HACCPにおける7原則とは? 7つの手順ですべきことを具体的に解説

 2021.05.28  デジタルトランスフォーメーションチャンネル編集部

令和3年6月より、これまで制度とされていたHACCP(ハサップ)の「義務化」が行われます。制度化されてから3年、猶予期間1年を経て、HACCPの導入や運用は完全義務化となります。このHACCPについては、衛生管理に携わる方は必ず知っておかなくてはならないものです。

今回は従来行われていた衛生管理の検査と何が違うのか、HACCPとはどのようなものなのか、またHACCPの7原則やHACCP実施に向けた12手順の詳しい内容、導入のメリットなどをご紹介します。

HACCPにおける7原則とは? 7つの手順ですべきことを具体的に解説

HACCPの7原則とは

まずHACCPの概要を説明したうえで「HACCPの7原則」の位置付けについて詳しく見てみましょう。

HACCP(ハサップ)とは、食品を扱う事業者が材料の仕入れから製品出荷にいたるまで、異物混入や雑菌などの危険を避けるため、安全性を確保しようとする衛生管理の手法のことを指します。

  • Hazard(ハザード)…危害
  • Analysis(アナリシス)…分析
  • Critical(クリティカル)…重要
  • Control(コントロール)…管理
  • Point(ポイント)…点

HACCPは平成30年6月に可決した食品衛生法の改正により、猶予期間を経て義務化という流れになりました。事業者がこのHACCPを構築する手順として、食品規格委員会(コーデックス)に定められたものが「HACCPの7原則」と呼ばれる規定です。7原則の中には実現するための12手順が含まれます。

コーデックスは「国連食糧農業機関(FAO)」と「世界保健機関(WHO)」の合同機関であり、7原則については国際的な手法であるといえます。

HACCP7原則の準備となる5つの手順

「HACCP7原則」を実現するための12手順のうち、7原則の下準備となる5つの手順について解説します。

手順1:HACCPチームの編成
HACCPに関する知識を有するメンバーを含めたスタッフチームを編成します。社内(組織内)にHACCPに詳しい人がいない場合には、外部より専門家を招くことも検討します。

手順2:製品についての説明書作成
原材料をはじめ、どのような製品なのかの特徴を、説明書・仕様書・レシピなどの形でまとめます。

手順3:意図する用途の特定
「この製品は加熱しなくてはならない」などといった使用方法、保存方法をはじめとする仕様・特性を明確にして書き記します。

手順4:製造工程の一覧図の作成
製造から調理、提供までの手順について、各工程でどのような作業を行うかを図にまとめます。

手順5:製造工程一覧図をもとに現場で確認
手順4で作成した製造工程の一覧図を、実際の現場で確認します。図の内容と現場で異なる点があれば修正を加えます。

HACCPの7原則を実現する7手順

次にHACCPの7原則を実現するための12手順のうち、後半部分となる「7手順」について、ひとつずつ解説します。

原則1:危害要因の分析

まず原則1となる「危害要因の分析」を解説します。

これはHACCPの中核とも言える原則です。危害要因を避ければ、製品による被害が起こる可能性が減ります。工程ごとに考えられる危害要因(ハザード)を洗い出し、情報をまとめましょう。

まとめるべき情報ですが、例えば、加工や調理、運搬、保管(貯蔵)や販売などの各工程の中で考えられる危害要因をピックアップすることが挙げられます。さらに、これらの危害要因があることによってどのような被害が起こり得るのか、その重大さ、根拠、原材料やできあがった製品の管理手段などが挙げられます。

ちなみに危害要因とは、製品を口にした人が食中毒やその他食品衛生上何らかの危害(被害)を被る可能性がある要因のことを指します。

原則2:重要管理点(CCP)の決定

次に原則2となる「重要管理点(CCP)の決定」について解説します。

HACCPの「CCP」=重要管理点(必須管理点)とは、食品衛生において欠かせない工程のことです。危害要因となる雑菌を殺菌したり低減したりするために何をするか、その手順や工程を明確にしておきます。

原則1で洗い出した危害要因の中から、重点的に管理すべきポイントを5つ程度まで選定し、重要管理点を決定するのがこの工程です。どうすれば危害要因を排除できるのかを具体的にまとめましょう。例えば加熱殺菌を行うことや、金属片が製品に紛れ込んでしまわないように金属探知を行う、冷却するなどが挙げられます。

