RFIDとは?その仕組みとバーコードやICタグとの違い、活用事例

 2020.04.07  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

RFIDとは何か、以前からあるバーコードと比べて何が違うのかなど、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事ではRFIDの特徴やメリット・デメリットのほか、バーコードと比較して何が良いのか、ICタグとの違いなどを解説します。どんなシーンでどのように使われているか、参考となる事例も紹介します。

RFIDとは?その仕組みとバーコードやICタグとの違い、活用事例

RFIDとは?

RFID(Radio Frequency IDentification)とは、専用タグのメモリに記録されたデータを対応のスキャナを用いて読み書き(データのスキャンをはじめ登録・削除・更新など)するシステムを指します。

RFIDを採用したシステムのうち身近な例の1つが、JRの「Suica(スイカ)」や「ICOCA(イコカ)」などの交通系ICカードです。改札機がスキャナの役割を果たし、スマートフォンやカードを改札に通したり触れたりしなくても、電波による無線の通信だけでデータの読み書きができます。RFIDはそれ以外にも電子マネー「楽天Edy」や車のスマートキーなど日常のさまざまなシーンで使われるほか、製造・流通・小売りなどの業界でも採用されている新しいシステムです。

RFIDの特徴

RFIDの特徴としてあげられるのは、まず通信可能な距離の長さです。専用のICタグとスキャナは必ずしもすぐ近くにある必要はありません。数m~数十mほど離れていたとしても通信が成立します。そのため、タグを付与したモノを近くに持ってきたり、タグの場所をいちいち探したりする手間は不要です。

また、同時にいくつかのICタグを読み取れるのも大きな特徴です。ICタグが付与された製品を個々にスキャナにかざす必要がないわけです。さらに障害物があってもスキャン可能なため、ICタグに汚れが付着していても使えなくなるといった恐れもありません。スキャナと通信をしているのはICタグに搭載されたメモリです。そのデータが壊れていない限り、スキャナは発せられる電波を受信できます。

RFIDとバーコードやICタグとの違い

RFIDは以前からあるバーコードと比べられることがよくありますが、両者の違いは一体何なのでしょうか。ここでは、わかりそうでわかりにくいこれらの違いについて簡単に解説します。

バーコードの特徴と比較

バーコードは「バー」と言われる線とバー間のスペースの幅や組み合わせによって、数字や文字情報を表す技術です。バーコードもまた、専用のスキャナでその情報をスキャンして使います。

タグやコードで示したデータをスキャナが読み込む点は両者同じなのでよく比べられますが、その特徴は大きく異なります。

RFIDと違って、バーコードの読み込みには次のような違いがあります。

  • すぐ近くにないとデータを読み込めない(数cm程度)
  • 1回のスキャンで読み込めるデータは1つのみ
  • 汚れやカスレなどでバーコードがはっきりしないとスキャンできない
  • スキャナとの間に障害物があるとデータを読み込めない

これらの違いはコンビニなどでレジに商品を通すときスキャナをバーコードにあてる場面を思い浮かべれば一目瞭然でしょう。

さらにRFIDは種類によってはデータの読み込みだけではなく書き込みが行えるものもあります。対して、バーコードはデータを読み込むことしかできません。加えて記憶容量にも違いがあり、バーコードと比べるとRFIDは大容量のデータを扱えます。

これらの点からRFIDはバーコードに比べ、いろいろな点で優れた技術と言えます。このシステムを利用すれば、今までよりも高度な管理を行うことが可能です。バーコードで不可能なことも、RFIDであれば検討する余地があるわけです。

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ICタグ・RFタグとは

ICタグとは、電波を飛ばし無線で通信することを可能とするRFIDにとって要となるタグを指します。最近ではRFタグという名称で呼ばれることも多いです。

ICタグは非接触ICチップ(集積回路)と無線通信用のアンテナからなり、「パッシブタグ型」「アクティブタグ型」「セミアクティブタグ型」の3種類があります。

各タイプの特徴は以下のとおりです。

  • パッシブタグ型…電池はなく、受信した電波を電力として作動する。Suicaなどの交通系ICカードで使用。
  • アクティブタグ型…電池を内蔵しており、自ら電波を飛ばし情報を送る。
  • セミアクティブタグ型…内蔵された電池で受信回路やセンサーを補助する。単体では電波を飛ばさないがスキャナに反応して電波を発信する。パッシブタグ型とアクティブタグ型のハイブリッド。

また、ICタグは小さいもので大きさが数mmしかないので、どのような形状のものにも搭載でき、「カード型」や「コイン型」「シール型」といったものから「スティック型」「リストバンド型」など、活用範囲は多岐にわたります。

RFIDのメリット・デメリット

RFIDにはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。実際の使用シーンを交えつつ、1つずつ見ていきましょう。

メリット

RFIDの大きなメリットとしてあげられるのは、業務の効率化です。検品や棚卸しの作業は、バーコードを使う場合に比べ、RFIDを使えばはるかにスピーディに手間なく行えます。

