PMIとISMとは?製造業の評価指数について

 2020.01.10  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

PMIやISMは、どちらも製造業における評価指数のことを言います。それぞれに意味がありますが、PMIとISMは混同されがちで、いまひとつ違いがわからない方も少なくありません。製造業に携わるのなら、それぞれの違いや、数値から何がわかるのかを理解しておきましょう。

pmi

PMIとは?

PMIとは「Purchasing Managers' Index」の略であり、日本語では「購買担当者景気指数」と呼ばれます。製造業で原材料や部品などの仕入れを担当している購買担当者へアンケートを実施し、そこから得たデータを数値化したものです。アンケートの内容は新規受注や雇用、価格など多岐にわたります。

企業における購買担当者の役割はとてもシビアです。原材料を仕入れるにしても、行き当たりばったりでは過剰在庫や欠品による生産ラインの停止といった大問題になりかねません。生産計画に従って原材料を正確に調達することが要求されているのです。また、市場における製品の需要や取引先企業の経済状況などを見極めるなど、あらゆるリスクも考慮しながら購入量を調節することが求められています。こうした理由から、購買担当者の考えや行動が今後の景気を見通すのに役立つと考えられています。

そして、製造業はどの国においても経済に大きな影響を及ぼします。そのため、景気の状況や先行きを予想するための数値としてPMIが重視されているのです。IHS Markit社では、アメリカや日本、中国、ユーロ圏をはじめとする30以上の国々で調査を実施し、毎月調査結果を公表しています。

また、PMIはGDPとの関連性が強く、数値の動きも似ています。経済が成長を続け、景気が好転しているときにはPMI数値に付随するようにGDPの数値も上昇傾向が見られるのです。

PMIの見方

今後の景気を占う指標として重視されているPMIですが、具体的にどのように読み解けばよいのでしょうか。PMIの見方は簡単で、基準値の上か下かで景気の先行きを判断します。まず、商況が前月と比較して横ばいを表す「50」がボーダーラインです。数値がこれを下回れば景気が落ち込んでいると考えている人が多いことを示し、上回れば景気が上向きと考える人が多いことを示します。

製造業におけるMixed Realityの活用

景気がよい方向に向かっていることをPMIから判断できれば、新たなビジネスへの取り組みや、事業の拡大を視野に入れられます。ビジネスでより攻勢に転じることができ、新たなビジネスチャンスをつかむきっかけにもなるでしょう。

逆に、悪い方向に向かっているとわかれば、ビジネスの縮小や目先の新規事業を凍結するなどの対策を講じられます。PMI数値をどのように活かすかは企業によりさまざまですが、ビジネスにおいて重要な判断材料になることは間違いありません。

PMIはどのようにしてデータを収集するのか

先述したように、PMI数値は企業の購買担当者へのアンケートによってデータが収集されています。金融情報サービスを提供しているグローバル企業であるIHS Markit社のPMI調査では、厳選された400以上の企業にアプローチし、アンケートへの回答を求めています。購買担当者の中でも特に上級の責任者を回答対象としており、集計したデータはIHS Markit社のエコノミストによってまとめられます。専門知識と最先端のテクノロジーを融合させ、膨大なデータを精査した上で配信しているのです。

アンケートの内容は、生産高・新規受注・製品価格・購買価格・購買数量・雇用など多岐にわたります。前月の商況と比較し「改善」「横ばい」「悪化」の三者択一のアンケートに答えますが、なぜそのような回答になったのかの理由も説明しなくてはなりません。

PMIはどのような場面で活用されるのか

PMI指数から景気動向を読み取ることで、今後の事業計画や購買戦略を策定することに役立ちます。景気があまりよくない方向に向かっているのならビジネスを縮小する、よい方向に向かっているのなら逆に拡大するといった具合です。

世界経済が今後どうなるかを予測することもできるため、グローバルな事業展開を目指す企業などが活用しています。各国で公表されるPMIの中でも特に注目度が高いのが中国の指数です。製造業PMIを構成する項目の1つに新規輸出受注があり、これは輸出動向を表します。いまや世界を代表する経済大国となった中国の輸出動向がわかれば、世界経済の先行きも判断しやすくなると考えられています。

ISMとは?

ISMとは、全米供給管理協会(ISM : Institute for Supply Management )が公表している「製造業景況感指数」のことで、日本語では「ISM製造業景況感指数」と呼ばれます。アメリカにおける製造業の景況感を表す指標として広く用いられています。

景気サイクルの転換期を示す先行指標としての精度が高いことから、ISMはアメリカ市場における最重要指標の1つとみなされています。毎月第1営業日公表と、米雇用統計などの主要指標よりも早く公表される速報性も注目を集める理由です。

ISMの見方

基本的にはPMIと同じく、ISMも50をボーダーラインとして判断します。数値が50を超えていれば、景気が上向きになっていることを示し、下回れば落ち込んでいると判断できます。

ISMはどのようにしてデータを収集するのか

ISMでも、収集した膨大なデータをもとに数値を算出しています。PMIでは企業に所属する購買担当者へダイレクトにアンケートを実施していましたが、ISMでも同様です。アンケートの対象となる企業は300以上を数えます。PMIと同じように、企業に属する仕入れ担当者へ直接アンケートを実施する性質から、信頼度が高いのが特徴です。

しかも、GDPランキングトップの経済大国アメリカの景況感調査であることから、アメリカだけでなく世界経済を占う重要な数値だと考えられています。

PMIとISMはどう違うのか

ここまで読んでみても、PMIとISMの違いがいまひとつわからないと感じた方もいるかもしれません。確かに、どちらも景況感を示す指標であることは同じであるため、混同しやすいのも仕方のないことです。

違いの1つとしては、調査の実施主体が異なることが挙げられます。PMIの数値を算出している代表的な企業は、イギリスに拠点を構えるリサーチ企業、IHS Markit社で、ISMは全米供給管理協会が実施しています。この2つの組織はまったく別物であり、グループ会社でも何でもありません。

データの収集については、PMIが400以上の企業をアンケート対象としているのに対し、ISMでは300以上となっています。また、前者は世界30以上の国々で実施されているのに対し、後者はアメリカ国内の企業のみを対象にしていることが大きな違いです。さらに、ISMとは異なり、PMIのアンケート実施先は民間企業のみを対象としている点が異なります。

アンケートの回答方法は、PMIのアンケートは前月と比べて「改善した」「横ばい」「悪化した」の選択肢から選び、ISMは「よくなっている」「同じ」「悪くなっている」の三択から選んで回答します。

数値の見方に関しては、先述したとおりPMIと同じです。基準となる数値、50よりも上なのか、それとも下なのかで景況感を判断します。このように、アンケート調査の実施主体やアンケート対象数などに違いがあるものの、景気の動向を占う指標となることには違いありません。

まとめ

PMIとISMは、どちらも製造業の購買担当者に多項目のアンケートを実施し、現在の景況感を判断する数値を導き出しています。PMIとISMの指標の意味するところを理解することで、今後のビジネスに役立てられます。新規のビジネスチャンスをつかむことや、事業を今以上に拡大させる好機を見逃さずに済むでしょう。

Factory of the Future製造現場が抱える課題。解決の鍵は「デジタル化」です。

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