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DXの市場規模はなぜ拡大している?国内と世界の市場規模や拡大理由を徹底解説!

 公開日:2023.02.09  更新日:2023.05.18

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DXの市場規模はなぜ拡大している?国内と世界の市場規模や拡大理由を徹底解説!01

近年、企業の重要課題として注目されているのが、DX(デジタル・トランスフォーメーション)です。また、デジタル社会の実現手段の1つとして、政府もDXを推進しています。官民共に需要が高まった結果、DX関連の市場規模は拡大していますが、そもそもなぜDXが重要視されているのでしょうか。

この記事では、DXに関する市場規模や市場成長の理由を詳しく解説します。

日本国内のDX市場規模

DXの市場規模はなぜ拡大している?国内と世界の市場規模や拡大理由を徹底解説!02

富士キメラ総研によると(※1)、2020年度における国内のDX市場規模は1兆3,821億円でした。調査対象は製造や営業・マーケティングなどの全12産業で、2020年度の市場規模がもっとも大きいのは交通・運輸業の2,780億円でした。

同社の前回報告(※2)によれば、2019年度の市場規模は7,912億円です。調査条件が異なるため単純比較はできないものの、金額のみ見れば1年間で6,000億円規模で市場が成長しました。2019年度においても最大の市場規模は交通・運輸業でしたが、カスタマーサービス業を除くその他の産業も拡大しています。国内のDX市場は、多くの産業で成長トレンドにあると言えるでしょう。

世界のDX市場規模

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日本国内のDX市場と同様に、世界の市場規模も拡大しています。グローバルインフォメーションのレポート(※3)によれば、2021年における世界のDX関連の市場規模は4,834億ドルでした。さらに同社は、18.57%のCAGR(年平均成長率)で成長し、2027年には1兆3,492億米ドル規模に到達すると予測しています。

また、市場の成長要因に、大企業・中小企業ともに競争力を高めるべく、ビジネスプロセスのDXが進んだ点を挙げています。他にも、製造業における産業ロボットの普及を目指す動きや、IoT・クラウドコンピューティングといったデジタル技術の進歩などの要素がDXの市場成長に繋がったと指摘しています。

DXの技術別に見る市場規模や市場動向

DXの市場規模はなぜ拡大している?国内と世界の市場規模や拡大理由を徹底解説!04

日本と世界のDX市場状況を紹介しましたが、「DX」と呼ばれる製品やサービスがあるわけではありません。DXはデジタル技術によりビジネスモデルを変える概念ですので、用途や業種ごとに多様な製品・サービスが存在します。ここでは、DXと関わる4つの技術ごとの市場規模を見てみましょう。

1.クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングは、DXの根幹とも言える技術です。経済産業省は「DXレポート2」(※4)で「クラウドを活用したデジタル関連投資、およびクラウドサービス研究開発への支援検討」を述べ、クラウドコンピューティングを重要視しています。

クラウドコンピューティングの中で広く普及しているのが、ユーザーがクラウドのアプリケーションを利用する「SaaS」でしょう。富士キメラ総研のレポート(※5)によると、2022年度のSaaS市場は1兆891億円となる見込みです。また、2026年度には1兆6,681億円に達すると予測しています。

総務省でも同様に、企業のクラウドサービス利用率は年々伸びており、2020年には約6割を超えたというデータ(※6)をレポートしています。こうした利用状況の推移も踏まえると、SaaSに限らずクラウドコンピューティング市場は全体的に成長すると考えられます。

2.AI(人工知能)

AI(人工知能)は、収集したビッグデータの分析や予測、業務の自動化に用いる技術です。AIは各業界向けに実用化が進んでおり、画像認識を使った生産ラインの不良品検知や、金融機関における融資審査の自動化などの活用事例があります。

ITR(※7)によると、2020年度におけるAI主要8市場の規模は513億3,000万円であり、前年度比19.9%の増加。在宅勤務やDXに取り組む企業の拡大により、AI活用が広がったと同社は分析しています。主要8市場の中で最大の成長率を見せたのが、前年度比44.0%増となった機械学習プラットフォーム市場です。

3.IoT

例えば自動車・家電・工場といった、「モノ」をネットワークに接続するIoTは、AIやビッグデータと関わりの深い技術です。IoT技術でセンサー等から情報を収集し、AIが分析・統御あるいは人が遠隔操作するといった用途で導入します。一例がIoT・AI・ロボットを活用した「スマート農業」で、農林水産省主導で農業のDX化が推進されています。

