企業がサステナビリティを推進すべき理由とは? 指標にすべき項目も解説

 2022.09.28  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

サステナビリティの推進に取り組む企業が増えつつある背景には、持続可能性に意識を向ける人々が年々増えているからです。企業にとっても長期的な成長を考えた場合に無視できないものとなっています。本記事では、企業におけるサステナビリティの推進の概要や基準にすべき指標について解説します。

企業がサステナビリティを推進すべき理由とは? 指標にすべき項目も解説

サステナビリティとは?

サステナビリティとは持続可能性という意味です。短期的な利益だけを重視するのではなく、企業の活動を長期的な視野で見たとき、持続性に対してどのような影響を及ぼすのかを考慮して行動することを表しています。このような取り組みをコーポレート・サステナビリティとも言います。

環境・社会・経済という3つの要素から企業活動を評価する観点が強まりつつありますが、この3つの要素について説明すると、以下のような課題に取り組むことを指しています。ただし、これらはあくまでも一例であるため、企業の考え方やアイデア次第では以下とは異なる取り組みが実施される場合もあります。

環境:温室効果ガスの削減、海や森林の汚染や負担がかからない方法での素材調達、再生可能エネルギーの利用など環境課題への対応を実践しているか。

社会:多様性を認めること、公正な労働環境を整えること、地域社会に与える影響の考慮など、社会が抱える課題に対応しているか。

経済:社会保障の充実や社員の健康などにも配慮しながら長期的な利益を獲得することを意識した企業活動を行っているか。

上記の考え方において重要なことは、3つの要素を考慮することによって、企業の長期的な成長と利益の最大化を両立するのがその目的だということです。

地球温暖化などの環境危機が迫る現代において、自社の利益だけを追求する姿勢以外に社会貢献も含めて考えていくフェーズに入っています。社会に対して役割を負い、サステナビリティを推進する体制を整えることが企業活動の長期的な成長につながっていきます。

サステナビリティを推進すべき理由とメリット

企業が持続可能性に配慮すべき理由とメリットについて解説します。利益の追求という観点だけで見ると、サステナビリティに配慮しても負担がかかるだけのようにも思えますが、実際のところは企業の基盤となる社会の課題について考え、取り組むことで得られる価値も多いです。

企業価値やブランディングが向上する

企業経営にサステナビリティを取り入れることで、企業価値やブランドイメージの向上につなげられます。環境問題や社会問題の取り組みを行うことで社会的な責任を果たしているとみなされるため、それがブランドイメージによい影響をもたらします。企業が関わる取引先、従業員、投資家、顧客などのステークホルダーから信頼を得やすくなるということです。

イメージが向上することで売上アップやリピーター獲得、取引先の拡大にもつながるでしょう。課題への取り組みがそのまま新市場の開拓につながることもあります。サステナビリティが同じ志を抱く企業や取引先と連携する際の共通言語となり、新しい商品やイノベーションを生み出すきっかけになる効果も期待できます。

従業員のエンゲージメントが向上する

サステナビリティの要素として、企業に所属する従業員の働きやすさに配慮しているかどうかも含まれています。サステナビリティに取り組むことによって、働く従業員の満足度の向上やエンゲージメントの向上が実現します。つまり、忠誠心・愛着心を感じてもらいやすくなるということです。

企業が社会問題の解決へ向けて主体的に取り組んでいる場合、その組織に所属していることで従業員が仕事に誇りを感じたり自信を持つことにつながったりします。働きがいを感じてもらいやすくなり、生産性の向上や離職率を下げる効果が期待できます。また、企業が取り組んでいる課題についての情報発信を行うことで、企業の活動に共感する優秀な人材を集められます。

企業の成長につながる

世界的にエシカル消費の意識が高くなってきており、その影響で環境・社会の課題解決につながる消費をしたいというニーズを持つ層も見られるようになりました。企業にとってサステナブルを意識することはイメージの向上だけでなく顧客のニーズを満たす取り組みにもつながります。

