニコレット、バンドエイド、リステリンなどなじみ深い製品がそろっています。

先端技術とAI倫理がもたらす「より良い医療のかたち」
質量分析で生体内データをマルっと解析

第5位 MSD(アメリカ)

第5位は米ニュージャージー州に本社を置く「MSD(メルク&カンパニー、Merck & Co.」で2018年の売上額は374億ドル(約4兆1140億円)です。ドイツの医薬品メーカー「メルク」とは別の会社で、米国以外では「MSD」の名でビジネスを展開しています。最主力製品は新世代のがん治療薬キイトルーダで、2024年には売上高で世界トップの銘柄になることが予想されています。

他にも2型糖尿病治療薬ジャヌビア、気管支喘息治療薬シングレア、骨粗鬆症治療薬フォサマック、高脂血症治療薬ゾコールなど幅広い領域の製品を手掛けています。

また、世界で広く活用されている医学情報源の「MSDマニュアル」を社会貢献事業として無料で公開しており、その家庭版の「MSDマニュアル家庭版」も広く親しまれています。

第6位 サノフィ(フランス)

第6位はフランス・パリに本社がある「サノフィ(Sanofi)」です。フランスの大手・サノフィ・サンテラボが同国のアベンティスと2004年に合併して現在の規模となりました。2018年の売上高は351億ドル(約3兆8610億円)で、主力商品には糖尿病治療薬ランタス、抗血小板剤プラビックス、抗アレルギー薬アレグラなどがあります。

世界ワクチン市場の4分の1を占めるワクチン部門がサノフィの強みで、日本でも4種混合ワクチン、Hibワクチンなどが販売されています。新型コロナウイルス感染症に対しても複数の開発プランを進行中で、米国の生物医学先端研究開発局(BARDA)から財政支援を受け英グラクソ・スミスクラインと共同で手掛けているプランでは、2020年9月にも臨床試験を開始し2021年後半には実用化できるとしています。

第7位グラクソ・スミスクライン(イギリス)

第7位は、英ロンドンに本社がある「グラクソ・スミスクライン(GSK、GlaxoSmithKline)」で、2018年の医療用医薬品売上高は306億ドル(約3兆3660億円)です。

1873年に設立された会社を起源とするグラクソが1995年にウェルカムと合併してグラクソ・ウェルカムとなり、さらに英国のスミスクライン・ビーチャムと2000年に合併して世界規模の製薬会社となりました。

主力には喘息治療薬アドエア、HIV感染症治療薬のトリーメクやテビケイ、ウイルス感染症治療薬ゾビラックス、抗インフルエンザウイルス薬リレンザなど抗ウイルス薬や呼吸器関連の治療薬がそろっています。また、しわ改善に使われるボトックスや、一般用医薬品(OTC医薬品)としても販売されている消炎鎮痛薬ボルタレン、かぜ薬のコンタックもGSKの製品です。

第8位 アッヴィ(アメリカ)

第8位の「アッヴィ(AbbVie)」は米シカゴ近郊に本社があるバイオ医薬品がメインの製薬会社です。米製薬会社アボット・ラボラトリーズの医療用医薬品事業を分社化して2013年に生まれた会社で、2018年の売上高は321億ドル(約3兆5310億円)です。

主力は関節リウマチの治療などに使われるヒュミラで、2018年には204億8500万ドル(約2兆2534億円)を売り上げ世界で最も売れた医薬品となりました。他にもC型肝炎治療薬マヴィレットや、乾癬治療薬スキリージ、急性骨髄性白血病治療薬ベネトクラクスなどがあります。

第9位 武田薬品工業(日本)

第9位の「武田薬品工業」は、江戸時代の1781年に大阪で開業した薬の仲買商店に端を発する200年以上の歴史がある企業で、日本企業で唯一トップ10にランクインしています。

2018年の医療用医薬品売上高は174億ドル(約1兆9140億円)ですが、アイルランドの製薬会社シャイアーを2019年に買収したことで大幅な業績伸長が予想されています。

武田薬品工業の主力製品には潰瘍性大腸炎治療薬エンティビオ、がん治療薬のリュープリンやベルケイドなどがあり、シャイアーには血友病治療薬のアディノベイトやアドベイトがあります。

第10位 アストラゼネカ(イギリス)

第10位は英ケンブリッジに本社がある「アストラゼネカ(AstraZeneca)」です。スウェーデンの製薬会社アストラと、英国の大手化学会社から製薬・生物化学部門が分離したゼネカが1999年に合併して誕生した会社で、2018年の医療用医薬品売上高は207億ドル(約2兆2770億円)です。主力製品には肺がん治療薬タグリッソやイレッサなどがあります。

新型コロナウイルス感染症対策としては、英オックスフォード大が進めているワクチン開発製造計画に参画、サノフィと同様に米国の生物医学先端研究開発局から資金援助を受けており今後の動向が注目されています。

※2018年年間平均レートの1ドル=110円で換算

日本の製薬業界の現状と課題

医療用医薬品の分野はファイザー、ノバルティス、ロシュの3強を筆頭とする欧米企業がリードしており、日本で世界トップ10クラスの成長力と売上高が見込まれているのは武田薬品工業の1社のみです。

現在、最も開発費が投入されているのはがん治療に関する領域で、今後もこの分野が新薬開発の中心になるとみられています。日本の製薬会社も国際的競争力を持つ革新的な新薬の開発製造をめざし、ICTを取り入れた新薬開発に積極的に取り組むことが期待されています。

まとめ

今回はEvaluateの2024年売上高予測ランキングによる世界の製薬会社トップ10を順に紹介しました。一般用医薬品や日用品でもなじみのある企業から、医療用医薬品に特化した企業まで、あらゆる企業がそれぞれの特色を生かし、難病治療に向けた新薬の開発に尽力し医療の発展に貢献しています。

先端技術とAI倫理がもたらす「より良い医療のかたち」

先端技術とAI倫理がもたらす「より良い医療のかたち」
質量分析で生体内データをマルっと解析

RELATED POST関連記事


RECENT POST「医療・製薬」の最新記事


【最新版】製薬業界の企業ランキング 世界をリードする会社TOP10を紹介
サービタイゼーション:来るべき未来のために製造業がなすべきこと
ニューノーマル時代の流通小売り現場を支える最適解

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

ブログ無料購読

RANKING人気記事ランキング