ガバナンスの意味とは?使い方や強化策を紹介

 2022.03.11  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

メディアが発達した現在、企業の小さな不祥事はすぐ世間に知られるようになりました。そんなときによく使われるのが、「ガバナンスが効いている/効いていない」という言葉です。しかし、そもそもこのガバナンスとは何を意味しており、なぜ企業にとって重要なのでしょうか。本記事ではガバナンスという言葉の意味や強化策などを解説します。

ガバナンスの意味とは?使い方や強化策を紹介

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ガバナンスの意味とは?

「ガバナンス(Governance)」とはもともと、「統治」や「支配」、あるいは「管理」を意味する言葉です。広い範囲で使われる言葉のため、企業におけるガバナンスのことをとりわけ「コーポレート・ガバナンス」と呼ぶ場合もあります。

言葉どおりガバナンスとは、企業が自社を適切に管理統制することです。たとえば、組織の意思決定や活動が合理的に体系づけられ、しっかりした制御の下で組織運営がされているかどうかといったことにガバナンスは関わります。それゆえ、ガバナンスを強化することは企業の信頼性の向上や、継続的かつ健全な成長に欠かせないものとされています。

ガバナンスの使い方

実際のビジネスシーンにおいて、ガバナンスはどのような場面で使われているのでしょうか。

まず、よく耳にする使い方としては「ガバナンスを効かせる」が挙げられるでしょう。これはチームや部下のマネジメントを引き締めるときや、ITシステムを安全に運用したいときなどに使う表現です。逆に、部下が取引先とトラブルを起こしているのに上司がまったく関知できていないような管理体制や、誰でも重要な情報にアクセスできてしまうようなシステムに対しては、「ガバナンスが効いていない」「ガバナンスがガバガバ」などのように使われます。要するに、「しっかり管理体制が整っている」という意味合いで使われているといってよいでしょう。

また、上場企業の社員ならば、「(コーポレート)ガバナンスコード」という言葉を耳にする機会も多いかもしれません。これは金融庁と東京証券取引所が策定したもので、上場企業に義務付けられた指針のことです。この指針には、株主の権利・平等性を守ることや、適切な情報開示の在り方などが記載されています。言葉の使い方としては、「ガバナンスコードに従う」あるいは「ガバナンスコードを守る」といった表現が多くなるでしょう。

ガバナンスと混同されがちな言葉との違い

ガバナンスと似ていたり混同されやすかったりする言葉として、「コンプライアンス」や「リスクマネジメント」、「ガバメント」が挙げられます。それぞれの意味の違いについて解説します。

「コンプライアンス」とは通常、「法令遵守」と訳される言葉です。遵守する対象とされるのは、企業法や刑法などの法律だけではありません。たとえば社内の各種規程や、社会通念上の常識やモラル、あるいは社会の構成員として企業が求められる社会的責任や企業倫理なども広く含まれます。コンプライアンスの遵守を「目的」とするならば、ガバナンスはその実現のための「手段」です。たとえば、コンプライアンスを守る組織づくりのために社内の統制を強めるならば、「コンプライアンスを高めるためにガバナンスを強化する」といった言い回しができるでしょう。

「リスクマネジメント」とは、企業活動を続けていく上で想定されるトラブルを把握し、対応策を事前に考えて備える取り組みを意味します。平時であればしっかり「ガバナンスが効いている」企業でも、非常時に同様でいられるかは分かりません。また、そもそも自社が「非常時」に陥らないようにするためには、どのように企業活動を行なえばリスクを回避できるか、入念に考えなければなりません。どんなときでも組織の統制を保つための手段、あるいは組織のガバナンス機能の一部としてリスクマネジメントが必要とされます。

上記の2つはガバナンスと密接に関係している概念ですが、最後の「ガバメント」は毛色が異なります。両者は語源を同じくしており、「統治」という共通した意味を持つ言葉です。しかし、ガバメントは主に「政府」などの統治機関または統治システムのことを意味するため、「企業が自社を適切に統御する」というビジネス用語としてのガバナンスとは使用法がまったく異なります。「ガバメントを強化する」や「ガバメントを効かせる」などは間違った使い方のため注意してください。

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ガバナンスを効かせるメリット

企業がガバナンスの強化に取り組むことは、以下の3つのメリットにつながります。安定した企業運営ができるように詳しい内容を確認しましょう。

内部不正の防止

1つ目のメリットは内部不正の防止につながることです。企業の管理体制がしっかり整備されていれば、社員が自身の権限を逸脱して不正を働くといったことは難しくなります。たとえ完全な不正防止はできなかったとしても、被害範囲を抑えたり、不正の早期発見がしやすくなったりする効果を期待できます。取締役会の組織運営などが適切に行われていれば、経営陣による不正を防止しやすくなるでしょう。

企業価値の向上

2つ目のメリットは企業価値が向上することです。ガバナンスがしっかりしている企業は、社会的に支持される傾向にあり、企業価値の向上が期待できます。社会的信用が高まれば、投資家からの評価が良くなるため、キャッシュフローの改善を見込めるでしょう。それ以外でも、離職率が低下したリ、ホワイト企業として優秀な人材が集まりやすくなったりする効果も考えられます。

コンプライアンス対策

3つ目のメリットはコンプライアンス対策になることです。先述のように、ガバナンスはコンプライアンス意識が高い企業になるための手段とみなすことができます。それゆえガバナンスの強化を図ることは、コンプライアンス対策としても効果的です。社内統制がしっかり取れた企業は、セクハラやパワハラなど、社内でのコンプライアンス違反が起きにくくなります。

ガバナンス強化に向けた施策

では、実際に自社の組織管理体制を強化するにはどのようなことに取り組めばよいのでしょうか。以下では、ガバナンス強化に向けた施策を紹介していきます。

内部統制

施策その1は内部統制です。これはガバナンスの強化方法としてもっともポピュラーなものであるといえるでしょう。具体的な内容としては、社内ルールを策定したリ、定期的に内部監査を実施する仕組みをつくったりすることが該当します。組織運営の仕方などが変わっていくと、現状とそぐわなくなる場合があるため、策定後も定期的に見直すことが大切です。

リスクマネジメント

施策その2は、リスクマネジメントです。先述のようにリスクマネジメントとは、想定されるリスクを事前に把握し、それに対応できる体制づくりをすることを意味します。特に近年は、企業活動のグローバル化や業務データの爆発的増加によって、リスク管理の重要性は一層増しているといえます。

たとえば、システムのちょっとした操作ミスで大量の顧客情報がネット上に流出してしまうような事態も、現実に起こっているのです。こうした不祥事は企業の社会的信用を大きく傷つけ、時に損害賠償に発展することもあります。社会的信用の喪失につながりかねないトラブルが発生しないように予防することや、万が一発生した際に早急にリカバリーを行うためのリスクマネジメントは非常に大切です。

まとめ

ガバナンスとは企業の適切な管理統制を意味する言葉です。ガバナンスを強化することで、企業は内部不正を予防したり、社会的信用を向上させたりできます。ガバナンスの強化に取り組む際は、自社の社内規定などをしっかり整備するとともに、さまざまなリスクマネジメントにしっかり取り組むことが大切です。

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