工場IoTによるセキュアなスマートファクトリー化とは?

 2021.04.23  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

工場にIoTを導入することで実現されるスマートファクトリーが注目されています。導入にはどのような注意点があり、またどのような効果が得られるのでしょうか。本記事では、工場IoTで注目されるスマートファクトリーの概要や導入メリット、また導入のポイントについても詳しく解説していきます。

工場IoTによるセキュアなスマートファクトリー化とは?

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工場IoTで注目されるスマートファクトリー化とは

近年、IoTの考え方が様々な業界で取り入れられています。IoTでは、あらゆるモノをインターネットに接続することを目標としており、スマートフォンなどの通信機器はもちろん、ウェアラブルデバイスや家電製品など、身の回りのあらゆるモノに通信機能が搭載されるようになっているのです。

この流れは工場にも影響を及ぼしており、製造ラインにIoTを導入する「スマートファクトリー化」が次々と実現されています。これはスマート工場とも呼ばれ、あらゆる機器や機械、設備がネットワークに繋がり、その稼働状況や設備そのものの状態を把握できるのです。これにより工場全体で効率的な稼働ができるようになり、無駄なコストや従業員の労力を削減するとともに、利益をより大きくすることができます。

ドイツ政府が製造業の効率化・自動化を促す構想を提唱したことなどもひとつのきっかけとなり、日本でもスマートファクトリーを構築する動きが加速しています。実際にいくつかの成功事例もあり、導入した企業では人材不足が解消され、あらゆる作業の自動化が進められているのです。

スマートファクトリーの仕組み

従来の工場では、作業者の経験や勘に頼った、定性的な行動によって業務が行われるケースが多くみられます。しかし、業務が属人化したままでは多くの無駄が発生してしまうだけでなく、作業者の違いが工場の稼働状況や製品の質などにも影響してしまい、ひいては企業全体の課題となってしまうでしょう。

スマートファクトリーを導入した場合、各機器や設備にセンサーが取り付けられ、業務状況を逐一把握できます。これによりデータの収集が可能となり、様々な機器から集められたデータが蓄積されます。これはスマートファクトリーの仕組みとしては最も基礎的な部分ですが、その後の分析に使いやすい形でデータを蓄積しなくてはなりませんし、設計段階からデータをどのように活用するのか検討しておくことが大切です。

データの収集後は分析を行い、その結果から課題点を見出して業務の改善を行います。例えばあるマシンにセンサーを取り付け、その温度等を検知できるように設定した場合、温度データはリアルタイムで管理システムに蓄積され、同時に分析が行われます。システムを監視する人がその情報を確認し、マシンのコントロールを行ったり、作業に当たる従業員ごとの微細な違いを分析したりできるのです。

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センサーを導入することで、簡単なコントロールであれば自動で行うこともできます。当該マシンが一定以上の熱を持った場合は、安全を確保するためストップしないといけないといったケースでも、センサーで異常な熱を検知した場合には自動で止めることが可能となりますし、より細かな温度調節を行うことができるでしょう。

他にも、カメラを取り付けてAIで状況を判断し、自動的に臨機応変な動作を行うように仕組みを作ることもできます。このようにスマートファクトリーでは「見える化」「制御」「自動」がその仕組みにおいて重要なポイントとなっています。

工場IoTによるスマートファクトリー導入メリット

ここからは、工場にIoTを取り入れてスマートファクトリーを実現すればどのようなメリットが得られるのか、具体的に解説します。

製造工程の可視化

まずは「製造工程が可視化」されるということです。製造設備や産業用ロボットの稼働状況が常に監視できるようになり、製造の工程が詳細に把握できるようになります。製造工程を可視化することで、これまで人の目では把握できなかった細部まで確認が行き届くようになるのです。

分析を行うことで、これから起こるかもしれない異常についても予測できるようになります。問題が発生する前に予防できるため、トラブル対応にかかる手間も削減できるだけでなく、トラブル対応中は生産がストップしてしまうといった事態も防げます。

AI活用による制御自動化

大きな工場だと設備や機械の数も多いため、センサーで様々な情報を収集したとしても、それらを人の手で処理しきれなくなる可能性があります。そこで役立つのが、AIによる制御の自動化です。

