インダストリアルIoT(IIoT)とは?代表的なプラットフォーム10選

 2020.12.03  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

生産性向上や製造設備の最適化を目的として、工場・生産現場でのIoT活用が拡がっています。これはインダストリアルIoT(IIoT)と呼ばれ、これからの製造業にとって非常に大きな要素となるでしょう。

本記事では、産業分野の経営者・管理職クラスもしくはIT担当に向けて、IIoTの代表的なプラットフォームを紹介します。

インダストリアルIoT(IIoT)とは?代表的なプラットフォーム10選

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インダストリアルIoT(IIoT)とは

インダストリアルIoT(Industrial Internet of Things)とは、製造業をはじめ農林水産業、金融業、鉄鋼業などさまざまな産業分野におけるIoTの活用を指します。

IIoTが業界に与える影響は絶大であると考えられており、2030年までには世界の主要な20か国に絞っても10兆ドルを超える経済成長をもたらすという予測がされています。

IoTは、モノから取得したデータを活用して新たな価値やビジネスモデルを生み出す技術のことです。具体的にはセンサーが取得したデータをサーバーが処理して、通知などのアクションを実施します。運転者が近づくと自動で開錠する車のドア、職場から自宅のエアコンを操作できるアプリなど、日常生活でもさまざまなIoTが使われています。

IIoTは、IoTの中でも特に産業用途で使われるものです。製造業におけるファクトリーオートメーションや、スマートファクトリーが代表例で、工場機械にセンサーを設置し遠隔で稼働状況を確認するといった活用をしています。

政府が推進するデジタルトランスフォーメーションでも、IoTは欠かせない技術です。

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産業分野にインダストリアルIoTを導入するメリット

産業分野にIIoTを導入するメリットとして、主に以下の2つがあります。

サプライチェーンの見える化・最適化

IIoTで製造機械同士をネットワークで連携し、稼働情報などを取得することで製造工程の状況を可視化できます。従来は作業員が検査・記録していた工程を自動化できるほか、一連のサプライチェーンを可視化することで無駄なプロセス発見や必要な場所への労働力配置、人員最適化などが可能です。それにより効率的な生産工程を実現します。

作業工程での生産性を向上

IIoTで取得したデータとAIを組み合わせることで異常検知、機械の故障予知が可能になります。これにより故障による稼働停止時間を削減し稼働率の工場、ひいては生産性向上につながります。

また故障する前にメンテナンスができるようになるため、保守人員の負担軽減にもつながります。

インダストリアルIoTがさらに普及

IIoTは、5G(第5世代移動通信システム)と呼ばれる新しい通信規格が広がることで、さらに利用が拡大すると予測されています。

5Gは超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続が特徴で、車の自動運転などでの活用が期待されています。さらに自社の敷地内で基地局を持ち5Gシステムを構築するローカル5Gは、IIoTの普及をさらに後押しするでしょう。

インダストリアルIoTの代表的なプラットフォーム10選

IoTを活用するために必要な機能をクラウドやオンプレミス上で提供するのがIoTプラットフォームです。セキュリティ基盤、デバイスの接続管理、データ蓄積・分析などの機能を提供することで、企業がIIoTのシステムを開発・運用する際に、開発期間を抑え、より少ない工数でIoTの導入が可能です。

今回ご紹介する10種類のIoTプラットフォームは、通信方式などが異なる複数の機器を繫ぎ、センサーが取得したデータを一元管理して可視化するという基本機能は共通しています。しかしメーカー、ツールベンダー、IT企業など出自もさまざまで、保有する技術やノウハウに違いがあることから各プラットフォームの性格や使い勝手は大きく異なります。

自社でプラットフォームを選定する際には、それぞれの特徴を踏まえた上で、自社のニーズや運用のしやすさを考慮して選ぶとよいでしょう。

1.ThingWorx | PTC

ThingWorxとは、PTCが提供する統合IoTプラットフォームです。ノーコードでIoTアプリケーションが開発できるほか、ARプラットフォームのVuforiaが組み込まれているためIoT機器から取得したデータをARコンテンツとして表示できます。

イーサネットだけでなく、OPC UAをはじめ150種類以上のプロトコルをサポートしており他システムとの接続が容易であることが特徴です。

関連記事:ThingWorxとは?産業系IoTの特徴や導入メリットを解説

2.Microsoft Azure IoT|マイクロソフト

Microsoft Azure IoTとは、マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft Azure上で提供されていえるIoTプラットフォームです。

中心となるAzure IoT では、同社が開発している機械学習と人工知能(AI) が組み込まれています。取得・蓄積したデータをより高速・正確に分析し、活用することが可能です。

