モバイルデバイス管理(MDM)とは?重要性や基本機能を解説!

 2020.11.30  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

モバイルデバイスは、ビジネスにおいて必要不可欠な存在です。コンパクトで携帯性に優れ、いつでも情報にアクセスできるため、さまざまなシーンで活用されています。しかし、モバイル端末の事業利用には、セキュリティ面の不安が懸念されてもいます。そこで今回は、モバイルデバイス管理(MDM)の重要性や基本機能について解説しましょう。

モバイルデバイス管理(MDM)とは?重要性や基本機能を解説!

モバイルデバイス管理(MDM)とは?

「MDM」とは、「Mobile Device Management(モバイル・デバイス・マネジメント)」の頭文字を取った略称です。その名の通り、モバイル端末を制御・保護するために設計された管理システムを指します。

モバイル端末は凄まじい速さで進歩しており、スマートフォン1台あればメールのやり取りや情報収集、データの確認など、空き時間を活用してさまざまな業務を消化できるようになりました。しかし、小型で携帯性に優れるというメリットがある一方で、紛失や盗難に遭いやすいというデメリットもあります。MDMは、このようなリスクに備えてモバイル端末を一元管理するためのシステムです。

モバイルデバイス管理(MDM)の重要性

MDMを導入する目的は、セキュリティ管理の強化です。今や、モバイル端末は1人につき1台所有するのが当たり前の時代です。法人組織であれば一社員が1台所有するケースも珍しくありません。

しかし、モバイル端末は優れた利便性を持つ反面、相応のリスクも背負っています。先述したように、小型で携帯性に優れるがゆえに、紛失・盗難に遭いやすいという特徴があります。さらに、ウィルス感染や不正利用による情報漏えいなど、便利さの裏には大きなリスクが潜んでいるのです。

こうしたリスクを防ぐのが、MDMの役割です。MDMを導入することで、モバイル端末の一元管理が可能になります。万が一、紛失や盗難に遭ったとしても、遠隔操作でロックをかけたり、データを消去したりといった対応をとることができます。また近年では、リモートワークやテレワークの普及により、特にセキュリティ強化が重要視されています。

MDMとMAMの違い

MDMと似たビジネス用語に「MAM」があります。MAMとは「Mobile Application Management(モバイル・アプリケーション・マネジメント)」の略称で、デバイス単位ではなく、アプリケーション単位で管理するシステムを指します。

MDMとの相違点は、MAMはアプリケーションのみを個別管理できるという点にあります。MDMは、デバイス自体が企業の管理下に置かれます。一方、MAMは業務利用するアプリケーションのみが管理下に置かれ、プライベートな領域には一切干渉することができません。MAMの利点は、デバイスそのものが管理されるわけではないので、個人用の端末を業務利用してもプライバシーが保護されることです。

従業員にとっては、業務領域とプライベート領域を明確に線引きできるというメリットがある反面、MDMと比較するとセキュリティに不安があります。業務において何らかのトラブルが発生した場合、個人用のモバイル端末を使用せざるを得ないケースも考えられます。

そこで、MDMとMAMを組み合わせることで、セキュリティをより高めることができます。例えば、業務用のモバイル端末はMDMとMAMの両軸で管理し、個人使用のモバイル端末はMAMのみで管理します。そうすることで、業務とプライベートの線引きをしながら、セキュリティの担保ができるでしょう。

MDMの基本機能

モバイル端末をビジネスシーンで最大限活用するには、組織的なセキュリティマネジメントを継続的に行う必要があります。MDMは、情報という重要な企業資産をサイバーリスクから守るためのシステムです。ここからは、MDMが持つ基本機能について具体的に解説していきます。

1. ユーザー管理

MDMはモバイル端末の機能を一括で制限・管理できるシステムであり、管理下にあるすべてのデバイスの位置情報や利用状況を把握可能です。この機能によって、誰がどの端末を所有し、どんなアプリケーションを利用しているのかを可視化します。万が一、紛失や盗難に遭っても、位置情報を確認することで、端末がどこにあるのかを簡単に把握できるのも大きなメリットです。

業務利用するアプリケーションのインストールや設定なども、すべての端末で同時に設定が可能です。また、アプリケーションの設定を制限したり、アンインストールしたりするといった作業も一括で行えます。これらの機能によって、業務時間の大幅な短縮が見込めるため、生産性向上につながるでしょう。

