OMO戦略とは?成功のポイントを紹介

 2020.12.09  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

昨今、ECサイトを持つ小売店などでは、「オンラインとオフラインの最適化」が競争戦略の源泉にあると言えるでしょう。特に近年では、外出自粛などの影響から、オフラインよりもオンラインの重要性がより一層注目されるようになりました。そこで本記事では、近年注目されるOMO戦略の概要や、O2O、オムニチャネルとの違いについて詳しく解説していきます。

OMO戦略とは?成功のポイントを紹介

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OMO戦略とは

OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインを融合するという意味の言葉で、顧客がオンライン、オフラインを意識せずによりよい体験ができるようにするマーケティング戦略のことです。

2017年頃に元GoogleチャイナのCEOであった李開復(リカイフ)氏が提唱し、英『The Economist』誌で発表され注目を集めました。

OMOが登場した背景には、今まで捕捉が難しかったオフラインの行動が技術進化によってデータ化できるようになったことがあります。

今までは、オンラインとオフラインのデータはバラバラに管理され、別々のマーケティング施策に利用されていました。しかしスマートフォンや各種センサーを活用することで、「店舗で購入した」顧客のID・情報と「オンラインストアで購入した」顧客のID・情報を連携できるようになりました。

同じ人物の行動として分析できるようになったことで、オンラインストアでお気に入りに登録した商品が置いてある店舗の近くを歩いていると、スマートフォンでプッシュ通知が届くといった、より顧客満足度が高いサービスを提供できるようになるのです。

現在は「アフターデジタル」というキーワードで表現されるように、オフラインは存在せず、すべての行動がデータとして取得・活用できる時代です。従来型のオフライン中心のマーケティング戦略では対応不可能になっており、多くの企業がOMOへと軸足を移しています。

O2Oやオムニチャネルとの違い

OMOと似た概念の言葉として、O2Oやオムニチャネルがあります。

O2O(Online to Offline)とは、WebサイトやSNS(オンライン)からリアル店舗(オフライン)へと顧客を誘導するマーケティング手法です。Twitter上でクーポンを配信する来店促進策などが該当します。

toという言葉が示す通り、オフラインを軸とした一方向の施策で、顧客をリアル店舗へ誘客するというプロモーション的な意味合いが強い施策です。

オムニチャネル(Omni-Channel)とは、リアル店舗やECサイトなどあらゆる販売チャネルを統合して顧客にどこでも同じ体験を提供する販売戦略です。いつでもどこでも同じ購買体験を提供できるようにすることで顧客満足度を向上することが目的です。

O2OもオムニチャネルもOMOも、オンラインとオフラインに注目している点は共通しています。しかしO2O、オムニチャネルがチャネルの最適化を目指しているのに対してOMOでは顧客の購買体験の最適化を目指している点で違いがあります。

OMOを成功させるためのポイント

これからOMO戦略に取り組む際には、以下の3つを意識することが成功につながります。

顧客体験の最適化

前述のとおり、OMOとは顧客の購買体験を最適化する取り組みです。そのためには、蓄積したデータから「どんな体験を提供すれば顧客が満足するか」を導き出すことが求められます。

自社で既に提供している、または世の中に既にあるサービスに対して、「何が不足しているのか」「どの体験を追加することができるか」「それは価値があるか」といったことを確認しながら、最終的には「どのデータをどういった手段で取得・提供すると課題が解決するのか」を導き出すことがポイントです。

タッチポイントの最適化

オフラインのデータを取得するためには、リアル店舗、オンラインショップ、アプリなど顧客との接点(タッチポイント)を生み出す必要があります。そのためには顧客が訪問したくなるサービスを提供することが重要です。

例えばOMOで成功している中国大手保険会社の平安(ピンアン)では、健康系アプリなど利便性の高いサービスを多数提供し、多くのユーザーを獲得しています。自社の保険商品を契約していなくても利用できるようになっており、見込み顧客の効率的な獲得手段として役立っています。

保険のように利用頻度が少ない商品・サービスでは、特にタッチポイントの確保が不可欠です。

行動データの蓄積

従来のマーケティング施策ではオンラインでの行動データが主でしたが、スマートフォンやセンサーを使って「顧客がオフラインでどのような行動をしたのか」をデータ化し、蓄積することがカギになります。

OMO成功のためにはオフラインの行動データを継続的に収集・活用する仕組みづくりが何より必要です。また、そのデータをもとに顧客が満足する体験を提供することで、利用者が増加して結果的にサービス利用者が増え、一層データの蓄積が進むというよいサイクルが回ります。

OMOの事例

ここでは、より具体的にイメージできるよう、海外におけるOMO事例を2つ紹介します。

OMO型生鮮スーパー・フーマー・フレッシュ(中国)

盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ、以下フーマー)は、中国EC大手のアリババ(阿里巴巴集団)が運営する大型スーパーマーケットで、上海や北京、深センなど中国内で140以上の店舗を展開しています。

店頭販売とオンライン販売の両方を行っており、店舗運営が高度にデジタル化されていることが特徴です。中国版Amazon Goと呼ばれることもあります。

店内の商品にはQRコードがついており、店舗で買い物する顧客がスマートフォンアプリでコードを読み取ると、価格だけでなくオンライン上の商品レビューやレシピ情報を確認できます。

ほしい商品はアプリ上でカートに入れ、レジでアプリから決済すると、キャッシュレスで購入手続きが完了します。売り場スタッフは各自が持つスマートフォンに注文情報が表示されるので、商品を専用バッグに入れて梱包し、30分以内に配送する仕組みになっています。

アプリでの決済情報はフーマーのIDが登録されているため、オンラインでの購入履歴と紐づけられます。

店舗で販売する野菜や魚介類などの生鮮商品は、販売履歴などのデータを分析して種類や販売量を決定するため、販売ロスが少なくなります。

オンライン・オフラインで楽しく使えるShopkick(アメリカ)

Shopkick(ショップキック)は、アメリカのスタートアップ企業Shopkick社が運営するポイント獲得アプリです。Shopkick自身はリアル店舗を持ちませんが、ポイントと引き換えにユーザーが自発的にデータを提供する仕組みを提供しているのが特徴です。

ユーザーはアプリをダウンロードして会員登録をした後、提携しているオンラインまたはリアル店舗で商品をチェックしたり買い物をしたりしてポイントを獲得します。リアル店舗の場合は商品をスキャンして登録します。

ユーザーはポイントをためてAmazonやスターバックスなどのギフト券をもらえるというメリットがあります。企業側は、Shopkickから提供されたデータを分析に利用できます。

注目したいのは、実際に購入していない商品についてもデータを取得できる点です。これにより「商品に興味を持って手に取ったけれども結果的に購入には至らなかった」ことまでわかり、課題解決に役立つデータとして活用可能です。

まとめ

顧客によりよい体験を提供するために、オンラインとオフラインの行動履歴を紐づけて一元管理する重要性が高まっています。そこで注目されているのがOMOです。

OMO戦略はアフターデジタル時代に生き残るためには不可欠です。成功するためには複数チャネルから行動データを取得、分析して顧客体験を最適化することが求められます。


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