またPewer BI、Windowsなどほかのマイクロソフト製品との連携が容易なのが大きな特徴で、既にAzure製品を利用している企業は導入ハードルが低くなります。

3.Industrial IoT Platform | NEC

Industrial IoT Platformは、NECが提供するIoTプラットフォームです。IoTで収集・蓄積したデータを測定して変化点をイベントとして記録、さらにイベント間の出来事を記録することで、起きている出来事を正確に把握、改善活動を行いやすくします。

同社が開発するAI製品群のNEC the WISEが組み込まれており、高度なAI分析が行えることが特徴です。クラウドとオンプレミスの両方で提供しています。

4.COLMINA|富士通

COLMINAとは、富士通が提供するIoTプラットフォームです。製造業に特化している点が特徴で、製造ラインの停止予測、作業時間のバラツキ分析、ライン停止・作業分析など、収集したデータを分析し生産性向上や業務効率化に活用するための機能を提供しています。

5.Lumada|日立製作所

Lumada(ルマーダ)とは、日立製作所が提供するIoTプラットフォームです。同社では、もともと工場機器の制御・運用に関するOT(Operational Technology)技術に対する技術の蓄積と、製造業ならではの課題解決に対するノウハウを持っていることが強みです。

代表的なソリューションをLumada Solution Hubのポータルサイト上で機能概要などを公開しており、事前に情報収集が可能です。クラウドサービスのような手軽さはありませんが、きめ細やかな対応を望む場合におすすめです。

6.SPINEX|東芝

SPINEXは、2016年から東芝が提供を開始したインダストリアルIoTプラットフォームです。同社では日立製作所と同様に、社会インフラや電子機器などの事業領域で蓄積した開発ノウハウを備えていることが強みです。それらに加えてIoTやAIといった先進テクノロジーを掛け合わせて顧客の課題解決を行うことを目指しています。

設備・機器から取得・蓄積したデータを可視化し、分析結果を活用する環境を提供しています。

7.Edgecross | 三菱電機

Edgecrossとは、個別製品ではなく工場とITシステムの間に位置するエッジコンピューティング領域のオープンプラットフォームの名称です。三菱電機ほか7社が幹事会社となりEdgecrossコンソーシアムを設立、普及活動を行っています。

Edgecross基本ソフトウェアに、データを収集するデータコレクタ、分析機能などを提供するエッジアプリケーション、クラウド環境と接続するITゲートウェイなどの機能を組み合わせて問題解決の糸口を模索します。Microsoft、富士通、NECなどのIoT製品がEdgecross対応として認定されています。

8.MindSphere | シーメンス

MindSphere(マインドスフィア)は、ドイツの大手総合電機メーカーであるシーメンスが提供するクラウド型のIoTプラットフォームです。

Amazon AWS上で稼働できるなどクラウド型のオープンなPaaS機能を持つことが特徴で、データ分析に必要なアプリケーションが多数用意されています。これによりさまざまなアプリケーションを開発・配布することが容易になります。

9.YASKAWA Cocpit | 安川電機

産業用ロボットなどファクトリーオートメーション関連のソリューションで知られている安川電機が2018年より提供しているのがYASKAWA Cocpitです。

これは同社が2017年から掲げる「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」の中核となるツールという位置づけで、顧客のデジタル化を支援するソリューションを提供することで生産設備のみを提供するメーカーからの脱却を目指すものです。

同社が開発するロボット・機器以外に他社システムとも連携してデータを収集、リアルタイムで稼働状況を確認できます。またIoT機器の通信規格であるOPC-UAに対応しており、ERP(統合基幹業務システム)やMESへ連携して分析結果を反映することも可能です。

また追加機能をアドオンできるしくみをサポートしており、必要な機能を追加した柔軟なアプリケーション開発が可能になります。

10.zenon | COPA-DATA

COPA-DATAは、オーストリアにあるオートメーション・ソフトウェア専業メーカーです。同社が提供するSCADA(産業監視制御システム)/IIoTソフトウェアプラットフォームのzenonは、全世界90カ国以上で10万以上のシステムに導入されています。

SCADAを核としており、IoTの中でも工場システムの制御や機器の一元管理に特化しています。省人化と生産性向上の実現に強みを持っているのが特徴で、製造管理を担当する上位システム(MES)と個々の機械を制御する下位システム(PLC)間のデータ連係ができていない等の課題をzenonの導入によって解決できます。

まとめ

IIoTとは産業向けに活用されるIoTを指します。最近では企業のIoT活用を容易にする手段としてIoTプラットフォームが多数提供されています。デジタルトランスフォーメーションが求められている中、今後は製造業においてもIoT活用が進むと見られており、IIoTプラットフォームの需要はさらに高まるでしょう。

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