サプライチェーンとは?そのマネジメント(SCM・SCRM)も解説

 2022.03.10  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

相次ぐ自然災害、国家間の緊張、そして感染症の世界的流行と、不安定な社会情勢に置かれた現在は「不確実性の時代」といわれています。このような情勢下で企業が安定的に生産と供給を続けていくには、どのようにサプライチェーンを管理運用すればよいのでしょうか。本記事では、サプライチェーンとそのマネジメント方法について解説します。

サプライチェーンとは?そのマネジメント(SCM・SCRM)も解説

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サプライチェーンとは

そもそも「サプライチェーン」とは何なのでしょうか。まずはサプライチェーンの意味と、その重要性について解説していきます。

サプライチェーンの意味

サプライチェーン(Supply chain)とは「供給の連鎖」を意味します。企業が製品をつくり、顧客のもとに届けるまでには、原料の調達→製造→物流→販売といった具合に、社外の業者(サプライヤー)も含む複雑な物流プロセスを経る必要があります。サプライチェーンとは、この一連のプロセスのことです。

サプライチェーンとバリューチェーンの違い

サプライチェーンと類似した言葉に、「バリューチェーン」という概念があります。こちらは「価値の連鎖」を意味する言葉です。サプライチェーンは、サプライヤーとの取引を含む製品を生産して流通させるまでのプロセス、あるいは製品を市場に出すためのロジスティクスを指します。他方でバリューチェーンとは、競争的優位の獲得を目的に、商品価値を最大化する企業活動を指します。

たとえば、良好なサプライチェーンの構築は、安定供給が見込めるという点で商品価値の向上(バリューチェーン)に貢献するものです。しかし、商品価値を高める方法は当然ほかにもあり、マーケティングやアフターサービスなど、サプライチェーンの範囲から外れる活動も関係しています。このように、サプライチェーンとバリューチェーンは無関係ではないものの、着眼点が異なる概念といえます。

サプライチェーンについて考えるべき理由

サプライチェーンは企業活動において非常に重要な要素とみなされますが、それはなぜでしょうか。

先述のように、サプライチェーンは製品の安定供給に直接関係する要素です。サプライチェーンを適切に管理していれば、必要なものを必要な数量、必要なときに調達できるようになり、欠品や余剰在庫の発生を防ぎつつコストの最適化を実現できます。

逆にこれができていないと、余剰在庫の保管コストが高額になったり廃棄ロスが発生したり、必要な部品が足りなくて製造ラインを止めたりしないといけなくなるかもしれません。実際、コロナ禍においてはクラスターの発生によって工場が閉鎖されたり、半導体が不足したりしたことにより、サプライチェーンの寸断や製品の納期遅れ・供給不足が広く発生しました。

このようにサプライチェーンは、適切に管理されればプラスの影響が期待できる一方、課題やリスクなども存在するため、一度構築されたからといって放置はできません。サプライチェーンの最適化を企業が常に考えないといけないのは、こうした理由によるものです。

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サプライチェーンマネジメント(SCM)とは

サプライチェーンの最適化を図るうえで重要となるのが、「サプライチェーンマネジメント」の実施です。以下では、その概要やポイントについて解説していきます。

サプライチェーンマネジメント(SCM)の意味

計画的かつ継続的にサプライチェーンの効率化や最適化をする手法、ないしはその取り組みを指します。英語で“Supply Chain Management”と書くことから、SCMと略記されることもあります。SCMをとおしてサプライチェーンの改善をすることで、供給の迅速化、人材・在庫管理の適切化や最適化などが期待できます。

サプライチェーンマネジメント(SCM)のポイント

SCMは、以下のようなポイントに沿って実施します。

課題や施策の検討

ポイントその1は、課題や施策の検討です。SCMにおいては、安定的な物流体制の構築やコストの最適化を実現するために、入念な計画性が欠かせません。そして、効果的な計画を立てるためには、まず自社の既存のサプライチェーン全体を見直し、どこがボトルネックになっているのかを分析したり、その改善策を立案したりすることが必要になります。

体制の整備

ポイントその2は、関係企業や関係者に関する体制の整備です。SCMに取り組む際は、発注・入荷・在庫管理・請求書の処理などのプロセスを総合的に考えて、サプライヤーとの連携を深め、担当者の決定なども含めて強固な体制づくりに取り組む必要がります。

システムの導入

ポイントその3は、ITシステムの導入です。複雑化したサプライチェーンを細部までしっかり管理するためには、ITツールの活用が欠かせません。最近では、AIにサプライチェーンの管理運営を任せる「自律型サプライチェーン」という手法も登場しているほどです。SCM用のシステムは導入形態を含めて製品ごとに特徴があるため、自社が求める要件を明確にしたうえで製品選びを進めるのが大切です。

サプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)とは

SCMと同じく重要視されるのが「サプライチェーンリスクマネジメント」です。以下で詳しく見ていきましょう。

サプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)の意味

サプライチェーンリスクマネジメントとは、サプライチェーンにおけるリスク管理のことです。英語で“Supply Chain Risk Management”と記すことから、「SCRM」の略称が使われます。

先に触れたように、サプライチェーンを取りまく環境にはリスクも多々存在します。とりわけ現在は、相次ぐ自然災害や国家間の緊張、そして新型コロナウイルスのパンデミックなど、外部要因での不確実性が激化しており、サプライチェーンも不安定になっています。

こうしたリスクに素早く対応するためには、実際にリスクが顕在化してから動くのではなく、どのようなトラブルが生じ得るかを事前に予想し、そのリスク対策(BCP対策)を考えることが重要といえます。SCRMは、まさにそうした取り組みを意味します。

サプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)で想定されるリスク例

では、SCRMにおいて想定しなければならないリスクとしては、具体的にどのようなことが考えられるでしょうか。以下では、その主だったリスク例をご紹介していきます。

オペレーションに関するリスク

第一に考えるべきは、サプライチェーンを管理運営していく際のオペレーションに付随するリスクです。このリスクの中には、システム障害のような技術的な問題から、発注ミスのような人為的ミス、あるいは配送プロセスなどにおける事故や事件も含まれます。

情報セキュリティに関するリスク

第二に考えるべきは、マルウェア・不正アクセス・内部不正などの情報セキュリティ関連のリスクです。サプライチェーンの場合、情報セキュリティリスクは自社起因のものだけでなく、他社に起因する場合も考えなくてはなりません。たとえば、セキュリティの脆弱なサプライヤーから自社に関する情報が流出したり、あるいはそこを踏み台にして自社が狙われたり、といったリスクも考えられます。

災害・感染症に関するリスク

地震や水害などによる災害、感染症のパンデミックなど、外部要因によるサプライチェーンの寸断リスクも考えなければなりません。また、グローバルにサプライチェーンを構築している場合は、国家間の緊張などが影響してくる場合もあります。こうした外部要因によるリスクの発生は、自社努力だけで防げるものではありませんが、いずれにせよ対策を考える必要はあるでしょう。

まとめ

年々巧妙化するサイバー攻撃に加え、感染症の流行や国家間の緊張などで情勢不安定な今、サプライチェーンの適切な管理が強く求められます。Microsoft Dynamics 365 はサプライチェーンの可視性を高め、その最適管理を支援します。SCMやSCRMに取り組む際は、ぜひご活用ください。

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