総合行政ネットワーク(LGWAN)とは?基本方針やメリットを解説

 2021.01.15  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

総合行政ネットワーク(LGWAN)の基本情報について解説した記事です。概要と基本方針、セキュリティ対策の説明、利用することで得られる主なメリットを解説しています。LGWANという名前だけは知っているけれど詳しいことは分からないといった方はぜひ本記事をご覧ください。

総合行政ネットワーク(LGWAN)とは?基本方針やメリットを解説

総合行政ネットワーク(LGWAN)とは

LGWANとは行政専用のクローズドネットワークのことです。普段使用するようなパブリックネットワークとは繋がっていません。

地方自治体の庁内LANを互いに接続する通信基盤として運用されており、自治体間の情報共有やコミュニケーションが従来よりも円滑に行えるようになります。また、高水準なセキュリティの仕組みが実装されているため、電子メールやWebページなどをセキュアなネット環境で閲覧可能です。

本仕組みが導入される主な目的は、自治体間に生じているIT格差の解消や行政事務の効率化などを行うためです。運営はJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)が行っています。

LGWANの基本方針

基本方針は8つありますが、政府や自治体など行政共通のネットワーク基盤を構築すること、高い水準のセキュリティを確保することが主な目的です。また、本仕組みの導入により、地方自治体同士の情報交換の円滑化や設備投資費用を軽減するといった意図もあります。

LGWANのセキュリティ対策

ファイアーウォールによる不正アクセスの防止、通信経路の暗号化、侵入検知機能(IDS)、専門家による監視(SOCの設置)、公開鍵暗号方式が主な対策として実施されています。

それぞれの対策を説明すると、ファイアーウォールは外部からの不正アクセスを防御し、LGWANの基幹となるサーバー群を守るという役割があります。

通信経路の暗号化は、通信経路を容易に分からないようにする処理を行い、盗聴を防止する技術です。第三者が勝手にデータの中身を見てしまうことを防ぎます。

侵入検知機能(IDS)は、すべての通信をIDSで監視することで不正アクセスを検知する機能です。また、SOCの設置により専門家が365日、24時間体制でセキュリティ監視を行っています。

公開鍵暗号方式は認証技術のことで、やり取りされる情報の改ざんやなりすまし、事後否認の防止を行う機能です。認証に使用する証明書は第三者機関としてLGPKI(地方公共団体組織認証基盤)が発行しています。

以上のような入念なセキュリティ対策が実施されているため、行政間の情報通信をより安全な形で行えます。

LGWANで利用できるサービス一覧

仕組みを導入することで利用可能になるサービスをご紹介します。

LGWANポータルサイト

本仕組みに関する情報が掲載されたサイトです。運用情報、障害情報、運営主体からの新着情報・トピックス、計画停止情報、規定文書などを確認できます。

ポータルサイトを閲覧するにはLGWANに接続できる環境が必須で、パブリックネットワークからは接続できません。

また、2019年4月からは総合窓口としてLGWAN運用センターも設置されています。

アプリケーション・サービス

基本的なものとして情報掲示板やメーリングリスト、LG.JPドメイン名の登録・変更などが提供されています。

情報掲示板は、地方自治体同士がお互いに情報交換する場です。LG.JPドメイン名は、地方自治体が専用で利用できるものです。専用のドメイン名を使用することで、地方自治体が正式運営していることを示せるため、住民・企業等が安心してサイトを利用することに繋がります。

ASPサービスとしては電子申請・届出、電子入札システム、国税連携サービスなどが各関係機関より提供されています。

総合行政ネットワーク(LGWAN)導入のメリット

本仕組みの導入で得られる3つのメリットや従来と比べて変化する点について説明します。

行政事務の効率化

地方自治体間や政府共通ネットワークとの相互接続によって、情報交換・共有が広い範囲で円滑に果たされるようになります。政府や自治体間が共通の通信基盤で結ばれることで、行政事務にある無駄を圧縮し、事務処理を迅速化するのが導入メリットの1つです。

従来では自治体がそれぞれにシステムを構築して保守運用する手間がありました。しかし、本仕組みが導入されれば、業務サービスはASPが用意したものを利用できるようになります。LGWAN経由で自治体が共通の業務サービスを利用できるため、今まで行っていたシステム開発業務の負担が軽減するということです。

重複投資の抑制

LGWANは汎用性の高い情報通信基盤として構築されています。そのため、従来の方法と置き換えることで地方自治体のネットワークへの重複した投資の抑制や運営費用の削減ができます。

従来では、地方自治体間で共通の通信基盤がなかったため、相手先との通信に個別回線が必要になるなど効率的ではないやり方をしていました。また、自治体ごとに回線や端末の導入などが必要になるためコストの負担が大きく、管理をするのも大変です。

本仕組みを導入すると自治体が共通の通信基盤を持つことになります。これまで切り離されていた地方自治体のネットワークが相互に接続されるため、今までの煩雑な手続きが不要になり、より円滑なコミュニケーション、情報交換・共有を行うことが可能です。また、自治体それぞれで投資する必要があった様々なシステムや設備を一本化でき、費用の削減にも繋がります。

住民サービスの向上

LGWANの導入によって国と自治体の連携がこれまでよりも一体化し、住民に提供する行政サービスの品質が向上します。例えば、住民が生活する上で必要な行政情報の提供や申請・届出手続きの電子化などが促進され、より便利になるでしょう。

また、水準の高いセキュリティ体制が確保されるため、重要情報の機密性が高まります。盗聴等よる個人情報などの漏えいが起きる可能性が減少し、信頼性の高い情報基盤のもとで行政サービスを提供することが可能です。

さらに、LGWANの通信システムを支えるデータセンターは耐災害と物理セキュリティに優れた環境で管理されているため、地震などのトラブルがあった場合でも業務の継続性が保たれます。

まとめ

総合行政ネットワーク(LGWAN)は、パブリックネットワークから切り離された行政専用のクローズドネットワークです。主に地方自治体間の情報交換・共有の円滑化などを目的に導入が行われています。

導入により高度なセキュリティ環境で情報通信が行えるほか、業務の効率化、費用の削減、住民サービスの向上効果が望めます。

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