総務省の発表(※8)によると、2020年度の世界のIoTデバイス総数は約253億台です。医療や産業用途でのIoT導入が伸びると予想し、2023年度には340.9億台に達すると分析しています。国内のIoT導入企業は2020年時点で12.4%ですが、そのうち導入効果を実感した企業は81.1%に上りました。こうした導入効果の高さにより、IoTの需要は現在よりも伸びると思われます。

4.サイバーセキュリティ

DX推進によりデジタル化やネットワークに接続する端末やデータが増えると、サイバー攻撃を受けるリスクは上昇します。さらに、クラウド利用が進めば、脅威から守るべきデータや端末はあらゆる場所に存在するでしょう。企業は悪意を持つ人や社員の過失から、守るべき対象の所在にかかわらず防御可能な「ゼロトラスト」にシフトします。同時にEDRやIDaaSに加え、データを守るデータセキュリティやファイルを守るコンテンツセキュリティなど、時代にあったセキュリティ対策を取り入れる必要があります

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JNSAは2021年に発表した報告書(※9)にて、2020年度の国内情報セキュリティ市場は1兆2,657億円・前年度比13.0%増と推計しました。市場を細分化すると、情報セキュリティツール市場は5,322億円、情報セキュリティサービス市場は7,335億円です。どちらも前年度から成長しており、DX促進やクラウド環境への対応などの要因により今後も市場拡大すると予測しています。

日本企業におけるDXの現状

DXの市場規模はなぜ拡大している?国内と世界の市場規模や拡大理由を徹底解説!05

DXに関連する技術市場は伸びていますが、実際に日本企業のDXは進んでいるのでしょうか。日本企業におけるDXの現状を、2つのポイントに分けて解説します。

日本のデジタル競争力は世界28位に後退

IMDが発表した「世界デジタル競争力ランキング2021」(※10)では、調査対象64カ国のうち日本のデジタル競争力は28位でした。G7(主要先進国)の中でワースト2位であり、政府主導でDXを推進している割に高い順位とは言えません。

一方、DXが進むアメリカのデジタル競争力は、4年連続で1位に評価されています。中国も4年間で30位から15位へ躍進しており、DXが急速に進んでいる状況です。日本は2019年の23位、2020年の27位と残念なことに後退が続いています。

小規模企業のDX取り組みが本格化

日本のデジタル競争力は相対的に後退してはいるものの、2021年には小規模企業のDX推進が加速しています。IPAは、経済産業省の「DX推進指標」をもとに、企業によるDX状況の自己診断結果をレポート(※11)にまとめました。

レポートは企業のDX成熟度を0〜5の6段階に分けており、2021年に診断した企業のうち、最多の35.4%を占めたのはレベル1以上〜レベル2未満です。レベル1以上〜レベル2未満とは、「DXに着手しているが、全社戦略がない状態で部門単位の実施に留まる」企業を指します。

レベル3以上のDX先行企業は17.7%に留まりますが、2021年度は小規模企業のほとんどの指標が例年よりも向上しました。そのため、IPAは「小規模企業」のDXへの取り組みが本格化したと指摘しています。加えて、2020年以前の調査に比べて自己診断の提出企業数と成熟度が上昇している点から、DXは大企業だけが取り組まれていることではなく、中小規模企業も含めた国内全体でDXの重要性が浸透していると考えられます。

なぜDX市場が拡大したのか|3つの成長理由

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日本のDXは他国に比べると進んでいないものの、前述の通り国内のDX市場は年々拡大しています。DX市場の成長理由を3つに分け、概要を説明します。

1.新たなサービスの開発や提供

DXに取り組む理由の1つに、新たな製品・サービスの必要性があります。AIやIoTなどの技術を活用できず古いソリューションを提供しつづけていると、新たなビジネス環境に適応した競合他社に顧客を奪われるかもしれません。企業競争力を損なわないためには、時代にマッチした価値の創造と提供が必要です。

具体例を挙げると、交通・運輸業界は「MaaS」の開発に取り組んでいます。MaaSとは、異なる交通手段のルート検索・予約・決済をまとめて行うサービスです。MaaSが展開されれば、ユーザーの利便性は大きく向上します。こうした新たなビジネスモデルの創造を目指す動きが、DX市場拡大の一因であることは間違いありません。

2.業務効率化による生産性向上

国内の労働人口は減少傾向にあり、人材不足対策としての業務効率化、ひいては生産性向上が重要です。数多くのデジタル技術を業務に導入するDXは、生産性向上を目指す企業と相性が良いと言えます。人間が担っていた作業をデジタル化すれば、作業効率の改善だけでなく人的ミスの削減も可能です。

