小売業の顧客データ活用はどのように行うべきなのか?

 2019.12.03  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

顧客データの活用はあらゆる業界で行われています。小売業においても、顧客データ活用は売上や集客に大きく影響するため、決して軽視はできません。それでは、顧客データを活用するには具体的にどうすればよいのでしょうか。データの収集方法や、具体的な活用方法を参考にし、今後の店舗経営に役立ててください。

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顧客データ活用の基礎知識

顧客データを活用するにあたり、基礎的な知識を理解しておく必要があります。まず、顧客データには定量データと定性データの2つが存在することを覚えておきましょう。それぞれのタイプ別に違いを理解することが重要です。

定量データとは

数値化できる情報のことを「定量データ」と呼びます。顧客の個人的な情報がこれに該当します。氏名や住所、家族構成、これまでにどのような商品をどれくらいの頻度で購入したのか、といったデータです。

定量データは、その情報だけで得られることは少ないという特徴があります。例えば、Aという顧客がいた場合、住所や家族構成がデータとして得られていても、そこから分かるのは「Aさんは〇〇に住んでいて〇人家族」という情報だけです。

しかし、それに加えてこれまでの購入履歴などのデータがあれば、ベストなタイミングで個別にアプローチすることも可能になります。また、定量データをたくさん収集できれば、何が売れ筋なのか、誰が何をよく購入しているのか、どのシーズンに売上がアップするのかといった傾向を把握できます。

定性データとは

数値化するのが難しいデータを「定性データ」と呼びます。例えば、お客様からのクレームやSNSへの投稿などが代表的です。文字で書かれた情報、言葉で伝えられた情報などが定性データに分類され、定量データからは見えてこないことも見えてきます。

例えば、Aという顧客がSNSに「〇〇は品揃えはいいけど店員の接客がちょっと…」という投稿をしていたとします。ここから読み取れるのは、Aさんがお店の品揃えには満足しているものの、店員の接客には不満を抱いているということです。

それが分かれば、お店としては担当した従業員にどのような接客をしたのか確認でき、もし不適切な対応だったのなら指導できます。接客態度を改善できれば、今後Aさんの顧客満足度を高められ、お店にももっと足を運んでくれるようになるかもしれません。

このように、定性データは定量データでは読み取れない顧客の深いところまで読み取れるメリットがあります。

顧客情報の収集方法

顧客情報を集めることは小売店の売上アップに必須ですが、具体的にどのようにして集めればいいのでしょうか。先述したように2つのデータが存在しますが、それぞれで収集の仕方が異なるので覚えておきましょう。

定量データの収集方法

定量データを集める方法として会員登録が挙げられます。例えば、公式サイトに専用の登録フォームを設置し、そこに必要事項を記入して登録してもらうケースです。また、顧客へのアンケートから情報を得ることも可能でしょう。

アンケートの場合だと、実店舗でもデータを収集できます。お客様のお会計や商品の梱包をしているちょっとした時間に、アンケートへの協力をお願いするだけです。レジ横などにアンケート用紙と筆記用具を置いておけば、スムーズにお願いできるでしょう。

インターネットの閲覧履歴からもデータを収集できます。もちろん、アクセス解析が必要になりますが、どこから訪れたのか、どのページがよく見られているのかといった情報を入手できます。そこから、消費者がどのような商品を探しているのか、購買意欲がどの程度あるのかも分析することができます。

データを集めるときのポイントは、顧客にメリットを感じてもらうことです。ただアンケートをお願いしただけでは、さまざまな理由で断られてしまう可能性があります。また、公式サイトに会員登録してもらう場合でも「会員登録で次回来店時に2割引」や「会員登録で500ポイントをゲット」など、メリットを感じさせる工夫が必要です。

ところが、最近では定量データを収集するのが難しくなっているのも事実です。企業による情報漏洩などが多発していることで、消費者が敏感になっているためです。大手の企業でも、顧客リストが漏洩したケースがあり、大々的にニュースで報じられたこともありました。こうした事件を背景に、最近では住所や氏名などの個人情報を開示することに、特に神経質になる方が増えています。

そのため、定量データを集めるときには集めた情報の安全性をしっかりアピールしておくことも大切です。その上で、お客様にとってメリットを感じられる特典などを付加すれば、データも集めやすくなるでしょう。

定性データの収集方法

定性データの場合でも、アンケートは有効なデータの収集方法です。「利用中に気になったことはありませんか?」「店員の接客はどうでしたか?」など、文章で答えてもらえるようなアンケート内容にするのがポイントです。

お客様の声を集めるのもおすすめです。実際に商品やサービスを購入してくれた方に対し、率直な感想をもらう方法です。直接、自社の公式サイトに設置した口コミページなどに投稿してもらう方法のほかにも、メールなどで送ってもらう方法もあります。