原則3:管理基準の設定

原則3つ目は「管理基準の設定」についてです。

原則2で定めた重要管理点(CPP)をどのように管理するか、具体的な基準・指標(CL)を定めるのがこの工程です。

管理基準を設定するポイントは、科学的な根拠に基づいて数値化できるもの、そしてリアルタイムで連続的に計測・記録できるものです。

具体的な決定方法は製品や工程によって異なりますが、例えば原材料を加熱する時間は温度を90度で30分以上と決めたり、販売する冷蔵ケースは温度計で10度以下としたり、色や粘度、臭いなど指標を決めます。

原則4:モニタリング方法の設定

続いて原則4の「モニタリング方法の設定」についてです。

原則3で定めた管理基準の設定(CL)を、具体的に計測する方法を定めていきます。誰が、いつ、どのような方法で行うのか、何を記録に残すのかを詳しく決めます。そして実際にモニタリングを行う際には、必ず文書として記録に残す必要があります。

モニタリングの責任者(作業者)、品名、何を測定するのかという項目、管理基準などを記して記録に残すことで、HACCP遵守をしているという証拠にもなるため非常に大切な手順です。

原則5:改善措置の設定

原則4のモニタリングを行った結果、原則3の管理基準(CL)が達成されていないことがわかった際、その問題点を修正するために改善を行います。それが、原則5となる「改善措置の設定」です。

管理重要点(CPP)で管理基準(CL)が満たされなかったとき、どのように修正・改善するかを決めておくのがこの工程です。

基準が満たされなかった場合を素早く発見し、衛生上の問題を速やかに解消できるようにあらかじめその方法を定めておくことが求められます。そのためには工程の正常化と、異状のある製品を見つけた際にどのように排除すべきか、その後製品をどうするのかなどをフォーマットにまとめておき、手順を策定します。

どれだけ管理重要点を設定しても、管理基準が100%満たされないことはあります。その際にどこまで工程を巻き戻して正常化させるか、異常が見つかった際にはいかに迅速な対応を行うかが重要なポイントです。

原則6:検証方法の設定

続いて、原則6となる「検証方法の設定」について解説します。

HACCPの計画がその通りに実施されているかを検証する工程のことで、具体的には「内部検証」と「外部検証」という2つの方法を検証します。

内部検証は製品を作る施設自らがHACCPの計画について検証を行うことで、外部検証は第三者によってHACCP計画の検証を行ってもらうことです。つまり、施設内・施設外の人にそれぞれ計画を検証してもらうことで、HACCPの計画に有効性があるかどうかが客観的な視点でもわかるようになります。

各工程の個別のHACCP計画と、一連の流れとなるHACCP全体のそれぞれを検証します。例えば原材料、加工時の中間製品、そして販売を行う段階の最終的な製品など、工程ごとに検証を行います。検証結果に基づき、改善点が見つかった場合には手を加えていくことで、より確実な衛生確保につなげられるのです。

原則7:記録の保持

最後に、原則7となる「記録の保持」についてです。

どれだけ綿密なHACCP計画を立てていても、施設がHACCPを遵守しているかどうかは外部からはわかりません。そのため製品を作るにあたってHACCP計画を守り、実施されているという証拠を残すために、モニタリング結果を正確に記録に残す必要があります。

記録に残しておけば第三者から見た際にHACCP計画を守っていることがわかるほか、何らかのトラブルや問題が発生した際には、計画や記録をもとに問題点を発見できるでしょう。そのために、どのように記録をするかというフォーマット、責任者、記録・保管方法などを決める必要があります。

注意点として、記録が改ざんされることがないよう簡単に修正できない、消せないよう消えないボールペンを用いる、記録をわかりやすい場所に保管するなどの工夫をしましょう。

まとめ

HACCPの導入・実行が義務化になり、事業者は計画策定や記録の保存方法など、さまざまなやり方を模索する必要があります。確実なHACCP計画実施のために、ペーパーレスの現場帳票ソリューション「ConMas i-Reporter」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

ConMas i-Reporterは国内市場でトップシェアを誇っている、エクセルなど現在使っている帳簿をそのままタブレット端末で使える電子帳票にできるシステムです。効率良く記録ができるようこのようなシステムを積極的に取り入れ、HACCPに対応すると良いでしょう。

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