DXによる生産性向上の例として、流通・小売業のビッグデータ解析による需要予測および発注業務の自動化が挙げられます。また、業務効率化によって社内リソースに余裕が生まれれば、前述の新製品・新サービスの開発に割り当てられます。人材不足の解消は新たな利益創出に繋がるため、そういう意味でもDX市場は今後も伸びるでしょう。

3.ハイブリッドワーク需要の増加

テレワークやハイブリッドワークをはじめとした多様な働き方の需要が増加した点も、DX市場拡大に関わっています。前項で紹介した生産性向上の一環のほか、自社の働き方改革、災害時の事業継続などを目的としてDXを進める場合、テレワークは有効な手段となるでしょう。

ハイブリッドワークを実施する上では、業務プロセスの変革は避けられません。そのためには、勤怠管理・ワークフローシステム、コミュニケーションやコラボレーションツールといったICTツールの導入が必要です。政府は厚生労働省と総務省を中心にテレワーク導入を支援していますが、テレワークが実施され多様な働き方が行われれば、さらなるDX市場の拡大も見込めるのです。

市場拡大するDXに適応できないとどうなる?|「2025年の崖」問題

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経済産業省は2018年に発表した「DXレポート」(※12)で「2025年の崖」問題を提言しました。「2025年の崖」とは、国内企業のDXが進まない場合、2025年以降の経済損失は年間最大12兆円に膨らむと推測した提言です。DXを実現できなかった企業には、どのような事態が起こり得るのでしょうか。

1.企業競争力の低下

1つ目が、企業競争力の低下です。DXのテクノロジーキーワードでもある、IoT・AI・クラウドなどのデジタル技術の進歩により、企業が取得、処理できるデータは爆発的に増えました。新たな技術に対応しなければ、効率的なデータの収集・活用ができず、市場の変化やニーズを分析・予測できません。DXを推進した企業が新たなビジネスモデルを生み出す一方で、推進できなかった企業は市場競争から脱落してしまうでしょう。

2.技術的負債の増幅

2025年の崖で指摘されている、維持・管理コストが高い「レガシーシステム」は、企業の技術的負債になる恐れがあります。レガシーシステムとは、旧来から維持しているもので、複雑化・ブラックボックス化し新しい技術に適応しづらいシステムです。そればかりか、高額な保守運用費がかかっている傾向があります。また、メンテナンスが属人化しやすく、技術継承も簡単ではありません。技術者の退職によりノウハウが失われ、事業基盤に影響が出る可能性があるのです。

3.IT人材の浪費

レガシーシステムの残存は、IT人材の浪費も招きます。優秀なIT人材を採用しても、レガシーシステムの保守運用にリソースを回さざるをえないのです。新たなデジタル技術やサービスの導入・活用に、IT人材の優れたスキルを活かせなくなります。人材側にとっても、レガシーシステムのメンテナンスでは自分の能力やモチベーションを発揮できません。やりがいを感じず、離職するリスクが高まってしまうでしょう。

企業がDXに適応するには?

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企業DXの取り組みの一つとしては、業務や時代のニーズに合わなくなったレガシーシステムの発見と刷新が重要になります。ただし、レガシーシステムは潜在的で、日常的に使用しているうちは気づきづらく、システムが限界を迎えた際に発覚するパターンが珍しくありません。経済産業省の「DX推進指標」を活用してレガシーシステムを発見し、刷新方法を計画しましょう。

ここで注意が必要なのは、「レガシーシステムの刷新(新デジタル技術の導入)=DX」ではありません。レガシーシステムの刷新はDXの一手段に過ぎず、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革、企業力を強くしていくのがDXの目的です。

今後のDX市場の動向予測

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富士キメラ総研は、2030年度におけるDXの国内市場は5兆1,957億円に達すると予測(※1)しています。2020年度の1兆3,821億円に対して約3.8倍の規模です。2030年度においても、交通・運輸業界が最大の市場規模になると見込まれます。しかし、もっともDX成長率が高いと予想されたのは、約12倍の成長が推定された「自治体」です。住民サービスのオンライン化などの施策が進み、自治体のDX投資が増すと分析しています。

まとめ

DXの市場規模は、国内・海外ともに成長が著しい分野です。市場成長の理由に、生産性の向上や新たな製品・サービスの開発のため、さらには企業の生き残りを意識してDXに取り組む企業が増えた点が挙げられます。今後も市場拡大が続くと予測されており、将来の企業競争力を高めるためには早期のDXへの取り組みが重要になります。

もしまだ取り組まれていなければ、この機会にDXを検討し、早速取り組んでみてはいかがでしょうか。

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