創薬分野の救世主として期待されるin-silico(インシリコ)創薬とは?

 2021.02.25  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

新薬の開発には莫大なコストと長い開発期間がかかる点が課題として知られています。しかし、近年は効率的に最適な創薬に役立つ技術として、AIが注目されています。本記事では、創薬分野の課題を解決する可能性があるAI技術を使ったin-silico(インシリコ)創薬について解説します。

創薬分野の救世主として期待されるin-silico(インシリコ)創薬とは?

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創薬分野の現状と課題

現在の創薬分野ではin-silico(インシリコ)が救世主として期待されていますが、その背景には創薬分野の窮状があります。まずはインシリコ創薬が注目される背景にある創薬分野の現状と新薬開発における課題について解説します。

創薬分野の現状

世界の人口増加や高齢化に伴って、医薬品需要も上昇傾向を維持しています。そのため、新薬の開発によって既存薬よりも予後のよい薬物療法の提供や、難病の進行を抑制する新規的な薬効が期待されますが、新薬が生まれるまでには様々なハードルがあります。

従来の創薬では低分子化合物が主流でしたが、現在は分子標的薬や遺伝子治療薬といった特異性の高い中分子やバイオ医薬品へとシフトしています。新薬の開発が成功する確率は1/25000以下といわれており、開発期間は10~20年かかるのは当たり前とされる世界ですが、近年の創薬難易度はさらに高くなっているといっても過言ではありません。

創薬分野の課題

開発には平均1000億以上の莫大な費用がかかりますが、必ず薬の開発が成功するとは限りません。また、新薬は動物実験で効果が検証されますが、人と動物は違うため予期しない副作用が発生する可能性も抱えています。基礎研究や前臨床を乗り越えても治験で挫折することも珍しくありません。創薬分野では投資に対して成果が上がりにくいという特徴があり、開発期間とコストは常に課題として経営者や研究者の頭を悩ませてきました。

今注目を集めるin-silico創薬とは?

創薬分野における課題を解決するため、近年では様々な取り組みが行われています。その中でもAI技術を活用したインシリコ創薬は、計算科学によってコンピューターの中で薬を創る創薬手法です。

インシリコ創薬の発端は、Insilico Medicine(インシリコ・メディスン)社が、一般的に数年はかかる新薬候補を発見するプロセスをわずか21日で完了したという研究報告でした。創薬分野が抱える開発期間の長期化やコストの増大といった問題を解決する手法として、今注目を集めています。その証拠に、国立研究開発法人の医薬基盤・健康・栄養研究所や理化学研究所、各学術機関に到るまでがインシリコ創薬によるプロジェクトや研究を推進しています。

なぜ創薬× AIが注目されているのか

従来は、まずターゲットとなる体内タンパク質とリード化合物の探索を行った後、安全性研究や臨床試験を実施するプロセスでの創薬が進められてきました。この開発プロセスでは新薬が承認されるまで10年以上もかかり、膨大な開発費用も必要になる上に成功率が低いという課題を抱えていました。

しかし、創薬分野におけるAIの発展により開発プロセスを劇的に短縮できるという事例が発表されています。例えば、タンパク質やリード化合物などの探索研究は、業界平均で4年半ほどかかるといわれていますが、製薬会社の共同研究により行われた事例ではわずか1年未満で完了しました。このようにAIを活用することで開発期間の短縮、必要費用の削減といった課題の解消ができる可能性が高いため、創薬× AIが注目されています。

創薬事業をトータルにサポートする「MKI-DryLab for Microsoft Azure」

創薬分野のさらなる発展のために期待を寄せられているインシリコ創薬ですが、計算創薬環境の基盤を1から築いていくのは、技術やコストの面から見ても大変です。また、膨大で複雑なデータから目的の情報を得たり、計算・解析したりするには高いスキルが必要になります。そこで、容易にインシリコ創薬の環境を導入する選択肢として、三井情報株式会社が提供する創薬の解析基盤「MKI-DryLab for Microsoft Azure」の利用を検討してみてください。

三井情報株式会社は40年以上の長きにわたってバイオインフォマティクス業務に携わってきたノウハウと技術を活かし、企業の創薬事業を支援するセキュアかつプライベートな解析環境の構築を行なっています。

サービスでは3つのプランが用意されており、長年蓄積してきたナレッジを駆使したコンサルティング、ツールの開発や実装、解析環境の構築・保守運用の中から必要に応じたサービスを受けられます。長きにわたりバイオサイエンス事業に携わってきた企業が提供するサービスを利用することで、1から基盤を構築するよりも迅速にインシリコ創薬を始める環境を整えられます。

まとめ

インシリコ創薬は、計算科学を利用してコンピューターの中で薬をつくる創薬手法です。AIを活用することで、開発期間が大幅に短縮された研究成果が発表され、製薬業界ではインシリコ創薬に注目が集まっています。もし計算創薬の基盤構築にお困りなら、解析基盤サービスを導入して、迅速にインシリコ創薬に着手しましょう。


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