顧客のSNSアカウントを把握しているのなら、投稿をチェックすれば要望や不満を調査できるでしょう。割引や特典などと引き換えにお店の公式SNSと繋がってもらうことができれば、発信した情報をチェックしてもらいやすくなります。

問い合わせ履歴からデータを得ることもできます。問い合わせをしてきたということは、商品やサービスに対して何かしらの興味を抱いている証です。もちろん、中にはクレームや要望、感想などが含まれているケースもありますが、それらも大切なデータであることには違いありません。問い合わせ内容は、新商品の開発や今後のトレンド、業務の改善などに活用できます。

小売業界顧客データの活用術

データは集めたらそれでおしまいではありません。きちんと活用することで、売上や利益の向上につなげられます。活用する方法を知らずにいくらデータを集めても宝の持ち腐れとなるので、活用方法をしっかりマスターしておきましょう。

まずはセグメントを把握

まずは集めたデータをきちんと整理しましょう。整理すれば、どのような顧客が多いのかも把握できます。どのような顧客が多いのかが把握できれば、具体的なアプローチもしやすくなるでしょう。

例えば、集めた定量データを整理した結果、お店の近くに住んでいる人が多いことが分かったら、チラシをポスティングして来店を促すことが可能です。逆に、このような状況で広範囲をターゲットにした新聞折込チラシやテレビコマーシャルなどを実施した場合、無駄にコストがかかってしまいます。

また、顧客に学生が多いのなら、学生に向けた新しいプランを打ち出すことで、集客や売上アップが望めます。

このように、まずは顧客から得たデータを整理することが大切です。そこから効果的な施策につながるので、集めたデータをしっかり整理し、セグメントを把握することから始めてください。

RFM分析を行う

RFM分析とは、購入日と購入頻度、購入価格などのデータを活用した分析方法です。「お店で買い物してくれたのは、直近でいつなのか」、「購入している頻度は」、「いくらくらいお金を使っているのか」などのデータから、顧客のことを深く分析できます。

この手法を用いることで、優良な顧客を浮き彫りにできるメリットがあります。例えば、Aという顧客は年間に50回以上来店し、総額20万円を使い、5日前にも来店したとします。一方、Bという顧客は年に10回ほどしか来店しておらず、使うお金も5万円ほどで、しかもここしばらく来店していないとします。

この場合、お店にとって優良といえるのはAとB、いったいどちらの顧客でしょうか。データから見れば、間違いなくAのほうが優良な顧客であるのは一目瞭然です。お店にとって優良な顧客を把握できれば、どのお客様を特に大切にしなくてはならないのかも把握できるので、個別の適切なアプローチもできるようになるのです。

RFM分析よりもさらにシンプルな分析方法として、デシル分析も挙げられます。これは、顧客の購入金額のデータをもとにグループ分けする方法です。購入金額の合計額が高いグループとそうでないグループに分けるシンプルな方法です。エクセルでも簡単にデータ化できますので、まずデシル分析から始めるのもよいかもしれません。

顧客の声を活用

定量データだけでは分析できることは限られてきます。そこで、積極的に活用したいのがお客様の声です。アンケートを使い、どのようなきっかけで来店したのか、お店の印象はどうだったか、購入した理由などを調査します。また、お店や商品、サービスなどに対しての不満を聞くのも大切です。

例えば、お店の印象を「店員さんがちょっと元気がない気がした」と書いたお客様が多かったとしましょう。このケースだと、スタッフへの再教育が必要になると考えられます。1人だけがたまたまそのような印象を持つということもありますが、複数のお客様が同じような印象を抱いているとなると話は違ってきます。

また、お客様の不満を聞き出すことで、より具体的な課題を明らかにし、対策できます。「品ぞろえが少ない」という不満なら、今後は品ぞろえを増やすようにすればいいのです。また、「レジ前が混雑していた」という声が目立つなら、キャッシュレス決済を導入するといった改善策を打ち出せます。

お客様の声というのは数値として現れるものではなく、顧客のニーズをダイレクトに把握できるメリットがあります。たとえ、来店頻度が多くいつもたくさんお金を使ってくれている顧客でも、もしかすると何らかの不満を抱いているかもしれません。そうした表には見えない不満も、お客様の声から知ることができます。

より具体的な経営戦略のヒントになるのがお客様の声です。だからこそ、多くの企業は積極的にお客様の声を集め、経営に活かしています。

まとめ

今回は顧客データ活用における基本的な内容に関してご紹介しました。顧客データはただ集めるだけでは何の意味も持ちません。集めたデータをどのように活用するのかが重要です。定量データと定性データ、どちらも収集し、徹底した分析を行うことで今後の経営戦略も立てやすくなるでしょう。データ集めと分析を徹底し、集客や売上アップに役立ててください。

i-Reporter 導入事例 株式会社鈴木文具様

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