SDGs(持続可能な開発目標)とは?17のゴールと重要性を解説

 2020.04.16  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

SDGs(持続可能な開発目標)とは、持続可能な世界を目指す国際的な目標です。2015年に開催された国連サミットで定められた目標で、最近ではマスメディアなどでも頻繁に見聞きするようになりました。ビジネスにおいても注目を集めるSDGsについて、その重要性や今後について解説します。

SDGs(持続可能な開発目標)とは?17のゴールと重要性を解説

SDGs(持続可能な開発目標)とは?

SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年にニューヨークで開催された国連サミットにおいて、全会一致で採択された目標です。

「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された目標で、17のゴールと169のターゲットから構成されています。17のゴールの中には、「気候変動に具体的な対策を」や「海の豊かさを守ろう」といった環境課題にフォーカスしたものや、「働きがいも経済成長も」といったものまで、多様な目標が設定されています。

「誰一人取り残さない」社会の実現を目指したSDGsの達成には、全世界的な取り組みが必要とされ、各国は2030年までの目標達成に向けて計画を進めています。

MDGsからSDGsへ

SDGsには、その前身ともいえるものがありました。それがMDGs(Millennium Development Goals/ミレニアム開発目標)です。2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された「国連ミレニアム宣言」を基にまとめられました。

MDGsは、8つのゴールと21のターゲットを掲げ、達成目標年を2015年に定めたものです。ゴールには「極度の貧困と飢餓の撲滅」や「ジェンダー平等推進と女性の地位向上」、「環境の持続可能性確保」などが盛り込まれていました。MDGsは、一定の成果を上げます。たとえば貧困問題では、全世界における1日当たりの所得が1.90ドル以下の割合は、1999年には28.64%でしたが、2015年には10.04%にまで改善したのです。

(参照元:http://iresearch.worldbank.org/PovcalNet/povDuplicateWB.aspx

ただ一方で、課題も残りました。朝日新聞デジタルによると

「乳幼児死亡率の削減など、発展途上国が抱える問題を挙げ、解決策を探った。だが、その内容は先進国が決めており、途上国からは反発もあった。進展には地域の偏りなどの「見落とし」があったとも指摘された。」

といった問題点があったようです。

(引用元:https://www.asahi.com/articles/ASK1S51V3K1SUHBI013.html

MDGsの達成目標年とした2015年が近づく2012年に、ブラジルのリオデジャネイロ「持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催されました。

そこで南米グループ(コロンビア・グアテマラ・ペルー)が発案したのが、MDGsの後継としてのSDGsでした。

同会議ではSDGsの採択が検討され、2015年9月の国連サミットにて実際に採択されました。

なぜSDGsが重要なのか

なぜ、国連サミットで定められるほどにSDGsは重要なのでしょうか。これまで、持続可能な開発に関しては繰り返し議論がなされ、目標設定もされてきました。

しかし、「持続可能な開発」の定義が曖昧だったため、具体的に取り組みを進めるための指針は十分ではありませんでした。

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の森秀行所長は

「国際条約の制定後に、具体的な数値目標を各国が定めるなどの動きがあるオゾン層や気候変動に関連する国際環境条約も最初はこれらの課題の重要性について共通認識を図る原則合意に基づくものだった。ただし、それだけでは対策は進まず、結局モントリオール議定書や京都議定書の策定により、具体的かつ定量的な目標と実効性を担保できるものができて進展したと理解している。従って、SDGsも持続可能な開発に向けて具体的な対策を進めるための重要なステップになりうると考えている。」

とその重要性を指摘しています。

(引用元:https://www.iges.or.jp/jp/sdgs/updates-01

またSDGsは、途上国だけでなく先進国の課題を網羅しています。民間企業による取り組みが求められている点もMDGsとの大きな違いです。

たとえば、労働や技術革新、まちづくりといった分野の目標では、民間企業の活躍が不可欠になるでしょう。こうした性質から、SDGsは生活者にとっても、より身近なテーマであるといえます。

SDGsが掲げる「17の目標」

SDGsが掲げる17の目標は、以下の通りです。

1.貧困をなくそう

1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困や、各国定義によるあらゆる貧困をなくすというものです。

2.飢餓をゼロに

飢餓をなくし、食料安全保障や栄養改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進するという目標です。

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3.すべての人に健康と福祉を

全人類の健康的な生活を確保し、福祉を推進するというもの。世界規模で妊産婦の死亡数を、出生10万人に対して70人未満に削減するという数値目標などがあります。

4.質の高い教育をみんなに

すべての子どもが性別を問わず、質の高い初等教育、中等教育を修了できるようにするといったターゲットが盛り込まれています。

5.ジェンダー平等を実現しよう

特に女性に対するあらゆる差別や暴力の撲滅を目指す目標。政治や経済における意思決定において、女性の参画や平等なリーダーシップの機会を確保するといったターゲットも含まれています。

6.安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の、安全で安価な飲料水への普遍的かつ平等なアクセスを達成する、といったターゲットが盛り込まれた目標です。

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

再生可能エネルギーの割合を増加させるなど、安価で信頼できる現代的エネルギーサービスへのアクセスを確保するための目標です。

8.働きがいも経済成長も

一人当たり経済成長率を持続させる、人間らしい仕事や同一労働同一賃金を達成する、といったターゲットが盛り込まれた目標です。

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

経済発展と人間の福祉を支援するための、持続可能なインフラ開発を目指す目標です。

10.人や国の不平等をなくそう

国内における格差や、開発途上国への特別な待遇などをターゲットとしています。

11.住み続けられるまちづくりを

スラムの改善や、持続可能な交通・輸送インフラの整備、文化遺産及び自然遺産の保護・保全などを目指す目標です。

12.つくる責任つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保するという目標。われわれにとって最も身近な目標といえるでしょう。フードロスや天然資源の利用にまつわるターゲットが盛り込まれています。

