顧客ロイヤルティとは?意味やメリット、向上のための具体策を紹介

 2020.05.11  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

顧客ロイヤルティは企業経営をするうえでは無視できないものです。顧客ロイヤルティはNPSという指標を測定することで、簡単に導き出すことができます。今回は、様々な段階にいる顧客を「最重要顧客」にするために、顧客ロイヤリティの意味や種類、高めるための具体策を紹介していきます。what-is-customer-loyalty

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顧客ロイヤルティとは

「ロイヤルティ」は「忠誠心」を表わす言葉です。この言葉を用いて、顧客が企業やブランドイメージに好ましい感情をもっているか、商品やサービスにどのくらい信頼を寄せているかの度合いを示す指標として顧客ロイヤルティが使われるようになりました。

1980年頃の日本では、商品を購入してもらってからが顧客とのつながりの始まりとの考え方が主流でした。

顧客が商品に満足すれば、これから先も同じ商品を買い続けてくれると考えられていたからです。

「顧客満足」もこの頃から広まりはじめた言葉です。そのため、売上だけでなく、顧客がどの程度満足したかという感情を測ろうとする動きが出てきました。

企業は、顧客に対するアンケートなどをおこない、商品の満足度と、その後の購買傾向について調査をしていったのです。

はじめは、満足度と購買傾向には関連性があると見られていました。ところが、調査の結果、商品やサービスに対しての満足度が高くても、一概に顧客はその後も同じ会社から商品・サービスを購入するわけではないと分かったのです。

それらの満足度が高くても購入プロセスが面倒だったり、サポート体制に不満があったりする場合は、購入し続けてもらえる割合が減ってしまう結果となりました。

このような状況を背景として、「顧客満足度」とは別に、企業やブランドに対して長期的に信頼や愛着をもってくれているかどうかの「状態」を表わすワードとして「顧客ロイヤルティ」の概念が誕生したのです。

近年、インターネット環境が整い、口コミサイトなどで気軽に意見を書き込めるようになりました。書き込まれる評価が企業のこれからの明暗を分けるといっても過言ではない状況が毎日のように訪れます。

そのため、顧客ロイヤルティを高めていくことが、今後の事業拡大の鍵を握るともいえるでしょう。

重要視される理由

顧客ロイヤルティは、顧客の購入頻度、購入単価、口コミの数に多大な影響を与えます。

顧客ロイヤルティの高低で対象者を分け、あるECサイトを1年間に利用した回数を調べたところ、前者は利用回数が17回近くであったのに対し、低い人は9回程度にとどまっていたという調査結果があります。

また、同様に、アパレルブランドにおける1回あたりの支払い額を調査した結果、ロイヤルティが高い顧客はそうでない顧客の1.3倍の金額を支払っていることが判明しました。これらから、ロイヤルティが高い顧客はその企業の商品やサービスを好んで選ぶ傾向があり、かつ、1回あたりの購入単価も高くなることが分かったのです。

ほかにも、スポーツメーカーにおける調査で、顧客ロイヤルティの高かった者の85%は友人や家族などにその商品を薦めている事実も浮かび上がってきました。口コミは企業イメージや売上に著しく影響を与えます。

不満をもった顧客の中にはマイナス評価を投稿する人もいますが、反対に企業にプラスのイメージをもつ顧客は良い評価を広めてくれる可能性が高いです。そのような高評価によって、新規顧客の獲得も期待できます。

このように、企業経営を安定させたいならば、まずは顧客ロイヤルティを高めることが大切なのです。

計測する方法

顧客ロイヤルティを計測する方法には「NPS」という指標が使われています。NPSは「Net Promoter Score」を略したもので、2003年にフレドリック・F・ライクヘルド氏が発表してから、グーグルやアップルをはじめとするさまざまな企業で導入が進んでいます。

NPSでは、商品やサービスを薦めたいと思うかどうかを顧客に0~10点で評価してもらいます。回答者の中で6点以下の点数をつけた人を「批判者」、7もしくは8点をつけた人を「中立者」、9もしくは10点をつけた人を「推奨者」と分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSです。

たとえば、ある商品に対しての「推奨者」の割合が70%、「批判者」の割合が20%であった場合、70%-20%の50%がNPSとなります。高得点をつけた人が多くなるか、低得点をつけた人が減るほど数値が上がるのです。

NPSを導入するメリットは、計測方法が簡単なことや結果の信頼性が高いことが挙げられます。そのうえ、多くの企業もNPSを導入しているため、他社との比較が容易にできる点もメリットといえるでしょう。

一方、デメリットとして、数値が高いからといって必ずしも利益に直結するわけではないことが挙げられます。

ロイヤルティの種類

顧客ロイヤルティには2種類あります。この2つを区別して考えることで、より良い企業経営に生かしていけるでしょう。ここからはそれぞれの特徴について解説します。

心理的なロイヤルティ

心理的なロイヤルティとは、企業や企業が提供する商品・サービスなどに対する愛情や信頼といった顧客がもつプラスの感情のことを指します。心理面は、顧客の購買意欲など実際の行動にも影響を与えるので、できるだけネガティブな感情を抱かせないように気をつけなくてはいけません。

