スマートビルディングとは?必要な要素や技術について解説

 2021.10.27  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

社会のデジタル化が進む中、ICTを駆使したオフィスビル「スマートビルディング」の注目度が高まっています。しかしスマートビルディングとはどのような概念で、どのような技術によって成り立っているのでしょうか。そこで本記事では、スマートビルディングを構成する主要技術としてIoT、AI、5G、ロボットについて解説します。

スマートビルディングとは?必要な要素や技術について解説

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スマートビルディングとは

そもそもスマートビルディングとは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を活用して建物内のさまざまなデータを監視・分析し、保守管理やユーザビリティを最適化したオフィスビルや商業施設のことです。スマートビルディングシステムは、各種のセンサーや監視カメラなど建物中に張り巡らされたIoTネットワークを介して建物の状態をリアルタイムに可視化し、AIなどによってオペレーションを自動化することで、エネルギーとコストを節約しながら、ビル使用者にとって快適な環境を維持できます。スマートビルディングはエネルギー効率の最適化を図れることから、自然環境に配慮したオフィスビルとしてSDGsやESGなどの観点からも注目を集めています。

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スマートビルディングを実現する技術や要素

スマートビルディングは数々のテクノロジーによって支えられています。そこで続いては、スマートビルディングを構成している技術として「IoT」「AI」「5G」「ロボット」を取り上げ、それぞれの役割について解説します。

モノのインターネット (IoT)

スマートビルディングを実現するための基盤技術が、「モノのインターネット」を意味するIoTです。IoTとはインターネット接続機能が搭載された電子デバイスで、スマートビルディングにおいては各種のセンサーや監視カメラなどに取り付けられます。ユーザーはIoTネットワークを介してさまざまなセンサーが検知した情報を取得・共有し、IoT機器同士を連携させたり、遠隔操作したりできます。

例えば、IoTセンサーをビルのすべての設備に取り付ければ、電子機器をモニタリングし、稼働率や稼働状態の検知、消費エネルギーの測定などを行えます。これらのIoTセンサーは、壁、扉、空調、水道、その他の機械など、測定したい内容に応じて、関連するあらゆる場所に設置できます。

また、そこで収集する情報も、空調や照明、水道などの設備機器の状態をはじめ、建物内の室温、湿度、明暗などの環境情報や、ビル利用者の顔、音声、体温、密集状態などの生体情報などさまざまです。建物に関する詳細なデータが得られれば得られるほど、ビル管理者はターゲットを絞った改善や効果の高い変更を行う機会が増えていきます。IoTを活用することで、ビル管理者は建物中の情報を効率的に収集し、一元管理できるのです。

人工知能(AI)

人工知能(AI)もスマートビルディングにおいて重要な役割を果たす技術です。そもそもAIとは、人間の知的能力の一部をプログラムによって人工的に再現する仕組みを指します。スマートビルディングにおいては、主に設備制御などにおいてAI活用の場が開かれています。

IoTデバイスの助けを借りて、スマートビルディングでは大量のデータがビルの隅々から収集されます。収集されたデータを効果的に分析・処理できれば、ビル管理者がデータに基づいたビルの管理運用を行う上で大きな助けになりますが、建物中から取得される膨大なデータを人間が自ら取り纏め、分析するのではとても手が回りません。そこで、リアルタイムデータを実用的な情報に変えるための手段として、AIが重要な役割を果たすのです。

AIがあれば、ビル管理者は施設の運用効率をより高め、資産を効果的に活用してビル利用者の快適性を向上させられます。例えば水道設備にIoTセンサーを埋め込み、そのデータをAIに入力・分析させれば、オフィスの標準的な水の使用量を知り、あるいはそこで想定以上の水が消費されていないかどうかを自動的に確認できます。漏水などのトラブルが発生した場合には即時にアラートが可能です。このようにAIは、さまざまなソースから送られてくるデータを常に処理し、パターンを研究し、技術的な不具合や障害についての予知や被害の極限を可能にします。IoTセンサーがスマートビルディングにおける耳目であるとすれば、AIは頭脳です。スマートビルディングを真に「スマート」にするのはAIであると言えるでしょう。

5G(第5世代移動通信システム)

次世代の通信技術である5G(第5世代移動通信システム)もスマートビルディングが今後さらに活用されていく上で重要な技術です。スマートビルディングにおけるIoTシステムは、センサーネットワークを電波で結び、データを別の場所に転送して情報管理に役立てます。そのため、スマートビルディングを導入するのであれば、IoTデバイスをサポートするネットワークについても周到に整備することが欠かせません。

5Gは、現在普及している4Gよりも通信性能が遥かに向上しており通信速度は20倍、遅延は1/10で、同時に接続できる端末数は10倍にもなると言われています。ビルの隅々まで何百何千のIoTデバイスを設置するスマートビルディングにおいて、この通信性能の高さによる恩恵は計り知れません。

既存の4G回線では膨大な数のIoTデバイスをサポートし、大量の情報を遅延なくやり取りするのには限界があります。この点、5Gはデータの通信品質を大きく向上させ、少ないリソースで多数のIoTデバイスを接続することが可能です。スマートビルディングにおいてIoTの活用が進めば進むほど、5Gによるスマートなネットワークの構築がますます必要になってくるのです。

ロボット

スマートビルディングでは人に変わってロボットが活躍することも期待されています。ここで想定されるロボットやその活用法としては、自動走行ロボットを活用した配送サービスや館内案内ロボットなどが挙げられます。

例えば2020年9月に開業したスマートビル「東京ポートシティ竹芝」は、こうしたロボットを既に実験的に導入しています。同ビルでは、清掃ロボット、搬送ロボット、巡回警備ロボットの3種類が稼働しているのです。

一例を挙げると、清掃ロボット「Whiz」はソフトバンクロボティクスが開発したもので、各フロアに設置されたQRコードを読み込んで、そこで指示された清掃作業を自動で行います。ロボットによる清掃は人間と比べてフロアの床を均一に綺麗にできるので、清掃効率が高くなります。また、Whizは人や障害物を検知し、衝突などしないようにAIが自動制御してくれるので、安全性にも配慮されています。

また、日立はサービス支援ロボット「EMIEW(エミュー)3」を開発し、羽田空港や東京駅で実証実験を行いました。EMIEW3はかわいらしい外見をしたヒューマノイド型ロボットで、困っている人を自律的に見つけて目的地などに案内してくれます。EMIEW3には外国語の翻訳機能も搭載できるので、外国人対応なども期待できます。EMIEW3が困っている人を自発的に見つける仕組みは、外部カメラ・センサーとの連携機能によるものであるため、IoTを随所に活用したスマートビルディングにおいてその機能は最大限に発揮されることでしょう。

まとめ

スマートビルディングはIoTをはじめ、AI、5G、ロボットなど最先端のテクノロジーによって支えられています。こうした技術を導入し、活用するためには専門的な知識やスキルが必要になるため、スマートビルディングにご関心のある方は、AVNETなどの組み込み分野に強みを持つ技術商社に問い合わせをするのもおすすめです。

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