倉庫管理業務効率化に効果的な倉庫管理(WMS)システムとは?

 2021.01.15  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

倉庫管理システム(WMS)は、属人化されがちな倉庫管理業務の効率化に効果的なシステムです。WMSの導入により、多くの流通事業者が抱える業務課題の最適化が可能です。そこで本記事では、倉庫管理システム(WMS)の概要や機能、また導入メリットについて詳しく解説していきます。

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倉庫管理システム(WMS)とは

入出荷管理や在庫管理など、物流業務を総合的にマネジメントするのが「倉庫管理システム(WMS)」です。WMSは「Warehouse Management System(ウエアハウス・マネジメント・システム」の頭文字をとった略称です。材料や製品が倉庫に入庫してから出庫するまでを管理するもので、倉庫における在庫状況、帳票管理などの庫内物流の最適化を目的としたシステムです。WMSは、その利便性の高さから、卸売業や小売業、飲食業や製造業、EC通販など、多種多様な分野で導入されています。

WMSとERPとの違い

庫内物流を最適化するWMSと似似ているシステムにERPがあります。この2つの決定的な違いは管理範囲です。ERPとは「Enterprise Resources Planning(エンタープライズ・リソース・プランニング)」の略称で、企業資源計画と訳される基幹システムです。ERPは企業がもつリソースを統合的に管理し、効率的運用を目的としています。顧客管理、人材管理、財務会計管理、サプライチェーン管理など、企業の基幹データを一元管理することで可視化し、組織全体の業務効率向上を目指します。

一方、WMSは倉庫管理システムと訳されるように、倉庫内の物流業務の最適化が目的です。つまり、ERPは企業の経営資源を管理するシステムであり、WMSは庫内物流の管理システムといえます。企業全体の基幹情報管理をするERPに対し、WMSはあくまでも倉庫内を管理対象としたシステムです。基幹システムであるERPを導入すれば、倉庫管理も可能になるのではないかと思われるかもしれませんが、倉庫管理は取り扱う製品や倉庫設備が異なる各現場においてローカルなニーズが発生する業務です。したがって、在庫管理や帳票管理といった庫内物流のマネジメントに特化したWMSの方が適しているといえます。

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倉庫管理システム(WMS)が利用される背景

物流の現場では多くの問題や課題を抱えているのが実情です。たとえば、物流業務において最も重要とされるのが在庫管理です。当然、在庫を多く抱えるほど管理コストは増大します。数多くの製品や材料を適切に管理するのは簡単ではありません。在庫が多すぎれば不良在庫となり、キャッシュフローを悪化させ、企業の資金繰りを圧迫します。しかし、在庫が少なすぎれば販売機会の損失を招くでしょう。

在庫管理を困難にしている要因のひとつが倉庫管理業務の複雑さです。業務内容が複雑で多岐にわたり、慣れるまでに時間がかかるため、人材教育に多くの時間と手間を必要とします。また、アナログ作業では帳票と在庫データにタイムラグが発生します。そのわずかなズレがやがて大きな歪みとなり、ロケーション管理を困難にし、庫内物流を悪化させる原因となるでしょう。このような、在庫管理や複雑な作業を効率化するために導入されるのがWMSです。

倉庫管理システム(WMS)のメリット

WMSは庫内物流を最適化し、業務効率の向上が期待できるシステムです。そんなWMSがもたらすメリットは大きく分けて3つあります。それが「作業の標準化」「リアルタイムで情報可視化」「コスト削減」の3つです。ここからは、WMSの導入で得られる3つのメリットについて詳しく解説します。

作業の標準化

どのような業界においても問題となっているのが作業の属人化です。作業の属人化とは、特定のスキルをもつ人材がいなければ業務の遂行が困難になる状況を指します。WMSは業務を担当する人材の知識やスキルにかかわらず、一定の作業レベルが保てるシステムであるため、作業の標準化を実現します。作業の標準化と庫内物流の最適化を同時に実現できれば、物流業界全体が抱えている人材不足という深刻な問題の解決にもつながるでしょう。

リアルタイムで情報可視化

庫内物流をシステム管理することで、入出庫データなども即時に反映されるため、リアルタイムで在庫状況を把握することが可能です。どこに何が配置してあるのか、いつから保管してあるのか、出荷許容期限はいつまでかなど、在庫に関するあらゆる情報が可視化されます。入出荷の入力作業にタイムラグが発生すると受発注ミスの原因になるため、システム管理によるリアルタイムなデータ取得は、在庫管理の最適化に欠かせない要素といえるでしょう。

また、庫内情報が可視化されることで、いつまでに何をすべきかといった業務目標が具体的になります。やるべき業務を見える化することで、従業員一人ひとりが何を求められているのかが明確になり、具体的な目標とアクションプランを設定できます。それによって、人時生産性の向上が期待できるでしょう。

コスト削減

物流企業において在庫管理の最適化は最重要課題のひとつです。在庫には、現金化されることを目的とした棚卸資産という側面があります。したがって、貸借対照表上では資産となるため、経費として計上できません。在庫を経費として計上できるのは、基本的に販売するか廃棄した場合です。不良在庫を抱えるほど税金面での負担も増加します。WMSによって在庫管理の最適化を実現できれば、キャッシュフロー改善と業績改善につながるでしょう。また、人的ミスによる不利益や、作業に必要な人件費といったコスト削減も期待できます。

倉庫管理システム(WMS)の機能

倉庫管理業務の効率化を実現するWMSがもつ主な機能は、入荷管理機能、在庫管理機能、出荷管理機能、棚卸し管理機能、帳票・ラベル発行機能の5つです。「入荷管理機能」は、入荷された商品を個別にチェックして在庫の不一致を防止するためのものです。「在庫管理機能」は、製造年月日や出荷許容期限といった在庫のデータ管理が主な役割です。「出荷管理機能」は商品の出荷予定を把握します。「棚卸し管理機能」は在庫をバーコードやQRコード管理して効率化します。「帳票・ラベル発行機能」は帳票の発行を行います。この5つの主要な機能を備えたWMSは、庫内物流の最適化に欠かすことのできない必須のシステムです。

まとめ

倉庫管理システム(WMS)は、正確性とスピードが求められる物流業務の最適化を実現します。多くの物流企業にとって在庫管理は重要な課題です。倉庫管理システム(WMS)の導入は、在庫管理業務の最適化と効率化に大きく貢献することが期待できます。庫内物流を最適化するためにも、システム導入を検討する価値は大いにあるでしょう。

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