拡張現実(AR)とは?製造業・自動車産業で注目される理由とメリットについて

 2020.12.03  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

「VR(Virtual Reality/仮想現実)」「AR(Augmented Reality/拡張現実)」の技術は様々なシーンで適用され、現在でもその可能性を拡大しています。そして製造業においても、これらの技術は大いに注目されています。

特にARは産業利用が期待され、現在ではAR専用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)もコモディティ化したことにより、幅広いシーンでの活用が検討されています。そこで本記事では、ARとは何か?という基本的情報から、製造業で注目される理由とメリットについて解説します。

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ARとは?VRの違い

「拡張現実」と呼ばれるARはスマートフォンやタブレットのカメラ機能を通じて映し出される映像に対し、デジタル映像を投影する技術です。例えば2016年に大流行した「Pokemon GO」が代表的なAR活用事例です。このゲームではスマートフォンを通じてポケモンを現実世界に投影することで、ポケモンの世界観を擬似体験できます。

一方、VRとは「仮想現実」と言って、3D技術によって作り出された仮想世界の中に、HDRを通じて入り込むという技術です。もちろん実際に入り込むのではなく、HMDに映し出される映像によって「入り込んだような体験」をすることができます。

ちなみに最近では、「MRMixed Reality/複合現実)」と呼ばれる技術も注目されています。これはARのように単純に現実世界へデジタル映像を投影するのではなく、現実世界の中に仮想世界の情報や映像が「まさにそこにあるように」存在させる技術です。

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製造業におけるARの活用

ARやVRと聞くと、コンピューターゲームなどの分野における適用をイメージされる方が多いでしょう。では、製造業ではどのようにしてARが活用されているのでしょうか?

ARによる保守・点検の最適化

製造業では製品の生産活動を通じてさまざまな設備を稼働しています。それらは定期的なメンテナンスを必要とし、作業に関わるマニュアルなども整理されています。ただし、設備の保守・点検では効率性をアップする余地が限られていることから、保全担当者の負担を軽減しきれないことがボトルネックです。特に分厚い技術資料を持ち込まなければいけない現場では、作業を効率的に進めることができません。

ARを活用した保守・点検では、HMDを通じてメンテナンス対象となっている設備に情報を投影することで、保守・点検における情報を素早く参照できることから効率的な作業が可能になります。また、マニュアルを持ち歩く必要もなくなるため、保全担当者の負担軽減にも貢献するでしょう。

遠隔でのトレーニング

ARは遠隔地にいる者同士を繋ぐソリューションとしても注目されています。例えば製造業において技術者をトレーニングするには、支援者が現場に足を運ぶかトレーニングの受講者が特定の場所に集まる必要があります。ARはそうした垣根を取り払い、遠隔でのトレーニングをサポートする技術でもあるのです。

支援者とトレーニング受講者が互いにARのHDMを通じて映像や音声を共有することで、トレーニング受講者は熟練技術者が目の前で作業している光景を見ながら技術を吸収できます。通常の映像を視聴するのとは違い、様々な角度から映像を投影できるため効率的に技術者のスキル向上が見込めます。

製造業におけるARのメリット

では、上記のようにARを製造業で活用すると、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか?

メリット1. 諸経費の削減

AR専用HDMを通じた技術トレーニングにおいて、それにかかる諸経費について考えると多くのコストを削減できる可能性があります。例えば交通費の削減が考えられます。支援者もトレーニングの受講者もいつもの現場から動くことなく相互の連携が取れることから、交通費を削減できます。それに応じてトレーニングスケジュールを調整するためのコストですとか、諸経費を削減できる可能性は高いでしょう。

メリット2. メンテナンス業務の効率化

AR技術によっていつもの設備にさまざまな情報を投影することで、優先的にメンテナンスを実施すべき箇所などを特定して効率性を向上できます。例えば設備に取り付けたセンサーから得られたデータをクラウドプラットフォームに集約し、それをAIで分析・レポートすることでメンテナンスに必要な情報を可視化します。その情報をAR専用HDMを通じて設備に投影することで、より効率的に作業を進めることができるでしょう。

メリット3. 遠隔地からの作業指示

AR技術を使えば、作業マニュアルを3Dモデルとして作成して作業者の視界に投影することで紙のマニュアルを廃止することも可能になります。また、それだけでなく遠隔地から送られてくる設備などの情報を確認しながら熟練の技術者が作業指示を出すなども可能になるため作業ミスを防いだり、効率化を測ることが可能になります。

Microsoft HoloLensを活用したAR活用

製造業のAR活用において注目されているデバイスが「Microsoft HoloLens」です。これはARというよりもMRに近い技術を搭載したHMDであり、クラウドプラットフォームを通じて解析されたデータを現実世界に投影するなど様々な活用方法が展開されています。例えばMicrosoft HoloLensを活用した「予兆保全」は、多くの製造業にとって高い価値を提供するソリューションです。

予兆保存とは「IoTによるデータ収集で修理が必要な時だけ対応する」「フィールドサービスエンジニアの生産性向上」「故障し得る個所が事前に分かるため初回対応完了率が向上」「定期的な点検やメンテナンスで製造を止めることは不要」などのメリットにより製造業に高い生産性をもたらす保守形態です。

この他、生産設備に様々な情報を投影することでより高度なソリューションを実現し、現代製造業が抱えている様々な課題を解決してくれます。

PTCが提供する「Vuforia Studio」は、CADの3Dモデルや画像、ビデオとIoTデータを詳細なARコンテンツに変換することが可能です。これをMicrosoft HoloLensを通じて現実世界に投影すれば、「作業者の生産性と満足度の向上」「エラー、無駄、事故によって発生するコストの削減」「カスタマーエクスペリエンスと競争上の優位性の改善」などのメリットが享受できます。この機会に、自社内におけるAR技術採用を検討されてみてはいかがでしょうか?

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