また、ネガティブな感情が発生していることが分かったら、プラスの感情に転換するように努めることが大切です。根本的な解決を意識しつつ、適切な向上策を打ち出しましょう。

行動面のロイヤルティ

行動面のロイヤルティとは、実際の顧客行動のことです。商品やサービスを繰り返し購入する行動や、知り合いなどにそれらを薦める行動がこれにあたります。

行動面のロイヤルティが高くなると、商品やサービスを継続的に購入してもらえるだけでなく、口コミを広めてもらえる効果も期待できます。そのためには、心理的なロイヤルティを高めることも欠かせません。

2つのロイヤルティから見えてくること

2つのロイヤルティの組み合わせによって、消費者タイプは4つ分けられます。

両方のロイヤルティが高い顧客は、今後も商品を購入し続けてくれる可能性が高い、企業にとって非常に重要な存在です。

心理面は高いものの、行動面が低いというのは、企業に対して好イメージをもっているものの、金銭面など何かしらの理由で実際には購入できない消費者のことを指しています。

また、行動面が高く、心理面が低い顧客は特定の企業の商品やサービスを好んでいるわけでなく、家から近いところにお店があったり、値段が安く買えたりするなどといった理由だけで購入している顧客が多いでしょう。

2つとも低い顧客は、他社に愛着を感じているか、まだ自社を認知していない可能性が考えられます。

これら4つのマトリクスの性質を見極めは非常に大切な工程です。各集団に適切な顧客ロイヤルティの向上策・アプローチを行うことが、企業の経営効率を向上させることにもつながります。

顧客ロイヤルティを高める具体策

ここからは、顧客ロイヤルティを高める具体策を紹介します。顧客リスト、カスタマーサービス、SNSの3つにポイントを絞ってみていきましょう。

顧客リストの活用

せっかくNPSなどを使用して企業に対する顧客の信頼や愛着度合いを計測したなら、その結果に基づいて分類した顧客リストを作成するとよいでしょう。そうすることで、顧客が求めているものが分かり、適切なサービスの提供が可能になります。

顧客は推奨者・中立者・批判者に区分することができるので、それぞれのランクに応じてプロモーションの方法を変えるといいでしょう。特に批判的な感情を抱いている顧客に対しては、正しいプロモーションをしないと自社商品から離れてしまうだけでなく、マイナスの評価を広める存在となる恐れもあります。アンケートを取ったり、カスタマーセンターに届いた顧客の声をしっかり確認したりしていくことで、どのような面で不満を感じているのかをチェックできます。

万が一クレームなどが届いた場合は、商品そのものに問題があったのか、それともサポートセンターなどの対応に問題があったのかを確認することも大切です。適切な対応によって、批判的な立場でいた人が、一転して好意を抱いてくれる可能性もあります。

一方、推奨者には、より自社に愛着をもってもらえるように、中立者にはより高評価をしてもらえるように、マイナスイメージを与えない工夫が必要でしょう。特にすでに良い評価をしている顧客は、これからも企業の利益を支えてくれるだけでなく、まだ商品やサービスを利用したことがない人へも薦めてくれるかもしれません。

カスタマーサービスの質とスピード

接客は店舗だけでおこなわれるものではありません。電話対応やWebサイト、メールなど様々な形で接客は必要です。これらのサービスにおいては、高い質を維持しながら、スピード感をもって取り組むことが大切になります。

ネットショップなどでは、実際に顧客と顔を合わせて会話をする機会がありません。そのため、顧客からの問い合わせにいかに早く対応できるかが信頼を向上させる手段になります。また、クレームへの返答も同様に、素早く対応することが重要です。

SNSで顧客とつながる

FacebookやTwitterなどのSNSを通して、より多くの顧客に商品やサービスをアピールするのもおすすめです。SNSでアンケートをおこなえば、商品やサービスに対する顧客の感想を自然な形で聞くことができます。それだけでなく、顧客の細かなニーズの把握にも役立つでしょう。そこで得た情報を、改善を見据えた開発に生かしていくことで、顧客ロイヤルティを高めるだけでなく、顧客を増やすこともできます。

SNSは手軽に利用できるだけでなく、幅広い年齢層の人たちが利用しているので、モニター調査だけでは把握しきれないあらゆる意見を集められるメリットがあります。

まとめ

企業の利益を追求するうえでは、顧客ロイヤルティを高めることが重要になります。顧客ロイヤルティが低い人に対しても、効果的な対策を実施することで良い方向へ変えることができるでしょう。まずは現時点での顧客ロイヤルティを計測し、正しい対策法を知ることからはじめてみてください。

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