昔と違って現代の企業を取り巻く環境は大きく変化しています。ITリテラシーの高い世代が情報収集を通じて就職先・転職先として企業を選ぶ際には、サステナビリティやCSRを重視するという動きも見られます。また、投資家はESG投資の考え方を取り入れるようになり、企業の成長性以外に社会貢献活動も重視し始めています。

企業もそうしたステークホルダーの価値観の変化を察知し、時代にあわせた経営に切り替えることで長期的な成長を実現できます。見方を変えれば新規事業の立ち上げや新たな市場を開拓するチャンスにもなるでしょう。

サステナビリティと関連用語の違い

サステナビリティには持続可能性という意味があります。企業経営の文脈で捉えるなら、あらゆる組織の活動が長期的に継続できるか、企業利益と環境・社会全体とのバランスが取れているかという意味で使われます。関連用語には意味が混同しやすい言葉がいくつかあるため、違いについて解説します。

ESGとの違い

ESGとは環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字を取ったもので、この3つの要素は企業が長期的に成長していくために重要な観点をまとめたものです。

2006年に提唱されたPRI(責任投資原則)をきっかけに重要視されるようになりました。同時にESGの概念を投資先の判断で取り入れる人々のことを指すESG投資家が増加する背景にもなっています。

ESGは企業が長期的に成功していく観点で重要な要素という意味があります。持続可能性を考える点はサステナビリティと共通していますが、投資家が企業価値を判断する際に参考にする要素という意味が強いです。企業にとっても資金調達や経営基盤の強化に関わるため無関係ではありません。

CSRとの違い

CSRとは組織(Corporate)・社会的な(Social)・責任(Responsibility)の頭文字を取ったものです。企業の社会的責任を意味する言葉であり、日本企業では以前から使われているためこちらの方になじみがあるという方も多いでしょう。

社会に与える影響に配慮するという意味ではサステナビリティと共通点がありますが、CSRは企業活動の範囲で考えられている点で違いがあります。実践するには組織活動が社会に与える影響に責任を持つこと、ステークホルダーからの要求に対して適切な意思決定を行うことが求められます。

日本企業の実際のCSR活動や捉え方の傾向としては、よい商品を提供することやコンプライアンスの遵守、環境保全といった認識が強いです。

SDGsとの違い

SDGsとは持続可能な開発目標の略称です。世界が力をあわせて2030年までに持続可能な世界を目指すための国際目標として2015年の国連サミットで採択されました。2001年のミレニアム開発目標の後継になるものでもあります。

SDGsには17の目標と169のターゲットがあり、やるべきことが具体的に設定されています。開発目標を参考にして、サステナブル経営の実践方法のひとつとして取り組んでいる企業もあります。

SDGsの活動そのものが持続可能性につながるため、サステナビリティと同じものとして語られることも多いです。概念の差を挙げるとすれば、SDGsは世界中で取り組むべき国際目標として具体的にゴールが設定されている点がサステナビリティと異なっています。

サステナビリティを測る指標「GRIスタンダード」とは?

企業がこれからサステナビリティに取り組もうと考えたとき、環境・社会・経済の3要素だけをシンプルに考慮して活動内容を計画したり、社会へ取り組み内容を伝えたりするだけでは、効果的なサステナビリティの実現は困難です。

そこで活用できるのが2016年に定められた国際基準「GRIスタンダード」です。グローバル・レポーティング・イニシアチブという国際的な非営利団体によって策定されました。サステナビリティに関する企業の情報開示のための枠組みであり、3つの要素に関する30以上の項目によってサステナビリティの客観的な測定と情報開示ができます。GRIスタンダードを活用することで、各企業の社会活動における基準の定義が容易になり、外部へも活動内容を伝えやすくなります。

まとめ

企業がサステナビリティを推進すべき理由は、短期的な利益の追求を重視するよりも社会や環境への影響も考慮することでイメージ向上や企業の長期成長などのメリットがあるからです。SDGsもサステナビリティの一部であり、今後も持続可能性が社会や企業にとって重要なキーワードとして、企業経営の軸になっていくことが予想されます。

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