アジャイル組織とは?DX時代の組織理論を徹底解説!

 2022.03.11  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

社会情勢や顧客ニーズの複雑化が進み、DXの必要性などが叫ばれる中、企業には変化に対して柔軟かつ迅速に対応できる組織体制の構築が求められています。このような中で現在注目を集めているのが、「アジャイル組織」という新たな組織の概念です。本記事では、「アジャイル組織とは何か」ということが把握できるよう、わかりやすく解説します。

アジャイル組織とは?DX時代の組織理論を徹底解説!

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アジャイル組織とは?

アジャイル組織とは、システム開発の現場で2000年代以降広がった「アジャイル開発」を組織全体のマネジメントに適用させた概念です。アジャイル組織の原型であるアジャイル開発とは、アプリケーションのリリースと改善のプロセスを短期サイクルで繰り返すことで、リアルタイムに顧客ニーズや改善のアイデアを反映しながら開発を進める手法です。

このアジャイル開発を組織づくりに応用したアジャイルな組織は、変化へ柔軟に対応できる組織体系を作れるという特長があります。アジャイルな組織においては、自社の定型的な経営プロセスよりも、目の前にいる顧客のニーズを第一に考えます。そして、常に従業員から新しいアイデアやイノベーションを引き出し、製品、サービス、ビジネスプロセスを最適化することで、継続的な改善を実践していくのです。

上記のような目標を実現するには、各従業員が柔軟かつ迅速に動けなければなりません。そのため、アジャイル組織は基本的にフラットな組織階層を採用しており、各従業員が必要な権限を持って自律的に業務に当たります。このような一連の組織づくりを通して、企業は市場や社会情勢の複雑な変化にも素早く対応することが可能になるのです。

なぜアジャイル組織が必要となったのか

アジャイル組織はアメリカを中心に広がり、いまではアジア諸国や日本でも導入され、成果を挙げる企業が増えつつあります。このようにアジャイル型の組織づくりが多くの企業から注目されているのは、この新しい組織形態が今の変化が激しいビジネス環境に適していることが挙げられます。

現在はSNSの普及などにより、市場ニーズが短期間で激しく変動するようになりました。とりわけ2019年以来続いているコロナ禍においては、従来のビジネス原理が通用しなくなっており、企業は変動する社会情勢や市場情勢に合わせて、柔軟に組織体制を構築する必要に迫られています。アジャイル型の組織づくりは、このような社会的・時代的背景の下で、求められている組織理論なのです。

従来のピラミッド型組織との比較

「縦割り」などと揶揄されることもある従来の組織構造は、逆三角形のピラミッド型組織と位置付けられます。以下の表でも示されているように、こうしたピラミッド型組織とアジャイル組織は多くの面で異なった特徴を持っています。

  ピラミッド型組織 アジャイル組織
指示系統 トップダウン方式 自律分散方式
組織構成 機能単位で専門ごとに部門を分ける サービス単位で多様な人材を集める
ビジネスプロセス 事前の計画重視 リリースと改善を高速で繰り返す
人材マネジメント マニュアルやルールを重視 個々人の自律的判断を重視

まず、従来のピラミッド型組織における意思決定プロセスは、少数の経営陣や管理者層が上から下へトップダウン方式で指示を流す形になっています。こうした組織体制において、階層の下にいる従業員は、いわば上司の忠実な手足となって働くことが求められており、現場からトップ層へ施策を上げるのは非常に難しいのが実情です。そのため、ピラミッド型組織において従業員は、上司からの指示や、事前の計画・マニュアルに沿って働くことが求められます。

他方、アジャイル組織では、計画に沿って行動することよりも、変化に対応することを優先します。とはいっても、これは戦略を立てないということではなく、短期間で頻繁に計画を見直し、現在の活動がいまのビジネスニーズとマッチしているかその都度確認・修正するということです。

アジャイル組織はピラミッド型組織に比べてフラットな構造をしており、各種の権限はより均等に従業員に付与されます。なぜなら、アジャイル組織では、リーダーのコントロールよりも従業員の自主性を重んじており、そうした自由さがイノベーションを生む土壌であると考えるからです。

チームは専門的な部署ごとに組織されるのではなく、単独でプロジェクトを遂行できるように、さまざまな能力を持った人材が集まってサービス単位ごとに構成されます。こうして組織されたチームはスクアッド(分隊)と呼ばれ、単独で顧客に価値を提供することが可能なEnd to End方式で運用されるのです。