13.気候変動に具体的な対策を

各国が、気候変動対策の戦略や計画を政策に盛り込むことなどを求めた目標です。

14.海の豊かさを守ろう

あらゆる海洋汚染の防止、大幅な削減のほか、漁獲に対する効果的な規制などをターゲットにしています。

15.陸の豊かさも守ろう

持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、生物多様性の損失を阻止するなど、陸域の生態系の保護や持続可能な利用を目指す目標です。

16.平和と公正をすべての人に

暴力や子どもに対する虐待の撲滅、司法へのアクセスの確保、汚職や贈賄の減少などをターゲットとしています。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、パートナーシップをグローバルで活性化しようというものです。

日本におけるSDGsの取り組み

日本国内において、SDGsはどのように取り組まれているのでしょうか。さまざまな切り口で事例を解説します。

ビジネスとイノベーション

政府は2016年に「SDGs推進本部」を設置し、2019年に「SDGsアクションプラン2020」を決定しました。その中で3つの柱のうちの1つとしたのが「ビジネスとイノベーション」です。

具体的には、ESG投資(社会的責任投資)などを通じ、企業経営へのSDGsの取り組みを後押しします。

中小企業による取り組みを強化するために、関係団体や地域、金融機関との連携を促進するといった行動計画も盛り込まれています。

また、日本経済団体連合会(経団連)は、SDGsの達成に向けて、革新技術を最大限活用することが重要であるとしています。

革新技術をあらゆる産業や社会に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立するコンセプト「Society 5.0」を提案しています。

SDGsを原動力とした地方創生

政府のアクションプランのもう1つの柱が、「SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり」です。

2018年から「SDGs未来都市」や「自治体SDGsモデル事業」を募集・選定しています。選定された自治体に対しては、補助金をはじめとした支援を提供しています。

そのほか、「地方創生SDGs金融」といった、SDGsを通じた地域の金融機関と事業者の連携を強化する仕組みも提案しており、ビジネス面でも地方創生とSDGsを紐づけています。

次世代・女性のエンパワーメント

アクションプランの第3の柱が、「SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント」です。

働き方改革や女性の活躍推進を着実に実施し、国際女性会議でジェンダーギャップの解消について議論するなどといった取り組みを進めています。

企業がSDGsに取り組むメリットとは?

ビジネス面でも政府が取り組みを推進するSDGsですが、企業へのメリットはどこにあるのでしょうか。いくつかの点に絞って解説します。

新しいビジネスチャンス

デロイトトーマツコンサルティングは、SDGsの各ゴールにおけるビジネスの市場規模が、70兆~800兆円程度と試算しています。

(参照元:https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/dtc/sdgs-market-size.html

日本国内においても、先進技術を活用したスマート農業を支援する事業者など、SDGsの枠組みに分類できる企業は多数あります。

そうした企業の増加に伴い、SDGsが広く認知されることで市場が拡大すれば、新しいビジネスチャンスが生まれるでしょう。

企業ブランドの強化

SDGsに取り組むことは、ブランドの強化につながるでしょう。それは顧客に対してだけでなく、投資家や求職者に対してもいえることです。

SDGsに取り組むことで、資金調達や採用活動がしやすくなることが考えられます。このように企業のさらなる成長を期待できるという点も、SDGsに取り組むメリットでしょう。

SDGsの取り組み事例

最後に、国内におけるSDGsの事例を2つ紹介します。

検索エンジン「Yahoo!」で知られるZホールディングスは、幅広くSDGsに取り組む企業です。安心で安全な情報技術社会の実現を目指す同社は、不正アクセスを防ぐ対策として、パスワードレスログインの普及を推進するほか、セキュリティイベントなども開催しています。9つ目のゴールである「産業と技術革新の基盤をつくろう」に該当する取り組みです。

「Yahoo!ネット募金」や「Yahoo!防災速報」といったサービスは、11番目のゴールである「住み続けられるまちづくりを」に分類できます。

ターゲットである「貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす」に資するものといえるでしょう。

そのほか、女性従業員をサポートするプロジェクトや、サバティカル休暇の取得推進など、ジェンダーや働き方に焦点を当てた取り組みを社内で行っています。

SDGsは、大企業でしか取り組めないというわけではありません。株式会社昆虫食のentomoは、社名の通り昆虫食をビジネスとして展開している企業です。

昆虫は、国連食糧農業機関(FAO)が推奨するタンパク源で、今後のタンパク質の供給源として注目を集めています。

昆虫食の普及には、さまざまな影響があります。たとえば、養殖魚に与える飼料には、魚粉が使用されていますが、近年の漁獲量の低下にともない価格が高騰しているといわれています。その代替品として昆虫の粉末が使用できるのです。

これは、持続可能な海洋資源の活用といえるでしょう。同社によると、昆虫は少ない飼料で養殖できるほか、食糧廃棄物を飼料に育てることができ、食料ロスにも貢献するということです。

(参照元:https://entomo.jp/sdgs_edibleinsects

また同社は、発展途上国から半養殖または自然採集の食用昆虫を仕入れており、その仕入れ値は現地価格の数倍の値段だといいます。

こうした商習慣は、国家間の不平等などの改善につながる取り組みでしょう。

まとめ

SDGsへの取り組みは、新規事業を起こさなければ実現できないというものではありません。

既存事業とSDGsの共通項を見いだすことで、ブランドの認知拡大やイメージアップを図ることができます。事業に取り組むメンバーのモチベーションも刺激できるでしょう。

まずはどのようにSDGsに取り組むかを、ぜひ検討してみてください。

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