小売業に革命をもたらすスマートシェルフとは?

 2020.02.19  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

近年、リテール(小売)業界で話題になっているのが「スマートシェルフ」です。店舗スタッフの多くは、膨大な事務処理や店舗作業に追われて来店者とコミュニケーションを取る時間がありません。しかし、日々拡大するEC市場に流れる消費者を取り戻すためには、そのコミュニケーション(接客)こそが重要だとされています。

海外のスーパーマーケットを見ると、店舗スタッフは来店者とよくコミュニケーションを取ります。店頭作業中であっても手を止めて談話したり、来店者が困っているようなら積極的に声をかけたり。もちろん、日本人の国民性からそうした店舗スタッフと来店者の間でそうした気軽なコミュニケーションはなかなか難しいでしょう。

しかし、小売と消費者の信頼関係を結ぶという意味で、接客にこれまで以上の時間をかけることはやはり欠かせません。

この問題を解決し、かつ今までとは違ったまったく新しいコミュニケーションを提供するソリューション(解決策)こそ「スマートシェルフ」です。本記事では、リテール業界において今後拡大していく「スマートシェルフ」について解説します。

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「スマートシェルフ」とは?

日本語に訳すと「賢い棚(陳列棚)」となり、その意味はよく耳にする「スマート〇〇」と同じで、革新的なデジタル技術を搭載することで今までとは違ったサービスを提供する陳列棚、となります。「陳列棚がどうやってスマート化されるのか?」と疑問を持たれる方も多いかと思いますので、詳しく解説します。

一般的な「スマート〇〇」はモノにセンサーを取り付けてIoT(モノのインターネット)化し、それをインターネットに接続することによってモノからさまざまなデータをリアルタイムに収集します。さらに、データを蓄積するためのプラットフォームを用意して、そこにAI(人工知能)を採り入れることでデータ解析とフィードバック作業を自動化し、モノを介してユーザーにとって有用な情報を提供したり、新しいサービスを提供したりします。

一方、「スマートシェルフ」で取り付けられるのはセンサーではなく、「RFID」と呼ばれる近距離無線電子タグです。陳列棚に並べられた商品の1つ1つにRFIDを付与することで、以下のようなことができるようになります。

  • 在庫情報システムと紐づけることで、陳列棚の在庫状況をリアルタイムに把握できる
  • 店頭商品の在庫状況を消費者と共有して利便性の向上が図れる
  • タグの一括読み取りが可能なため棚卸作業を大幅に効率化できる

従来のバーコードで商品管理を行う場合、1つ1つバーコードをスキャナで読み取る必要があります。複数を一括で読み取るためには、視野内にある複数のバーコードをキャプチャし、画像処理によって情報を認識する技術があります。しかし、範囲が限定的であることから、高い効果は得られないのが実情です。

一方RFIDは近距離無線タグというだけあって、スキャナは陳列棚に置かれている商品を複数一括で読み取ることが可能です。そのためにRFIDを視野内に入れる必要はありませんし、陳列した状態ですべて読み取ることができます。

これにより、「陳列棚でどの商品が欠品しているか?」「在庫に余っている商品はあるか?」といった情報を素早く店舗スタッフに提供して欠品を防げます。また、棚卸作業が非常にスムーズになるため、今までよりも圧倒的短時間で作業を終えられるのは非常に魅力的です。

そして「スマートシェルフ」が消費者に提供する価値が情報共有です。消費者が店頭在庫をリアルタイムに把握できれば、利便性が大幅に向上します。「在庫が欠品していると消費者が足を運んでくれる機会が少なくなる」と懸念する声も多いでしょうが、消費者の利便性を高める方が、店舗と消費者の信頼関係形成に繋がり、結果的には売上向上として還ってきます。

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「スマートシェルフ」は次のステージへ

ここまで解説した「スマートシェルフ」の概要は、従来の一般的なものです。ここからは、次世代の「スマートシェルフ」について解説します。

「スマートシェルフ」はRFIDを商品に付与し、データを在庫情報システムとリアルタイムに結び付けて、在庫情報を把握したり消費者と情報を共有したり、さまざまなメリットがあります。これに加えて、次世代の「スマートシェルフ」では店頭における販促活動を自動化することが可能になります。

具体的に解説しますと、顔認証、重量センサー、デジタルサイネージといった技術を新たに採り入れた、来店者1人1人に最適化された販促活動を行うというものです。

一例としては、まず来店者が特定の陳列棚の前に立っている際に、RFIDと重量センサーによって「その人がどの商品を手に取ったか?」を識別します。さらに、陳列棚またはデジタルサイネージに設置された顔認識技術搭載カメラを通じて、その人の性別・年齢を自動的に識別して、その情報に応じて販促活動用の映像やテレビCMをデジタルサイネージに流すことが可能です。

また、店内に設置した大型デジタルサイネージも同じように顔認識技術搭載カメラを設置することで、「来店者が今必要としているのでは?」と思われる情報をダイナミックに表示して、効果的な販促活動を自動化します。

もちろん、「スマートシェルフ」によって得られた来店者情報を店舗スタッフが確認し、その情報をもとにしながら接客をすることで、効率よく販売するための環境も整えられます。これが、進化した「スマートシェルフ」の姿です。

「スマートシェルフ」はさらに繋がる

「スマートシェルフ」の可能性はまだまだ広がっています。リテール業界が最終的に目指すところは、「スマートシェルフ」を含むさまざまな技術が繋がり、店舗における自動化・効率化を大幅に推進することです。

2018年1月に、米シアトルにて無人自動化コンビニエンスストアの「Amazon GO」が開店したニュースが大きな話題になりました。「スマートシェルフ」がさまざまな技術を繋がることで、この「Amazon GO」以上の自動化がされると想像してみてください。

これまで、日本のリテール企業の多くは「Amazon GO」のような自動化された店舗を描いてみても、技術的に実現できないと諦めていたケースが多いでしょう。しかし、店舗自動化のための技術はもはや、世界的なデジタル企業だけのものではありません。

CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)では、革新的技術を持つさまざまなデジタル企業と協業することにより、「スマートシェルフ」をはじめ「ウォークスルー決済」「ECモバイルオーダー」「IoTデータマーケティング」などの技術を店舗に採り入れることにより、従来では不可能だったレベルのデータ収集・解析・情報化・マーケティング自動化を実店舗で可能にしています。

これらの技術がすべて繋がることで、店舗は来店者1人1人の趣味趣向などを把握しながら、販促活動や商品管理の自動化を促しつつ、来店者とのコミュニケーションに最大限の時間を割けるようになります。

「これまでの店舗とは違い過ぎて想像がつかない」という方も多いでしょう。「スマートシェルフ」などの技術を活用した近未来の店舗に興味がある場合は、ぜひCTCまでご連絡ください。

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