IoTとは?普及している理由と活用メリット

 2020.11.09  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

生活やビジネスのさまざまな場所でIoTが活用され、新聞やニュースで取り上げられる機会も増えました。中小企業でも、自社の効率化や新たなサービス創出を目的に、IoT導入を検討するところが増えています。そこで本記事では、中小企業のIT担当者に向けて、IoTとは何か、どのような場面で活用されているかをわかりやすく解説します。

IoTとは?普及している理由と活用メリット

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IoT(モノのインターネット)とは何か?

「IoT」とは「Internet Of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」という意味です。しかし、モノのインターネットといっても、具体的にイメージしにくい方は多いことでしょう。

もう少しかみ砕いて説明すると、モノに通信機能(センサー)を組み込みインターネットと連携することで、モノの状態や状況、環境の変化などといったさまざまな情報を検知・収集し、新たな価値や活用の可能性を見出そうとする概念のことです。

今までインターネットに接続されていなかったため取得できなかったモノ・コトの情報を、IoT技術で取得できるようになったため、新しく、より価値の高いサービスを作り出すことができます。

通常のインターネットでは、機械を操作するのは人間です。しかしIoTでは人間は機械を操作せず、センサーを組み込まれた機器(モノ)が自動的に通信を行います。よって、ヒトのインターネットではなく、モノのインターネットと呼ばれているのです。

IoTが普及している理由

IoTが普及した背景には、計測や自動化などの需要が拡大したほか、以下の事由が影響しています。

IoT導入コストの低下

需要の拡大に伴い、データを取得するセンサー機器や通信モジュールのコストは、世界中で低下傾向にあります。今やセンサーの単価は数十円台にまでなり、導入コストが大きく下がっています。

また近年では、「LPWA」と呼ばれる省電力かつ広範囲でリーズナブルな通信サービスの拡充により、通信費用も安価な傾向にあるのです。そのため通信コストの低下に加え、センサーの省電力化が進むことで、数年に1回電池交換をすればよくなるなど、運用も楽になっていくと期待されています。

技術の発達におけるIoT機器の縮小化

コスト低下とともに、機器の小型化が進んでいるのも、近年の特徴です。小型化が進むことで、時計型のウェアラブルデバイスとしての利用や、小さな機器に組み込んで移動を追跡するトレーサビリティなどにも活用しやすくなるなど、活用範囲も広がります。

スマートフォン需要の拡大

スマートフォン需要の拡大も、IoT普及を後押ししています。スマートフォンにはGPSや電子コンパス、加速度、ジャイロ(回転速度)、環境光、指紋などいくつものセンサーが組み込まれており、私たちにとって最も身近なIoT機器といえるでしょう。そのスマートフォンを多くの人が持ち歩くようになったことで、スマートフォンを活用したIoTサービスが数多く登場しています。

そのほか、働き手人口の減少や、働き方改革による業務時間の削減などにより、足りなくなった人手を補う手段として期待されていることも、IoTが普及した理由のひとつです。

IoTの活用メリット

IoTを活用するメリットは非常にたくさんありますが、代表的なものとして「便利になる」「効率化できる」「新たな価値を生み出す」の3つが挙げられるでしょう。以下では、それぞれについて詳しく解説します。

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製品(モノ)の利便性向上

遠隔地から機器の状態を把握したり、操作したりできるようになることで、モノの利便性がより向上します。

企業側からすると、遠く離れた工場の機械に対して、稼働状況を随時チェックし、さらにリモート操作を行うなど、より効率的で高度な管理が可能となります。また利用者側からしても、近づくとドアが開くスマートキーや、外出先から自宅の様子を確認できるカメラアプリなどの登場により、普段の生活がより便利なものになります。

効率化とコストの削減

企業は、IoTによって工場の稼働状況を可視化することで、ムダなプロセスを省いたり適切な人員配置を行ったりなど、業務の効率化が可能です。さらに、蓄積したデータを分析することで、工場の最適化を図り、コスト削減にも役立てることができます。

「FA(Factory Automation)」「スマートファクトリー」などと呼ばれる工場のデジタル化において、IoTは不可欠な技術といえるでしょう。

データ活用によるビジネス機会の創出

センサーから取得したデータは、ビッグデータとしての活用が期待されます。IoT製品から取得した膨大なデータを分析することによって、消費者の隠れたニーズや、従来とは異なる利用用途、製品の改善余地など、新たな気づきからビジネス機会を創出できる可能性があります。

IoT技術導入における分野別の活用事例

さらにIoTは産業用途をはじめ、自動車・輸送機器・医療などさまざまな分野での成長が見込まれているのです。ここでは、各分野にてIoTがどのように活用されているのかをご紹介します。

医療

医療分野においては、患者の状態を把握する手段として、IoTが活用されています。ある医療用ベッドメーカーでは、ベッドに寝ている患者の心拍数や睡眠状況をセンサーで取得することで、リアルタイムで患者の状態を把握できるようにしました。異常時にすぐ対応可能で、看護師がデータをメモしたり、システムに手入力しなくても済むようになったりなど、業務効率化にも役立っています。

