病院情報システム(HIS)におけるオーダリングシステムとは?

 2020.08.04  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

オーダリングシステム という用語は聞いたことがあるものの、詳しい内容までは分からないという方も多いでしょう。本記事では、オーダリングシステムとは何かについて、電子カルテとの違いや、導入するメリットなどを詳しく解説します。

病院情報システム(HIS)におけるオーダリングシステムとは?

病院情報システム(HIS)用語「オーダリングシステム」とは?

「オーダリングシステム」は病院情報システム(HIS、Hospital Information System)のひとつです。なお、病院情報システムには「電子カルテ」や「医事会計システム」なども含まれています。これらのシステムは、病院で行われる診療や会計作業などを効率化させたり、患者についての情報をスムーズに共有したりすることなどを目的として導入されます。

病院に訪れた患者に対しては医師が診察を行い、必要に応じて薬剤師に処方薬を伝えたり、検査技師にレントゲンをとるよう指示を出したりします。また、リハビリが必要な患者がいれば、リハビリテーション科にその旨を伝達する作業が発生します。

従来、このようなやり取りは医師が必要事項を紙に記入して各部署に伝達していました。オーダリングシステムでは、医師は検査や処方などの指示内容をシステムに入力します。各部署にある端末からシステムにアクセスすることで、それらの指示を迅速かつ正確に受け取れるため、スムーズな業務が可能となります。

電子カルテとの違い

電子カルテとは、従来は紙のカルテに記入していた内容を、パソコンに入力して電子上で管理するシステムのことです。カルテには患者の住所や氏名などの個人情報をはじめ、病名や治療方法など、一人ひとりの情報が含まれています。そのような患者の情報を電子化することで、正確かつ安全に保存・管理する役割があります。電子カルテもオーダリングシステムと同様、病院情報システムに含まれますが、両者の機能や役割は異なります。

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電子カルテの導入は、オーダリングシステムが導入されたあとに段階的に行われることが一般的です。また、「電子カルテ」と呼ばれているシステムは、多くの場合、あらかじめオーダリングシステム機能が含まれています。オーダリングシステムのみの導入ケースは考えられますが、電子カルテのみの導入はあまり推奨されません。これは、カルテのみ電子化しても、医師の指示や検査結果などが紙のままだと、電子化されたカルテを正本とすることができないので、導入効果が薄れてしまうためです。

一方、オーダリングシステムのみの導入では、カルテは紙になるものの、医師からの指示を瞬時に受け取れるため、ある程度の作業効率化は図れるでしょう。

オーダリングシステムの導入メリット

オーダリングシステムを導入するメリットとしては、医師の指示出しが楽になることや患者情報を共有できることのほかに、指示箋の見間違いや紛失の防止、患者の待ち時間短縮などが挙げられます。

手書きによる指示の場合、処方箋や検査などの指示に加え、入院患者には食事の指示なども書かなくてはいけません。患者数が多い大規模病院であるほど医師の負担が大きくなってしまう懸念がありますが、電子化することで効率化が見込めます。システムによっては、あらかじめ内蔵されている機能を活用することで、前回出した指示の再出力が簡単にできます。また、システムを通して各部署に届く指示はほぼリアルタイムなので、連携をスムーズに進める効果もあるでしょう。

さらに、手書きでは記入者によって字が汚く、看護師や薬剤師などに本来の情報が間違って伝わるおそれもあります。それにより、薬の投与量を間違えるおそれがあるなど、患者の命に関わる危険も考えられるのです。システム入力であれば文字の読み間違いを減らすことができ、安全性を高められます。

ほかにも、紙の指示箋の場合は医師の元から各部署へと医療事務スタッフが届けるまでの間にうっかり紛失してしまう場合もありますが、オーダリングシステムでは、画面を通して指示を伝えられるので、そのような心配も起こらないでしょう。患者の待ち時間についても、指示箋作成や伝達にかかる時間が短縮できるため、従来よりも短くなるメリットがあります。

オーダリングシステムの普及状況

オーダリングシステムの普及状況は、厚生労働省が行った調査によると、平成29年時点で400床以上の大規模病院で91.4%となっており、広く普及が進んでいると考えられます。また、200~399床の病院でも76.7%と、7割以上が導入していると分かります。一方、200床未満の病院では45.6%という結果となり、中規模や大規模病院に比べると普及率は低くとどまっている状況です。

しかし、平成20年の調査では19.8%であったことを考慮すると、約10年の間に普及が進んでいると捉えられます。なお、同じく平成20年の調査では200~399床の病院で54.0%、400床以上の病院で82.4%の普及率となっていることからも、いずれの病院規模でも、時代が進むにつれてオーダリングシステムが普及しているといえるでしょう。 

(参照元:https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000482158.pdf

まとめ

オーダリングシステムは、導入することによって医師の業務負担を減らせるだけでなく、各医療スタッフの作業に対しても、効率性や安全性の向上が期待できます。また、電子カルテも同時に取り入れることで、より高い効果が期待できるでしょう。

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