オムニチャネルとは?その意味や戦略、成功事例をご紹介

 2020.03.23  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

小売業において「オムニチャネル(Omni-channel)」が浸透してから、10年ほどが経過しようとしています。2011年に米大手百貨店グループのメイシーズ(Macy’s)が「オムニチャネルリテーラー(オムニチャネルを実践する小売業)」を宣言したこと、翌年に目覚ましい成果を上げたことで世界中の小売事業者がオムニチャネル戦略に注目します。

しかしながら、現在においても「オムニチャネルって何?」と疑問を持っている方も多いでしょう。本記事では、オムニチャネルとは何か?という基本から、具体的な戦略や成功事例などをご紹介します。

オムニチャネルとは?その意味や戦略、成功事例をご紹介

オムニチャネルとは何か?

オムニチャネルとは、顧客が商品を購買するにあたっての認知・情報収集・比較・検討・購入・サポートという総合的なプロセスにおいて、オンラインとオフラインの区別を無くすことを意味します。

たとえば実店舗において商品を認知し、インターネットで情報収集を行い、口コミサイトや比較サイトを参照にしながら比較・検討し、特定のECサイトや実店舗において購入する。購入後はメーカーや店舗のサポートを受けます。この一連のプロセスで販売チャネルの境目を無くすことができれば、顧客に対して付加価値の高い商品を提供し、ビジネスパートナーとして長く関係することが可能です。

メイシーズが取り組んだオムニチャネル戦略は、RFID(無線ICタグ)を活用した実店舗とECにおける在庫を統一し、さらに店舗スタッフにタブレット端末を貸与することで、接客時にEC在庫を含めた商品提案をすることによって付加価値の高いサービスを提供します。

また、ECで購入した商品を実店舗にて受け取ることも可能であり、顧客のライフスタイルに応じたサービスを展開しました。

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オムニチャネル・O2O・マルチチャネルの違い

オムニチャネルと混同しがちな「O2O(オンライン・トゥ・オフライン/オフライントゥオンライン)」「マルチチャネル」との違いについて解説します。

O2Oは「Online to Offline(Offline to Online)」の略であり、オンラインからオフラインへ、あるいはオフラインからオンラインへと顧客を誘導する仕組みを実現する施策のことです。たとえばECサイトで商品を購入した顧客に実店舗で利用可能なクーポンを付与したり、逆に実店舗を訪れた顧客をECサイトに誘導したりといった施策です。最近ではBeacon(ビーコン)と呼ばれる技術を活用した、実店舗内でBeaconモジュールに近づいた顧客のスマートフォンにプッシュ通知をしたりと、その取り組みは広がっています。

一方マルチチャネルは、オムニチャネルが普及する以前の小売業界におけるスタンダードでした。ECサイトや実店舗に限らず、WebサイトやSNS、動画など複数チャネルを使って顧客とのタッチポイントを増やす戦略です。ただし、オムニチャネルのようにチャネル同士の連携が無いことが最大の違いです。

オムニチャネルはなぜ必要なのか?

国内ではイオングループやセブン&アイホールディングスなど、大手小売事業者を中心にオムニチャネル戦略が進んでいます。では、なぜ現代においてオムニチャネルが必要とされているのでしょうか?

最大の理由は、「顧客の購買プロセスが大きく変化した」ことです。インターネットとスマートフォンの普及により、顧客は実店舗で実物を確認しながらネット検索で最安値を検索し、購入するという購買行動を取るようになりました。これを「ショールーミング化」といいます。

ECサイトは中間マージンを省いて商品を提供できるため、当然ながら実店舗よりも低価格で販売できることから、ショールーミング化が加速して実店舗における売り上げが減少していきました。

また、インターネットありきの購買プロセスでは顧客の囲い込みが難しく、実店舗におけるサービス品質も影響力が小さくなっています。そうした中で実店舗へ顧客を呼び戻し、なおかつ実店舗とECをつないで売上最大化を図るための施策が必要となります。

こうした小売業界特有の問題から、オムニチャネルへのニーズが次第に高まっていきました。

オムニチャネル先行事例

事例1. 無印良品

良品計画が展開する雑貨ブランドの無印良品では、スマートフォンアプリの「MUJI passport」をオムニチャネル戦略の一環としてリリースしています。当アプリでは無印良品商品のニュース配信や在庫検索などの機能を搭載し、実店舗を訪れるだけでポイントが加算されるマイレージプログラムを搭載したことで、実店舗への流入数を増やしています。

またMUJI passportをインストールしたスマートフォンを所持して店舗の600m圏内に入るとマイルが溜まるチェックイン機能も搭載し、チェックインした場所や時間帯に応じてクーポンや最新情報が受け取れます。

事例2. ABC-MART

スニーカーを中心としてシューズ商品取り扱い店舗を全国に出店しているABC-MARTは、国内外に1,000店以上を展開しています。同社がオムニチャネル戦略として取り組んだのが「サイズ問題の解消」です。ECサイトで選んだ商品を最寄りの店舗で試着・購入できる店舗受け取りサービスを開始しました。

ABC-MARTは同一商圏内にドミナント出典(多店舗出店)を行っており、主要都市では歩いて行ける距離の複数店舗を構えています。店舗に欲しい商品在庫が無い場合は、ドミナント出店している店舗の在庫を紹介し、スタッフが商品を走って取りに行くこともあります。また、近くの店舗にも在庫がない場合は店頭タブレットでEC在庫を検索し、自宅配送を指定して商品を購入することも可能です。

これにより在庫切れの機会損失を減らし、年間1億5,000万円の売上創出に貢献しています。

事例3. アカチャンホンポ

ベビー用品を専門に取り扱っているアカチャンホンポ(セブン&アイホールディングスグループ)では、都心部の実店舗を訪れる若いファミリー層のニーズを的確に捉えたオムニチャネル戦略を展開しています。

小さな商品だけでなくベビーカー等の大型商品も扱っているため、実店舗で購入した場合は自動車を所有していない顧客は持ち帰りが大変でした。そこで店頭にタブレットを設置し、商品を共通在庫から自宅に配送するというサービスを導入。これにより店頭で決済し、最短翌日には自宅に商品が届くことで手ぶらショッピングが可能になっています。

ベビー用品を購入するファミリー層は、他の小売業に比べて「商品の実物を確認してから購入したい」というニーズが強いことから、同サービスを導入して小規模店舗においても大型商品の購入数増加に貢献しています。

自社にとってのオムニチャネル戦略は何か?

いかがでしょうか?オムニチャネル戦略は多種多様なものがありますが、総じてチャネルを連携して一気通貫した購買プロセス&顧客体験を提供することに重点を置いています。皆さんの会社にとってどのようなオムニチャネル戦略が最適でしょうか?先行事例などを参考にしながら、独自にオムニチャネル戦略に取り組んでみましょう!

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