製造業

製造業は、IoT活用に積極的な業界です。ある自動車部品メーカーでは、スマートファクトリーの実現と生産性30%アップを目指して、IoT設備を導入しました。工場機械に設置したセンサーの情報から、故障や品質のバラツキなどを示す予兆を捉えることで、機械が故障する前に対応できるようになりました。

さらに、取得したビッグデータを分析することで、重点ポイントを見極め、より効率的な生産体制の確立にも寄与しています。

自動車

自動車業界では、通信機能を搭載されたコネクテッドカーが注目されています。これは、搭載されたセンサーにより、道路状況や車の状態をネットワーク経由で送信し、蓄積・分析することでさまざまな価値を創出するものです。

コネクテッドカーでは、自動車同士が互いに通信し、先行車のスピード情報などを受信することができます。それにより、車間距離を自動設定するなど、スムーズな走行を自動で行うことが可能となるのです。

そのほかにも、安全走行を支援する手段として、ある大手損保企業の提供する事故防止サービスでも、IoTが活用されています。ドライブレコーダーが記録した走行データをサーバーに送り、その分析結果を運転者にフィードバックすることで、より安全な運転を支援するサービスです。

輸送および物流

物流では、輸送時のコンテナに温度や湿度、振動などを取得するセンサーを設置することで、コンテナの状況把握に役立てています。

また、それだけにとどまらず、トレーサビリティにもIoTは活用されています。ある大手物流事業者は、医薬品などの輸送におけるトレーサビリティにIoTを活用すると発表しました。これは、医薬品にはRFIDタグを、商品が入ったコンテナにはセンサーを取り付け、拠点ごとにデータを記録できるようにしたものです。偽造品の流通防止になるほか、データ登録に人手を介さないため省人化にもつながります。

農業

農業においては、IoTを活用したスマート農業が新たな農業として注目されています。各種センサーで農作物のデータを取得、分析することで、経験豊富な農家でなくても品質向上や収益性アップできるようになるでしょう。

ある大手農機具メーカーでは、農機にセンサーを付けて植物の生育状況を把握することで、生育予測などに役立てています。

交通

ある大手電機メーカーでは、道路・交通事業者が持つデータを分析することで、渋滞対策や運行計画の最適化に役立つサービスを提供しています。これは、バス会社やタクシー会社などの事業者にとってはもちろん、一般の利用者にとってもメリットです。

防犯・位置情報

IoTは、監視カメラのデータを遠隔で確認したり、スマートフォンで施錠ができたりするなど、安全性向上にも役立っています。また、街灯にカメラ・センサーを組み込むことで、異常を検知し管理者に発信したり、気象庁のデータと連動して避難情報を周知したりする製品も登場しています。

さらにIoTが役立つのは、子どもを見守ることです。子どもにGPS付きの機器を持たせて位置情報を取得すれば、親はスマートフォンから子どもの居場所を把握できるようになります。

IoTにおける今後の課題

IoTは今後、さらに広がっていくと考えられますが、いくつかの課題もあります。
総務省が公表した調査結果によると、企業がIoT導入の課題として感じているのは「ネットワークに接続されたモノが第三者に乗っ取られるリスク」および「データの精度や正確性の担保」が36.9%と最も多く、次いで「モノの制御に伴う安全性のリスク」が35.4%でした。この結果から、IoTのセキュリティ面に対して懸念を抱いている企業が多いことがわかるでしょう。

IoTでは、さまざまな機器がインターネットに接続することになるので、サイバー攻撃を受ける可能性は否めません。総務省では2019年に、脆弱なID・パスワード設定のIoT機器がサイバー攻撃を受けやすいことについて、注意喚起を行いました。

これはネットワークカメラやセンサーなどのIoT機器が、ID・パスワードが初期設定のまま、または容易に推測されるものであった場合に、サイバー攻撃に利用される危険について広く周知したものです。

PCであればウイルス対策ソフトをインストールするなど、セキュリティ対策を行っているところがほとんどです。しかし、社内のプリンターや監視カメラなどの場合、パスワード管理や更新プログラムの適用といった対応を適切に行えていない企業が少なくありません。

IoTの進展で機器が増加した際、セキュリティ対策をしっかり講じることは必須です。マルウェアに感染して不正侵入の入口になってしまったり、自社を踏み台として他社や親会社へ攻撃されてしまったりするリスクが高まるからです。

それを踏まえ、総務省では電気通信事業法の端末設備等規則を改正し、最低限のセキュリティ対策として、アクセス制御機能やID・パスワードの適切な設定を促す機能、ファームウェアの更新機能を備えることを義務化しました。

また前述の調査では、「IoTの導入を先導する組織・人材の不足」を課題として挙げる国内企業の割合が、アメリカ・イギリス・ドイツなどと比較して高くなっています。IoT人材が不足していることも、今後の解決すべき課題となってくるでしょう。

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