改めてまとめると、ピラミッド型組織が縦割り構造で組織され、トップダウン方式で硬直的に運用されるのに対して、アジャイル組織はフラットな組織階層の中にチーム(スクアッド)が分散して自律的に動き回り、迅速にビジネスプロセスを回していくのです。

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アジャイル組織のメリット・デメリット

続いては、上記の特徴を踏まえた上でのアジャイル組織のメリットとデメリットを解説します。

アジャイル組織のメリット

アジャイル組織の主なメリットとしては次のことが挙げられます。

生産性の向上

短期間でリリースと改善のサイクルを回して進化させていくことを前提にしたアジャイル組織は、硬直的になりがちなピラミッド型組織よりも生産性が高い傾向があります。従業員は自分のアイデアに基づいて行動する権限が与えられているため、成功への意欲が高まり、ビジネスもそれにつれて発展していくことが期待できます。

迅速な意思決定

各スクアッドや従業員が自由な裁量権を持つアジャイル組織は迅速な意思決定を可能にします。いくら慎重に物事を検討しても、決断したときに顧客ニーズが既に変化してしまっていたら、意味がありません。その点、小回りの利くアジャイル組織は、たとえ不完全な形でも顧客ニーズが最も高まった瞬間に製品・サービスを提供し、競合他社に先駆けて新しい市場に参入できます。

エンゲージメントの向上

アジャイル組織の従業員は、自由な裁量権を与えられ、自分の能力を発揮しやすい環境に置かれることで、仕事にやりがいを感じやすくなります。その結果、モチベーションとエンゲージメントを向上させ、長く自社に貢献する可能性が高まります。

アジャイル組織のデメリット

アジャイル組織のデメリットとしては、次のことが考えられます。

マネジメントが難しい

アジャイル組織は各チームや従業員が自律的に動くことを前提にしています。このため、大きな観点で見たとき、それぞれが全体のスケジュールや目的に沿った動きができているかを、的確にマネジメントするのが難しい側面があります。また、組織行動によりがちな日本人の気質を考えた場合、そもそも「自律的に動いていい」と言われても困惑したり委縮したりしてしまい、かえって能力が発揮しづらくなる恐れもあるでしょう。

顧客との密なコミュニケーションが必要

アジャイル組織は、その都度リアルタイムに顧客のニーズを把握しながらリリースとアップデートを繰り返していくことを基軸にします。しかし、そうするためには、顧客との密なコミュニケーションが欠かせません。もし顧客がアジャイル的手法に対して理解がなく、コミュニケーションがうまく取れない場合、顧客ニーズという指針を失ったアジャイル組織は迷走する恐れがあります。

アジャイル組織に移行するポイント

従来のピラミッド型組織からアジャイル組織に移行する際には、どのようなポイントが重要になるのでしょうか。

まず重要となるのは、組織のトップである経営者が自社の組織体系を大きく変える意思決定を行うことです。ここまで述べてきたように、アジャイル組織は従来のピラミッド型組織とは根本的に異なった組織構造や考え方の下で動くものです。このような組織改革を断行するには、経営トップの強力なリーダーシップと決断が欠かせません。

次のポイントは、自社のビジョンを全社的に共有することです。アジャイル組織に移行することで、企業風土が従来のものから一変してしまう場合もあるでしょう。組織が大きく変革される中でも会社全体がまとまりを維持するためには、経営陣と従業員のあいだで新たなビジョンや価値観を共有していくプロセスが欠かせません。

第三のポイントは、パーパス・ドリブンの徹底です。パーパス・ドリブンとは簡単に言うと、設定された目的に沿って動くことを意味します。アジャイル組織において各チームは自律的に動くことになりますが、そこで期待されるのはあくまで企業全体の目的と利益に適った働きです。アジャイル組織において個々の目標設定は刻々と更新されていくことになりますが、その際も従業員ひとりひとりが会社の戦略的な目的を理解した上で自身の仕事に取り組むことが大切です。

まとめ

アジャイル組織とは、アジャイル開発に着想を得て考えられた新たな組織体系です。アジャイル開発において各従業員は裁量権を与えられ、柔軟かつ迅速にビジネスプロセスを回していきます。不確実性が高まる現代社会においては、こうしたアジャイルな組織づくりの重要性がますます高まっていくものと考えられます。

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