収集される情報やその処理方法についてAIが学習していくことで、データ蓄積に比例して制御の質も向上することが期待されます。結果として作業者の負担が減るだけでなく、制御による効果もより高まるというメリットがあるのです。

エネルギーの最適化

スマートファクトリーを導入することで、稼働に要するエネルギーが最適化されるというメリットも得られます。規模の大きな工場では、空調や機械の稼働に大きな電力を要します。しかし最適な稼働状況にすることで必要最低限のエネルギー消費に抑えることができ、省エネルギー化に役立つのです。またコスト削減に繋がりますし、省エネに積極的に取り組んでいるという事実は近年において特にイメージ向上にも繋がり、副次的なメリットも得られます。

工場IoTによるスマートファクトリー導入のポイント

工場にIoTを取り入れることのでさまざまなメリットが得られますが、導入の際はどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。ここでは、コストやメンテナンスなど自社内で完結する問題だけでなく、対外的な信用にもかかわるセキュリティ問題にも言及しています。

導入コスト

スマートファクトリーの導入には、前述のとおりさまざまなメリットがあります。しかし、実際にはすべての工場で導入できるわけではありません。その大きな要因は、導入に大きなコストがかかる点です。IoTを導入するために必要なコストは、IoTが知られ始めた時期に比べると安くなっているといえます。それでも、大規模な工場などの場合は、トータルのコストは相当に高くなってしまうでしょう。

設備投資のみならず、導入したITツールを扱うための社員教育にもコストが必要になります。そのため、導入の際は最初から完全なスマートファクトリー化を目指すのではなく、限定した範囲で行い、少しずつ導入範囲を広げていく手法がおすすめです。社員教育にも余裕を持って取り組めるため、まずはIoT化のテストとして導入してみましょう。

メンテナンス工数の発生

スマートファクトリーでは、最新の技術を導入した機械を使用することもあり、その機械に対するメンテナンスが新たに発生します。そのため、メンテナンスに関しても作業員に教育を行わなければならず、必要に応じて研修を行ったり、他の作業員も広く対応できるようマニュアル作成をしたりなど、導入初期には大きな手間がかかります。しかも導入した機械や設備ごとにそのメンテナンス方法が異なるため、工場の規模が大きくなるほどその負担は大きくなってしまうでしょう。

ただし、導入が上手くいきスムーズに運用できる状態になれば、各種機器の状態を最適化でき、故障やトラブルの発生を抑えることができます。そのため導入初期にはさまざまな手間がかかってしまうものの、長い目でみれば作業員の負担が減るだけでなく、コストも削減できます。導入前にメリットとデメリットをしっかりと比較し、できるだけメリットが最大化されるような運用を目指しましょう。

セキュリティリスク

従来の製造現場と異なり、IoTを本格的に取り入れることでメリットを得られる反面、セキュリティリスクを抱えることにもなります。これはIoTを導入する企業が必ず考慮しなければならないポイントです。セキュリティ対策を行わずに導入すると、自社だけでなく、取引先や顧客など外部の関係者に重大な被害が生じる可能性もあるのです。

実際、海外の発電所ではIoT化された電力網が攻撃を受け、大規模な停電を招いたケーズが報告されています。他にも、IoT機器に感染するマルウェアが送信され、サーバーに障害を起こすDDoS攻撃が実行された例もあります。パソコンやスマートフォンなど、通信を行うことが周知されているものに対してはセキュリティ対策が行われることも多いですが、IoTを導入する場合はこれまでセキュリティの問題を意識してこなかったものにまで視野を広げなければなりません。

各機器がそれぞれどのような設定で稼働しているのか調べてセキュリティ上の課題をリストアップし、課題を解決できるようなセキュリティツールを選定しましょう。IoT機器や制御システム、サーバー、ネットワーク、クラウドなど、システムごとに対策が異なるため、場合によっては複数のソリューションを組み合わせる必要があるかもしれません。また、セキュリティ対策をしっかり行うだけでなく、万が一攻撃を受けてしまった場合に備え、迅速に対応できる体制を整えておきましょう。

まとめ

工場のIoT化、スマートファクトリー化は、業務効率をアップさせるために大きな役割を果たします。製造工程を可視化したり、エネルギーの最適化を実現したり、様々なメリットが得られます。導入の際はメリットだけでなく、コストやセキュリティ上の問題などの注意点もしっかりと確認した上で、最適な形でIoTを導入しましょう。

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