たとえば段ボールに詰まった商品を検品するケースを考えてみましょう。商品にバーコードが付与されている場合は、わざわざ段ボールを開けたうえで1つ1つ商品を取り出し、バーコードにスキャナを近づけて読み込まなくてはなりません。対してRFIDを使うことにより、段ボールを開封する必要もなく、スキャナを段ボールにかざしさえすれば、一瞬でスキャンできるわけです。また店舗に並んだ商品を棚卸しする場合も、RFIDなら対象の棚にスキャナをかざすのみで、まとめてスキャンできます。

RFIDを導入すれば棚卸しにかかる手間を省けるだけではなく、少人数で大量の商品をさばけるので、それまで棚卸しのたびにかかっていた人件費が抑えられるうえ、人手不足の解消にもつながるのです。

加えて表面に多少の汚れがあってもスキャンが可能な点もメリットと言えるでしょう。たとえば、一度付着してしまうと落ちにくい塗料などを扱う現場や泥汚れがつきやすい工事現場など、バーコードを使うには環境が整っていなかったとしても、RFIDなら汚れを気にせず使えます。

デメリット

RFIDは以前からあるバーコードと比べはるかに機能性が高くメリットも多いですが、必ずしも良い点ばかりではありません。デメリットも存在します。

まずあげられるデメリットは、コストが高くなることです。バーコードは商品の袋などへ印刷、もしくはプリントアウトしたシールを貼付すればすみますが、RFIDで用いるICタグをすべての商品に1つずつ使っていくとコストが膨れあがります。ただし、前述したとおり、ICタグはデータの書き込みが可能です。そのため、一度導入してしまえば、何度でもデータを書き直して使用できます。最初のハードルは高いですが、導入後は破損しない限り使いつづけられます。

RFIDで行われる通信は、金属によって妨げられてしまう点もデメリットです。たとえば商品がアルミ箔で包まれていると、商品に付与したICタグから発する電波をスキャナがスキャンしづらくなり、認識率が低下してしまいます。また、段ボールのなかでICタグが重なっていてもデータが正確に読み込めなかったり、スキャン完了までに時間がかかったりすることもあります。読み込み漏れがあった場合、どの商品が読み込まれなかったのかの判断も難しくなるでしょう。

RFIDにはたくさんの種類があり、それぞれ性格が異なるため、ニーズにあったものをしっかり選ばないといけない点にも注意が必要です。種類によっては価格が高くなってしまい、予算に合わないといったケースも考えられます。

このようなデメリットがあるため、現時点では、「すべてのシーンで活躍できる汎用性の高い技術」と一概に断言できないのが正直なところです。もちろんそれ以上のメリットも多く、魅力的な技術であることは間違いありません。導入には、目の前の業務にRFIDが適しているかどうかの慎重な判断は必要となるでしょう。

製造業におけるRFIDの活用事例

ここではRFIDがどんなシーンで採用されているかの参考として、製造業における事例をいくつか紹介します。

RFIDはバーコードと比べ機能性が高いことから、いろいろな活用が試みられているのです。これまで紹介した店舗などでの、検品や棚卸しといった使われ方のみではありません。

たとえばある食品工場においては、容器ごとにICタグを取り付け、容器が今どこにあるかの所在管理をはじめ、いつ何度使い、廃棄したかなど多くの情報を管理しています。原料や完成品を収納するために容器を用いていましたが、この容器の管理に必要な情報を記載したシールやバーコードを使用していました。RFIDを導入することにより管理が効率化し、現場で簡単に管理できるようになったとのことです。

また、航空機の整備工場での事例も参考になります。航空機の製造においては、1台につき数百万点にも及ぶ部品やさまざまな工具を使いますが、そのすべてをRFIDで管理しています。航空機のメンテナンスでは、たった1つの工具の所在が大きな事故に発展する恐れもあります。

そこで工具をRFIDで管理することによって、工具をスキャナで簡単に探し出すことができるよう運用しているのです。このようにすべての工具が「どこに」「何個」収納されているか、スキャナを使えばすぐにチェックできます。

その他、製造業の現場では、部品・部材の選択ミスを防ぐ目的でも、RFIDが活躍しています。また在庫管理のデータと組み合わせることによって、適切なタイミングで必要な量を発注可能です。このようにRFIDによって、モノの管理を効率的・高度に行えるようになります。今後もいろいろな形で活用されていくことでしょう。

まとめ

RFIDとは専用のタグに記録した大容量のデータを、専用のスキャナで読み書きするシステムを指します。従来のバーコードと比べ、離れた場所にある複数のタグも一括で読み取ることができたり、障害物越しからでもスキャンできたりなど、使い勝手が大幅に向上しており、店舗・倉庫での検品・棚卸しをはじめ、さまざまなシーンで活躍しています。

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