2. リモート操作

モバイル端末を紛失したり、盗難被害に遭ったりした場合、もっとも恐れるのは機密情報の漏えいです。もしも大規模な情報漏えいが発生した場合、訴訟問題に発展して損害賠償請求される可能性があり、企業の社会的信用も失墜してしまうでしょう。

MDMを導入しておけば、もしモバイル端末の紛失・盗難に遭ったとしても、リモート操作でシステムロックが可能になります。例えば、パスワード入力をしないとロック解除できないように設定したり、仮想デスクトップにデータを一時保管したりといった機能を備えています。

3. セキュリティ対策

モバイル端末の性能に比例して重要な機密情報を扱うようになるため、ウィルスやマルウェアなどの脅威から身を守らなければなりません。そのために、セキュリティ強化は必須事項です。

MDMはセキュリティ対策も一括管理可能です。例えば、すべてのモバイル端末に対して統一されたセキュリティーポリシーを適用したり、工場出荷状態に戻すワイプ機能を実行したりできます。万が一、ウィルスや不正アクセスによる攻撃が確認された場合、このワイプ機能によって被害が大きくなる前に対処することが可能です。

4. アプリケーション管理

MDMは、先述したMAMのように、アプリケーションの一括管理機能も備えています。モバイル端末は、今やビジネスシーンにおいて欠かせない存在となり、従業員一人ひとりに端末を配付している企業も少なくありません。しかし、中には不要なアプリケーションを勝手にインストールしたり、私的利用したりする従業員も存在します。そういった行動は、ウィルス感染や情報漏えいの引き金になりかねない危険な行為です。MDMなら、利用するアプリケーションを管理下に置けるので、こうした不正利用を防ぐことができるのです。

5. データの暗号化

MDMは、モバイル端末のデータを暗号化する機能も備えています。暗号化とは、データに特殊処理を行い、別のデータとして変換する処理のことを指します。データを暗号化することで、万が一データが流出しても、中身を読み取ることは困難になります。データの暗号化は、サイバーリスクに対して非常に有効な対策だと言えるでしょう。

とはいえ、暗号化によって情報漏えいを完全に防げるわけではありません。USBやSDカードといったデータ移行手段への対策も必要となります。

MDMを導入する際の注意点

MDMは、モバイル端末を一括操作・管理できる優れたシステムです。導入によってさまざまな業務が効率化され、セキュリティの強化にもつながります。しかし、MDMも完璧なシステムではありません。MDMを導入する際にはいくつかの注意点があるため、それぞれきちんと押さえておきましょう。

導入すれば安全というわけでない

MDMは、不正アクセスや情報漏えいなどのサイバーリスクを低減することはできても、完全に防げるわけではありません。IT技術は日々凄まじい速さで進化・発展する一方、それに比例してサイバー犯罪の手口も多様化しています。MDMはあくまでもセキュリティを強化するためのシステムであり、サイバー攻撃を完璧に防ぐことは不可能だと言えるでしょう。

また紛失や盗難に関しても、完璧に対応するのは不可能です。例えば、SIMカードを抜き取られたり、ネット回線のつながらない場所にあったりする場合は、リモート操作を行うことができません。MDMは優秀なシステムですが、完璧ではありません。企業の資産である情報を守るためには、組織全体でセキュリティに関して高い意識を持つことが大切です。

有用なソフトウェアを制限してしまうことも

MDMは、モバイル端末を一括管理して機能を制限することで、脆弱性のあるソフトウェアやウィルスの感染から身を守るのです。しかし、この機能制限は必ずしもメリットばかりもたらすわけではなく、場合によっては有用なソフトウェアの使用をも制限してしまう可能性があります。その結果、セキュリティを強化する代わりに、利便性が低下するという事態を招くこともあります。

また、利便性の低下がストレスになり、従業員が独断で個人用端末を業務利用して、かえってセキュリティリスクが増加してしまったというケースもあります。

まとめ

モバイルデバイスを最大限活用しながら、セキュリティリスクは最小限に抑える。それを実現してくれるシステムが「MDM」です。情報化社会の日本において、情報は諸資源と同等の価値を誇る貴重なリソースです。ぜひ、今回紹介した内容を参考にして、MDMの導入を検討してみてください。


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