リーンキャンバスとは?事業の立ち上げに役立つフレームワークについて解説

 2022.01.31  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

「リーンキャンバス」とは、新規事業立ち上げについて企画、整理、検討するのに非常に便利なフレームワークです。A4サイズ1枚分の用紙に9つの要素を考えて埋めていくだけで簡単に完成します。この記事では、リーンキャンバスの特長や9つの要素の内容、そして具体的な作成方法についてご紹介します。

リーンキャンバスとは?事業の立ち上げに役立つフレームワークについて解説

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リーンキャンバスとは

リーンキャンバス(Lean Canvas)とは、新しいビジネスモデルの整理や検討をする際に有効なフレームワークです。そもそも「リーン」とは「無駄がない」という意味の英語で、「リーンキャンバス」は「リーン・スタートアップ」という著書で有名なアメリカの起業家、エリック・リースが提唱しました。

同じようなフレームワークの「ビジネスモデルキャンバス(BMC)」は、主に現在展開中の事業をより発展させる際に使うものですが、リーンキャンバスは新規ビジネスを創造するのに便利なツールで、特にスタートアップ企業向けであると言えるでしょう。
リーンキャンバスは、A4サイズ1枚程度のスペースに9つの特定要素を図にまとめるだけで完成します。要素を埋めれば、ひらめいたアイデアを無駄にすることなく、新規事業の本質を見極めてスピーディに事業化することが可能になります。

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リーンキャンバスの特長

ではリーンキャンバスにはどのような特長があるのか、もう少し具体的にご紹介しましょう。

作成に時間がかからない

通常、企業が新しいビジネスモデルを企画、提案しようとした場合、数多くの資料を用意する必要があり、それにかかる時間や労力は計り知れません。しかし、リーンキャンバスはA4サイズの用紙1枚のみ、かつ必要最小限の箇条書きでも完成します。30分から数時間という短時間でいわゆる事業計画書を作成できるため、人件費が抑えられ、コスト面から見ても大きなメリットがあるといえるでしょう。

内容把握・共有が容易

リーンキャンバスの中身を見てみると、9つの要点にフォーカスしてビジネスにおけるアイデアをまとめられるようになっています。チームメンバーや取引先の顧客など、確認する側にとっても内容を一目で把握しやすいので、より多くのフィードバックを得やすくなります。もし内容に何か問題があれば、都度見直し、修正することも容易でしょう。

また、大量の情報を含む資料を共有するのには高いハードルがありますが、リーンキャンバスであれば1枚の中に必要な全要素が盛り込まれているため、たとえばスマホのカメラで撮影すれば複数メンバー間で共有できます。このため、最適かつスピーディな意思決定につなげられるのです。

リーンキャンバスの作成方法

では、リーンキャンバスはどのようにして作成するのでしょうか。
すでにご紹介したように、リーンキャンバスには9つの構成要素から成り立っており、ビジネスアイデアをそれらの要素に当てはめていくことで作成します。ここで注意すべきポイントとしては、「一気に作成する」ということです。ただし、項目によっては言語化することがなかなか難しい場合もあるため、最初は空欄があっても構いません。最初から完全性を求めすぎないようにしましょう。

また、時間の経過とともに市場の動向や他社の状況が変化することを鑑み、一度作成したリーンキャンバスを適宜更新したり、企画内容を見直したりすることも重要な作業です。その際には、具体的にどの時期を想定しているのかが明確にわかるようにしておきましょう。

リーンキャンバスにおける9つの要素

リーンキャンバスを構成する9つの要素ですが、以下のように推奨されている作成順序があります。

  1. 顧客セグメント
  2. 課題
  3. 独自の価値提案
  4. ソリューション/解決策
  5. チャネル
  6. 収益の流れ
  7. コスト構造
  8. 主要指標
  9. 圧倒的な優位性
ではここからは、順を追って1つずつご紹介していきましょう。

顧客セグメント

まず商品やサービスのターゲットとなる顧客を想定して記載します。性別や年齢層、職業、住んでいる地域などの属性を考えるとともに、典型的なユーザー層(ペルソナ)やアーリーアダプター層(新しい商品やサービスをいち早く購入し、他のユーザーへ影響を与える人々)もできるだけ書き込むようにします。

課題

想定される顧客セグメントが埋められたら、その顧客が抱えているであろう課題の中で、特に重要と考えられる課題を3点ほどに絞って書きます。
またその課題に対して顧客が利用している代替サービスや手段についても記載するようにしましょう。

独自の価値提案

3番目の「独自の価値提案」には、他社にはない、自社サービスならではの価値や強みを記載します。思いつかない場合は、「顧客はなぜ自社サービスにお金を払うのか」について考えてみると、おのずと見えてくるかも知れません。
この項目が明確化できれば、顧客に説得力あるアピールができるとともに、代替サービスともしっかりと差別化が図れるでしょう。

ソリューション/解決策

2番目に記載した、顧客が抱える「課題」に対してどのように解決するのか、対策について記載する項目です。ここでも自社の独自性を出すことがポイントで、代替サービスや代替手段では実現できないことを想像して書くようにします。また、他社でまだ開発されていないソリューションであるかどうかも確認しておくようにしましょう。ただ、最初はそれほど詳細まで詰めて記載する必要はなく、適宜アップデートしていくイメージで構いません。

チャネル

チャネルの欄には、顧客を自社のサービスにどうリーチさせるかという、いわゆる販路を考えて記載します。Web広告、SNSなどのオンラインや、直接見てもらうオフラインを両方含めてみると、様々な手段やメディア、機会が想定できるでしょう。

収益の流れ

新しく事業を始めることは新しい収益を生み出すという目的が存在します。そのため、誰から、どのように利益を得るようにするのか、事前に収益構造や価格帯のイメージなどを明らかにしておくことは非常に大切です。買い切りとするのか、年や月単位で課金するサブスクリプション型とするのか、また広告収入で賄うのかといった、契約形態についても検討しておくといいでしょう。

コスト構造

サービスやソリューションを提供するまでにかかるコストに関する要素です。まず、開発から試用、宣伝プロモーションにかかる人件費や外注費などの必要な項目をもれなく整理します。実際の数字がわからない場合は、ひとまず項目のみでコスト構造がわかるようにしたり、大まかな金額だけでも掴めるようにしたりします。

主要指標

立ち上げた事業で最終的な目標を達成するために、途中経過や進捗状況のチェックは欠かせません。できれば数値化し、ビジネスの状況を客観的に測り分析できるようにするといいでしょう。代表的な指標としては、KPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)、AARRR(Acquisition(獲得)、Activation(アクティベーション)、Retention(定着)、Revenue(収益)、Referral(紹介))などが挙げられます。

圧倒的な優位性

最後の9番目には、競合他社が追随できない自社の優位性について記載します。たとえば契約ユーザー数やサービスの信頼性、オリジナルなコミュニティの存在、デザイン性、SEOの強みなど、俯瞰して見てみると様々な切り口が見つけられるでしょう。ただ、すぐに思いつかない場合は逆に、「自社には、競合他社と差別化するために何が必要か」と考えてみてください。他社にはすぐに真似できない武器となるものがあれば、新規事業が成功する可能性はぐんと高まります。

まとめ

リーンキャンバスは、簡潔に新規事業のスタートアップを実現できるフレームワークです。提供したい商品やサービスを客観的に捉え、効率的かつ短時間で新規事業を企画、共有できる便利さが魅力です。便利なテンプレートも用意されているので、さっそく9つの要素を考え、気軽に作成してみてはいかがでしょうか。

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